世界に自撮りの文化をもたらしたコンデジ神、カシオよ永遠に

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  • author 武者良太
世界に自撮りの文化をもたらしたコンデジ神、カシオよ永遠に
Image: Wikimedia Commons

QV-10にも、EX-TR100にも、お世話になりました。

2018年のCP+会場に、カシオのブースがなかったことから予想はしていました。しかし2018年5月9日(水)、カシオが公開した2017年度(2018年3月期)決算説明会資料に書かれていた「コンパクトデジタルカメラ市場からの撤退により赤字体質から脱却」という一文に、本当にそんな未来が来てしまったのかと愕然としまして。

思えばカシオは、コンデジというプロダクツの魅力を常に追い求めてきたメーカーでした。ちょっと歴史を振りかえってみます。

コンデジの潮流の一端をつくりあげた

1995年に発売された「QV-10」は、ディスプレイが内蔵していました。撮影した写真をその場でチェックできるという機構を持ち、その後に連なるコンデジの始祖ともいえます。また、QV-10はレンズ&センサー部を回転させることができるコンデジであり、自撮り文化を根づかせた存在でもあるんですよね。35mm判換算60mmのレンズだったから、どアップめにしか撮れませんでしたが。

2001年にはIP67相当の防水防塵性能を実現した「GV-10」をリリース。G.BROSというブランドネームからは、G-SHOCKと関係性があるんじゃなかろうか、なんて思ったりもしましたね。当時、防塵・防水力に長けたモデルとしてコニカミノルタの現場監督DG-1がありましたが、カシオはあくまでコンシューマーユースに目を向けていたのが特徴といえるでしょう。DG-1同様ぶ厚く、塊のようなボディでしたけど。

常に持ち歩けるサイズのコンデジを追求していたのもカシオです。2002年に登場した EXILIMシリーズの初代機「EX-S1」は1センチくらいの薄さでビックリ。ステンレスを用いたソリッドな外装でタフでしたし、カシオが誇るカード電卓のような機動力の高さに想いを馳せたものです。薄さばかりを追求して固定焦点、テーブルフォトがめちゃ苦手というクセもありましたね。

2008年の「EX-F1」も忘れてはいけません。ネオ一眼なスタイルでいかにも高画質系。カシオよお前もか、と言ってしまいそうになりますが、プロユースのモデルでもなければ難しかった60コマ/秒の撮影機能を持っていたんですね。動画だって1200fpsを達成。前者は1秒以上撮れない(バッファが少ない)、後者は解像度が336x96ピクセルでしたけど、そんな個性もまた、カシオ。

カシオならではの個性が魅力だった

静止画と動画を組み合わせるダイナミックフォト、白く輝くみずみずしい肌感を出すメイクアップモード、超広角レンズを用いてアジア圏で圧倒的な自撮りブームを巻き起こしたEX-TRシリーズもカシオの作品でしたね。

ぶっちゃけ、各々のモデルにツッコミどころはあります。ぶっちゃけ、ピーキーなモデルが多々ありました。

でもカシオはQV-10以来ずっと、撮って楽しい、撮影した写真や動画を見て楽しいデジカメの姿を追求してきました。Wi-Fi機能つきSDカードEyeFiにも積極的に対応し、スマートフォンとの連携のしやすさも重視してきたメーカーでした。

低価格帯のコンデジ市場がシュリンクしているといわれつづけている現在。この分野で勝負をしつづけてきたカシオがステージを降りるのは仕方ないことかもしれません。しかし撮る楽しさと見る楽しさは、どんなにテクノロジーが進化しても無くならないはず。同資料に書かれていた「独自技術、ノウハウを活用した新しい事業領域創造へ」が、撮る・見るに直結するものであることに、一縷の望みをかけたいですね。

ところで、カシオといえば電子楽器メーカーでもあります。これまた主に低価格帯の市場で勝負しているのですが、同資料によれば事業構造改革の実施で収益性改善しているそうで。おおお。カシオトーンの歴史はまだ続くのか!


Image: Wikimedia Commons
Source: カシオ計算機

(武者良太)

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