中国「クルマも全部トラッキングします」
Image: Chintung Lee/Shutterstock

中国「クルマも全部トラッキングします」

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私のお気に入り坦々麺屋はもうバレてるから気にしないけどね。

2016年のこと、中国は深圳(シンセン)市で全車トラッキングシステムを試験運転していました。その時点で「最終的にすべての乗用車を対象にする計画」と言われていましたが、ついにその時がきたようです…。

The Wall Street Journal によると、そのトラッキングシステムは今年7月1日から開始されるとのこと。中国国内を走る車には、ドライバーを追跡するために使われる無線周波数識別(RFID)チップがつけられるようになり、初年度のみオプションですが、2019年以降の新車では義務化されるそうです。

中国では、すでに法執行機関が国内の政府+民間の監視カメラで撮影された映像を統合し、AIや顔認識システムで解析する「シャープ・アイズ」という監視システムを導入しています。

同様のシステムは、信号無視した人の顔を大画面に映し出すというように、マナーの悪い市民に恥をかかせるためにも使われています。また、警察が捜査の一環で顔認識技術を導入し、実際にジャッキー・チェンのコンサートで5万人の中から犯罪者を見つけ出し逮捕するという成果もあげています。

車両の監視が始まれば、中国市民の行動マップはさらに詳細になるでしょう。The Wall Street Journalによると、中国は世界最大の自動車市場であり、毎年3000万台もの自動車を販売しているそうです。フロントガラスにRFIDチップを固定することを義務化すれば、新たに道路を走る車から次々とデータが集まり、あっという間に綿密なデータが出来上がることは間違いありません。

ところで無線周波数識別(RFID)チップの搭載ですが、これはなにも真新しいことでも、横暴なものでもありません。隊列で運用されるような商用トラックでは一般的ですし、米国を始めとする様々な国で有料道路の自動支払いシステムに使われています。ただ、中国当局の主張通り、公安の改善と交通渋滞緩和の目的のみで使われるのか、に関しては不安が残ります。

ハーバード大学のバークマン・センターに勤め、地方自治体によるデータと技術使用を研究しているベン・グリーン氏は

権威主義的政府ということを考えると、法執行監視社会的統制でないと言い切ることは難しいでしょう

と話しています。

また、Human Rights Watchの調査員で、中国の監視プログラムを研究しているマヤ・ワン氏は

大量監視のツールボックスにあるツールのひとつでしょう

といいます。

車両を追跡できるなら、すでに持っているデータベースに位置情報の詳細をたっぷり加えられるはず。このシステムが人々の位置をリアルタイムで提供することはないかもしれませんが、ナンバープレート、車種、モデル、色、といった情報は当局に送られ利用されるのは確かでしょう。

プライバシーを叫んだところでいまさら感がありますが、なんとなく「あれもこれも追跡するぞ」と言われると息苦しさを感じますね。


Image: Shutterstock
Source: The Wall Street Journal

AJ Dellineger- Gizmodo US[原文

中川真知子

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