紙なのにスゴい音が出る...火災報知機になる「壁紙」

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  • author Rina Fukazu
紙なのにスゴい音が出る...火災報知機になる「壁紙」

小学校の廊下の壁にあった「非常時以外、押してはいけない」赤いボタン、理科の実験や家庭科の調理実習で煙を出したら水を降らせる、天井の白いマルいヤツ...私たちの気づかぬところで火災の危険から守ってくれているであろう、火災報知機。

先日ACS Nanoで公開された論文によると、中国科学院上海硅酸盐研究所(Shanghai Institute of Ceramics, Chinese Academy of Sciences)の研究者たちが火災報知「壁紙」を新たに開発しました。火や煙を感知すると甲高いアラーム音を出せるだけでなく、耐熱・耐火で炎が広がるのを防ぐこともできるのが特徴です。

壁紙に使用されるのは、人の骨や歯にも含まれている水酸燐灰石でできたナノワイヤー。研究者たちによって、長く、柔軟なのに頑丈な水酸燐灰石ナノワイヤーが新たに開発されたといいます。

見た目は思いっきり紙なので、音が出るのはちょっと想像しづらいですが、以下の実験動画をどうぞ。かなり耳に響く甲高い音が出ますので、再生する際は、音量注意です。

ポイントは、酸化グラフェンインク混合物の液滴からつくられた感熱性センサー。このインクが、室温では電気絶縁体として働くことで電気の流れを喰い止めています。しかし熱が伝わるとすぐに反応して伝導体となり、火災が発生して約2秒後にはアラーム音を鳴らす回路が完成するのです。

今回の技術が、安全意識の高いインテリアデザイナーや消費者の手に渡るのにはもう少し時間がかかりそうです。なぜなら現時点で、長いナノワイヤーをつくるのは費用対効果が低く、手頃な価格で販売するための生産スキームを整えるにはさらなる研究を要するのだそうです。

これからはデフォルトで壁紙が火災報知機になっている住まいなんていうのも、もしかするとそう遠くない未来で見かけることがあるかもしれないですね。


Source: ACS Nano via Phys.org
Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文

(Rina Fukazu)

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