バック・トゥー・ザ・フューチャー。
1996年にジャミロクワイが発表し、床(本当は壁のほう)が動く演出で見る者を驚かせた楽曲『Virtual Insanity』。「バーチャル・リアリティー」という言葉が市民権を得だした頃に登場したもので、現代社会を仮想現実に絡めて比喩的に歌ったものでした。
いつの間にかあれから22年が経っているのですが……やっとVRが身近な存在になりましたよね。
シンガーソングライターのチェイス・ホルフェルダーはHTC Viveを被り、VR空間のソフトを使って『Virtual Insanity』をカバーしました。
使われたソフトは、基本的に箱庭音楽ビルダーのSoundStageVR。そして背景やちょっとした効果音に使用したのは「Job Simulator」や「Rick and Morty: Virtual Rick-ality」、「Accounting」。それから音ゲーの「Audioshield」と海底探査体験ができる「theBlu」が使用されているとのこと。
つまり、ボーカル以外すべてVR内で完結しているんです。
そしてこちらがメイキング映像。
ホルフェルダーいわく、「Job Simulator」でグルメ・シェフの面をプレイしていたとき、塩の瓶を振るときの音が『Virtual Insanity』で使われている楽器のシェイカーにソックリだなと感じていたんだそう。さらに、かつて家の中にあるもので演奏した経験から「多分こういうことはVRでできるんじゃないかな?」と思ったのがキッカケだそうです。
「SoundStageVR」は他所から音源をサンプリングすることができるので、それをVR内で編集して、再生用テープに利用しています。ドラムもそれぞれミキサーに繋ぐことで音作りをします。
かつて任天堂の「バーチャルボーイ」を発売日に買って遊んでいたほど、VR的テクノロジーに親しみを持っているホルフェルダー。『Virtual Insanity』の歌詞が今現在の社会状況ともマッチしていることにもふまえ、このバーチャルカバーを試みたといいます。
いっそ、ジャミロクワイのジェイ・ケイにコレをやってもらいたいところでしたが、とてもクールなカバーです。