何度このGIFをループしたことか。
白い台座のうえに刺さる支柱の上には、白い矢印。見たところ右を向いていますね。そしてこれを180度回転させて、左向きにしてみましょ……ってアレ? また右向きになっちゃいました。
これはCGではなく錯視を使った作品。設計したのは明治大学の特任教授で工学博士の杉原厚吉さんで、『右を向きたがる矢印』という作品です。
この設計の仕組みを解くために、他の人が再現した模型で見てみましょう。

この立体造形の表面には、上がったり下がったりした山と谷があり、この山と谷が盛り上がりが、頭のトンガリとお尻の丸みを作っています。

模型を真上から見ると上下と左右が対象の形状をしていますが、表面の角度が絶妙に上下左右非対称なため、斜めから見ると常に矢印が右向きになるんですね。
今度は後ろに鏡を置いてみると、またまた不思議なことが起こります。
同様に向こう側から見ても右向きに見えるため、それを鏡写しにすると左向きに見えるっていうわけです。
とっても不思議ですが、視覚トリックの裏には複雑な計算や工学が潜んでいるのです。杉原さんによると、プラスチックオブジェとして販売されているそうなので、決して左を向かない矢印を自分で体験してみたい方はぜひ。
Image: 杉原厚吉, Instagram
Source: 杉原厚吉(1, 2, 3), Instagram via Reddit
Andrew Liszewski - Gizmodo SPLOID[原文]
(岡本玄介)