欧州最大級のテックカンファレンスが日本でも!「Tech Open Air 日本版」をレポート

  • author ヤマダユウス型
欧州最大級のテックカンファレンスが日本でも!「Tech Open Air 日本版」をレポート

イノベーションの「今」をありありと感じました。

Tech Open Air(TOA)」は、2012年よりベルリンでスタートしたテック・カンファレンス。クラウドファンディング発のイベントなんですが、2017年にはドイツ最大規模のイベントにまで成長し、今や欧州だけでなく世界中の投資家やファウンダー、アーティストに注目されています。

そんなTOAが、2018年4月26日(水)に日本で開催されました。ギズモード・ジャパンを運営するメディアジーンの系列会社、インフォバーン主導のもと日本へ輸入されたのですが、その関係で今回おじゃますることができまして。ベルリンに行くのはむつかしいからね!

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というわけでやってきました、TOA日本版。場所はamana海岸スタジオ。

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倉庫を改装したスタジオらしく、エレベーターが業務用のそれですごかった。フロア間の移動方法はコレしかないっていう。

ビットコインだけじゃない。ブロックチェーンが秘めるパワーってナニ?

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イベントは、前半は近ごろ話題のブロックチェーンをテーマにしたセッションで、後半は短時間のピッチセッションという二部構成。その他にも色んな出し物があるんですが、まずは前半のセッションから見ていきましょう。

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初っぱなから、Tezos創業者のアーサー・ブレイトマン氏が登場。TezosはICOとしては最大級となる約262億円を調達し話題となったのも久しいですね。あとに続くセッションでは、篠原ヒロさんらの「ブロックチェーンは世界を変えるなんてことはない、むしろゼロリセットに向かうべき」という言葉には、なんともハっとするものがありました。

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そうした思想的、哲学的な話もありつつ、ブロックチェーンをビジネスに活用する事例もいくつか。中部電力は顧客同士で電力を買える仕組みをブロックチェーンで契約できるようにしたいとのことで、今年2月には仮想通貨を使った電子決済アプリも開発しています。なんかすごい!

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聞く方も真剣、真剣。

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ブロックチェーンを上司に説明したときの反応。どうやって説明したらいいんだ...

まぁ、実際はそんなトコロもあるやね。ただ、聞いているうちに、ブロックチェーンという構造はインターネットが僕らの人付き合いの姿勢を変えたように、物事の考え方を変えるかもしれないなぁなんて、漠然と思いました。非中央集権的というか、たくさんの国家、たくさんの考え方があるというか。こうなってくると、思想なのかビジネスなのかわかんないな。

ブレイクタイムは日本風に

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程よい時間のところでブレイクタイム。ケータリングはみたらし団子に和三盆でした。粋〜。

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あれ、パンフレットには書いてなかったのに、日本放送の吉田尚記アナウンサーの姿が!

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会場のあちこちには名刺交換のルールが張られていました。まず話して。名刺交換はあとで。エモい。

イノベーションがビュッフェみたいに盛りだくさん!

ブレイクをはさんで、ここからは後半戦。登壇者が10分ごとに入れ替わる領域横断型ピッチセッションです。10分で6人の、しかもジャンルレスなイノベーターが次々と登場します。

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合成生物学の話では「今後の合成DNAはどんどん安くなっていく」という話があったり。ソフトウェア上で、まるでビデオを編集するみたいに塩基配列を編集する様子が紹介されました。

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かと思えば数分後には、人工流れ星を作るというまったく違う話が飛び出したり。

コレがすごく面白くて、人工衛星から粒を出して流れ星をつくるらしいんですけど、そもそも流れ星が光る原理ってまだ完全に解明されてなかったり、的確な位置で流れ星として認識できるような軌道計算や衛星の仕組みなど、研究量がパないんです。その先にあるのが流れ星って、すごいロマンだよなぁ。

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これはTOAのお膝元、ベルリン発の超高速高精度な3Dスキャナーで作られたフィギュア。顔専用のスキャナーもあったりして、医療や整形外科に応用できるとのこと(パンフレットに載っているこの人のお写真はフィギュアだった!)。

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そして、ピッチセッションの最後は石野卓球さんを招いて音楽とテクノロジーのお話を少々。80年代ベルリンのテクノシーンから今を俯瞰するという感じでしたが、10分という時間ではとてもとても……。もっと聞きたかったです。

こうしたジャンルレスな話を聞いてると、何が自分の琴線に触れるかわからないし、どの話にも「はぁーなるほどなぁ」という仕組みのスイートスポットみたいなのがあって、そのインスピレーションはとてもエキゾチックだと感じました。贅沢なつまみ食いだよなぁ、これって。

テクノロジーとアートは相性イイんです

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ところ変わって、こちらは展示ブース。セッションと平行して展示されていたんですが、どれもユニークでしたよー。まるっとご紹介します。

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QD LASERが展示していたのは、網膜に直接映像を投映する新技術「ビジリウム」を使ったアイウェア。サングラスとほぼ同サイズの外観ですが、左レンズ側に光学系が内蔵されており、ケーブルから送られた映像がミラーを経由し眼の網膜に直接投射されます。メガネ版のHUDみたいなイメージですね。

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センサー中央部に小さくチラっと光ってるのが投映されている映像。HD画質ですが、網膜にダイレクト投映されているせいか粗さは感じませんでした。改造人間の気分だこれ。

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文具でおなじみコクヨは、「ing」なる椅子を展示。こちらも一見すると淡い色のオフィスチェアですが、動いているところを見て下さい。

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そう、座面が前後左右にぐりんぐりんティルトするんです。これが何になるかというと、座りっぱなしによる疲労解消や、心地良い揺れによるα波効果に繋がるのだとか。バランスボールのように姿勢を保つことに集中しなくていいので、360度式の安楽椅子みたいな、そんな安心リクライニング感がありましたよ。揺れるって、なんか良いよね。

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こちらはホログラフィックディスプレイ「Looking Glass」を展示していた、Looking Glass社のブース。これも動画で見た方が分かりやすいかと。

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背面以外が全てアクリル板なのでちょっと見えにくいんですが、表面にホログラム映像が映っているんです。なので、こちらが動けば見える角度も変わります。「VRはスキューバダイビング、ARはシュノーケリングのようなもの。ホログラムなら、水にそのまま飛び込めます」っていうCEOの言葉は、ホログラム憧れキッズからするとズキュンときたなぁ。

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そして、これですよ。展示エリアの中でもっとも大きく異彩を放っていたのが、avexブース。「なんかavexがすごいことしてる」とヒソヒソ聞こえていたんですが、マジですごいことしてました。これも動画で。

技術だけを解説すると、モーショントラッカーダンサーの手足の位置を検知し、レーザーを手足に当てる、というパフォーマンスです。システム内でカメラは一切使ってないとのこと。

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しかしこのパフォーマンスには技術以上にアート的な「意図」がありまして。どうして鈴木編集長はiPhone Xを壁に押し当てているのか。それは後日、別途記事でご紹介したいと思います。お楽しみに!

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他にはブラウザベースで今聞いている音楽を位置情報的に共有するサービス「MuFo」や、自然エネルギー100%の電気を届ける自然電力さんのブースなどが展示されていました。自然電力さんは電気をブースに展示するワケにもいかないので、PVをどうぞ。

すべてのプログラムが終了すると、そのままアフターパーティへ。テック系イベントらしいシャレオツなオツマミを片手に、ライブパフォーマンスやDJを楽しみましたとさ。

このDJブースも面白くて、手前と奥側の壁(おそらくアクリル?)にエフェクトを投映して、立体的なビジュアライザを構成しているみたいです。演者の手前に火花とか出ると、「おぉ」ってなります。

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いやー、もうお腹いっぱいキャパいっぱい。ド最新のイノベーションの話はもちろん刺激的なんですが、イベント全体が思いのほかカジュアルな雰囲気なんです。ぜんっぜん堅苦しくない。テック界隈ってそういう気風はあると思うんですけど、その脱力感のまま温度の高い話がバンバン飛び出てくるのって、なんだか面白いなって。カンファの内容もイベントの空気も、両方ともが面白かったです。

こんなイベントも世界にはあって、そのノリが日本にもやってきたんですねぇ。なんだか気分もオープン、つまりはテックがオープンなイベントでした。


Photo: ギズモード・ジャパン編集部
Source: Tech Open Air 日本版, YouTube

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