赤チームでも緑チームでもない、青チームのGPU。
GPUといえば真っ先にAMD(エーエムディー)やNVDIA(エヌビディア)を思い浮かべますが、じつはIntel(インテル)も独自のGPUを作ろうとしていた時期がありました。その名も「Project Larrabee」です。YouTubeチャンネルのLinus Tech Tipsがその試作機の起動にチャレンジしています。
Linus Tech TipsのホストであるLinus氏によれば、Project LarrabeeはIntel社内で「内蔵型GPU」との競争に破れた結果、プロジェクトごと頓挫してしまったのだそう。そんな幻と化した「Intel Larrabee GPU」の試作機を$400(約4万4000円)で手に入れたLinus氏が興奮しながらマザーボードに接続&電源を入れると…。
ノー…。ファンは回るけど画面は点きません。というのも、このGPUは非常に特殊な仕様となっていて専用のソフトウェアが必要らしいのです。
通常、GPUは処理の効率化を図るために、負荷の種類別に専用のハードウェアを設けています。線を描画する専用のハードウェアだったり、テクスチャー専用のハードウェアだったり。しかしLarrabeeは専用のハードウェアを設けない代わりに、GPU全体の処理能力をソフトウェアがやり繰りします。
これによりどんな負荷も全力で処理できるわけですが、専用ハードウェアと比るとエネルギー効率は1/4なのだとか。なるほど…内蔵型GPUに負けてしまうわけですね…。

Image: Slaventus86/VOGONS
こちらの掲示板の投稿によれば、Larrabee GPUの専用ソフトウェアはアーカイブに保存されているらしいので、アクセス権のある方がいたらぜひぜひLinus氏に…。やっぱり、動いているところを見てみたいです。
Intelにあのジム・ケラーがいる今、ブルーチームGPUの登場に期待が高まります。
Image: VOGONS
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Source: YouTube, VOGONS
(西谷茂リチャード)