重要書類のセキュリティーにも一役買います。
スマートフォンをかざせば、格納されたURLやメッセージを読み取れるQRコード。それと同じようなことを、フォントでやってしまおうという研究が進んでいます。
フォントの形状を肉眼ではわからないくらい歪ませ、その歪みの形に別の文字を仕込む方法「FontCode」。編み出したのはコロンビア大学。

法則性に基づいてある文字列を別の文字列に変換したりする暗号。でも、わかる人がそれと気づば解読できてしまいます。
「FontCode文字」を使えば、そこに情報が隠されていると気づくことさえできないというわけです。
隠し文字は整数情報に変換、いくつかのブロックに区切った文章に割り当てます。

スマートフォンなどでFontCode文字で書かれた文章をスキャンすれば、隠された情報を読み取れます。この技術は、画像認識に強い「畳み込みニューラル・ネットワーク」(略してCNN)を使い、文字の微細な違いを検知するようになっています。
文章はモニターの画面に表示させても、紙に印刷してもOK。送受信者の双方で決めた鍵を使わないと解読できないようにすることも可能です。フォントの種類もタイムズ・ニュー・ローマンやヘルベチカなどに変更できるようになっており、ドキュメントによっては解読した文字列を文章の補足情報などとして最初から表示させることもできるのです。
この暗号アルゴリズムを使えば、誰かが書類を改ざんしたかどうかもスグわかるように。適切なFontCode文字が使われていなければ一目瞭然です。セキュリティー面でも重宝しそうですね。
使い方によってはクリエイティヴに遊べそうです。見た目は請求書なラヴレターとか、ミステリー小説の中で犯人を示す手がかりがFontCode文字で書かれた文章に隠されているとか、会社の報告書に社長の悪口を仕込むとか。
なるべく便利で面白いことに使われると良いなと思います。
Image: YouTube
Source: YouTube via cnet Japan, COLUMBIA ENGINEERING
(岡本玄介)