離着陸は垂直飛行ができる!
美麗な航空写真を撮ったり、障害物を火炎放射器で焼き払ったりと、今ではいろんな種類のドローンが作られている昨今。
だったら飛ぶことを追求し、高速で遠距離を飛ばせる本気のドローンを作ろうじゃないか、と言わんばかりにスゴいのが登場しました。
それが元Teslaの社員が作ったスタートアップ企業、Volans-i(ヴォランズィー)のドローン。まずは映像で、どのようなものなのかご覧ください。
これのドローンは、時速320kmで、9kgの荷物を約800kmの距離まで運送できる上、4.5m四方のスペースがあれば、揺れて進む船の上でも垂直飛行で離着陸ができるスグレモノ。そして垂直飛行では電気、通常の飛行ではガソリンを使用するハイブリッドでもあるんです。
計算上では、ロサンゼルスからサンフランシスコまで3~4時間で飛行できることになります。自動車だと飛ばしても6時間はかかるので、超特急で配達を頼みたい場合は現状コレが最速なのではないかと思います。
ドローン運送の世界では、9kgが持てるというのが革新的なのだとか。それに既存のUPSやFedexといった運送会社よりも5倍速く荷物を届けることができるとあって、ドア・トゥ・ドアで24時間いつでも自動運転するドローンを武器に、Volans-iは次世代の運送会社になろうとしています。
彼らはすでに、3時間をかけて距離が260kmもあるアリゾナ砂漠を飛び越え、血液サンプルを空輸するテスト飛行で成功も収めています。
CEOで共同出資者のHannan Parvizian氏は、かつて電気自動車メーカーTeslaでオペレーション・アナリストをしていた人物。彼は当時の経験から、このビジネスに着手したのだそうです。
かつて私がTeslaが働いていたとき、早急にパーツをサービス・センターへ、またはメインの工場からこちらまで届けないといけない状況が、毎日のようにあったのです。その数字を見て、もし誰かがドローン技術とB2B(企業間取引)運送を合体させてくれたら、私たちのような会社は大助かりなのになぁ……と考えていたんですよ。
なるほど、必要は発明の母ってやつですね。
Volans-iのもうひとりの共同出資者は、スタンフォード大学時代の同級生Wesley Guangyuan Zheng氏。彼もまたLucid Motors(ルシード・モータース)という電気自動車の製造業社で勤めていた、エネルギー貯蔵分野のエキスパート。
彼らのドローンであれば、工業用パーツだけでなく移植用臓器をはじめとする医療品や軍事関係の配達だって高速でできちゃいます。それに海上だろうが山頂だろうが、800km離れた場所までひとっ飛びなのです。これならソバ屋の出前だって、麺が伸びる前に届きますね!
Image: © 2017. All rights reserved. via Vimeo
Source: Volans-i via CNBC, YouTube(1, 2)
(岡本玄介)