消費者としては嬉しいんですけどね。
米執行機関が解除ツール「GrayKey」を導入したりと、ますますつばぜり合いの激しくなるiPhoneの第三者によるロック解除手段。そんな中、Apple(アップル)はiOS 12 ベータ版にてさらに強固なUSBアクセサリの使用制限を導入しています。

上は開発者向けに配布されたiOS 12 ベータ版のスクリーンショットです。「USB Accessories」という項目に、「1時間以上iPhoneがアンロックされなかった場合、USBアクセサリによる通信にはiPhoneのアンロックが必要」という項目が登場しています。そして、こちらのスイッチはデフォルトで有効に設定されているのです。
1時間という時間設定は極めて厳格なもので、たとえば法執行機関が証拠のiPhoneを押収したとしても、ユーザーが1時間以内にアンロックをしていなければ外部ツールによるアンロックが不可能になります。
以前にもiOS 11.4 ベータ版にてこのような機能「USB Restricted Mode」が発見されましたが、こちらの制限は7日間。7日間あれば、単純な4桁や6桁のパスコードは容易に突破されてしまう計算です。iOS 12の1時間という設定には、絶対にユーザーの望まないアンロックをさせないというAppleの確固たる意志を感じさせます。
法執行機関によるスマートフォンのアンロックが必要かどうかは現時点でも判断が分かれています。もちろんそれは事件調査の手助けとなるでしょうが、ユーザーデータのセキュリティを大幅に低下させる懸念もあるのです。さらにFacebook(フェイスブック)による情報漏洩の事実が次々と明らかになっている現在では、むしろセキュリティを高めるのが当然だとAppleが考えていてもおかしくはありません。
しかし、ベータ版に搭載されていた機能が正式版で消えることもありえます。また米Gizmodoはこの件についてAppleに問い合わせを行なっていますが、現時点では回答を得られていません。
Image: MacRumros
Source: Gizmodo US, MacRumors
(塚本直樹)