イルカたちによる「漁場荒らし」が地中海で問題に

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  • author Rina Fukazu
イルカたちによる「漁場荒らし」が地中海で問題に
Image: US Navy(Wikimedia Commons

イルカ VS 漁師の乱。

トップ画像に写るのは、なにか企んでる表情で 人間の手の動きに反応するイルカの様子。最新の調査によると、地中海付近でイルカ、アザラシ、鯨類などによって漁場から魚が略奪される被害が報告されています。

今回具体的な調査が行なわれたのは、政争によりEUの漁猟に関する規制に従っていない北キプロス。調査は次のような手法で行なわれました。

Human Ecologyによると、北キプロスで操業している140隻の漁船のうち131隻の船長が過去1年間にイルカの存在を観察したことを報告していて、エクセター大学の研究者らが水中マイクを設置したところ、年間を通してイルカの音を拾ったとのこと。その後、14隻の漁船に46本の漁網を配備して被害実態を調べたところ、80mにつき1.4平方メートル程度のダメージを確認しました。さらにイルカの生息する地域ではさらに6倍ほどの被害があったようです。

統計的に有意な主張をするのに十分なデータは取れなかったようですが、被害対策のために漁師らが負担したコストは相当なものでした。同研究によれば1隻の漁船あたり年間500〜20,000ユーロ(約6万円〜約262万円)ほどの損失がありました。

漁師が魚を釣り、イルカが魚を奪い、収穫量が足りずもっと魚を穫る...という悪循環が発生しているのに対して、研究者らは漁業管理体制の改善を提案しています。また人間たちが海から魚を穫りすぎなのでは...という懸念から、さらなる漁猟規制の強化を検討する必要性も指摘できます。

イルカの漁場荒らしを抑止するためにも、過剰漁獲への対処がいっそう求められています。


Image: US Navy(Wikimedia Commons
Source: Human Ecology

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文
(Rina Fukazu)