データは命。
クラウドストレージというものができて以来、とても楽にシームレスに写真や音楽、ドキュメントが保存できています。ありがとうございます。が、これの面倒で大変なのは、1つのサービスから他のサービスにデータを移行しようとするとき。ぜーんぶダウンロードしてから、また1つ1つちまちまアップロードする面倒くささは、データ移行を断念するレベルです。
この「めんどくせー!」の声、テックな企業にちゃんと届いているようですよ。大手テック4社、Facebook、Google、Microsoft、Twitterが、データ移行プロジェクトのためにタッグを組みました。
名前は「Data Transfer Project」
4社共同のプロジェクト名はそのまま「Data Transfer Project(DTP)」。Webサイトが立ち上がり、GitHubにてデータ移行のためのコードが公開されています。しかし、現状は「まだ実用レベルではない」ということ。このコードは、Flickr、SmugMug(写真共有サービス)、Instagram、Remember the Milk(ToDoリストサービス)などのサービス間でのデータ移行が可能。ただ、いわゆるフツーの人では、このコードを使っての移行は難しく、それなりのテック系知識を持つ人でないと無理。今後、ツールがアップデートされて、フツーの人でも使えるようになれば最高ですね。
ダウンロード→アップロードが不要に。GDPRへの対応でもある
Googleは、以前から「Google Takeout」という、保存しているデータをダウンロードするツールを提供しています。
また、先日欧州議会が策定した個人情報保護の枠組みであるGDPRでは、オンラインストレージサービスは、ユーザーがデータをダウンロードできる仕様が義務つけされています。しかしダウンロードは、データ移行という作業における半分だけ。アップロードまでできて完成です。これを、そもそもダウンロードなしで、自分のパソコンのストレージを介すことなく、サービスAからサービスBに移動できたら最高よねという話。

最大のチャレンジ、AmazonやAppleは参加するのか?
GoogleのGreg Fair氏は、DTPの最大のチャレンジは、クラウドストレージを展開するサービス、企業がどれだけ参加するかにあると語っています。「将来的には、業界のリーダーたち、消費者団体、政治団体などにも加わってほしいと考えています。それが実現するまでは、厳しい問題も予想されますし、面白い連携も生まれないと思います」。つまり、すでに参加表明している4社だけでなく、AmazonやApple、Dropbox、Megaなどの参加がない限り、プロジェクトは真に成功することはないと。
これがまた難しい話で、データ移行が簡単になれば、ユーザーの囲い込みが難しくなります。移行が面倒で1つのサービスを使い続けている人って、少なくないはずですからね。ユーザー数を維持、または増やすには、サービス自体の良さが必要になり、消費者にとっては嬉しいことなのですけどね。
Image: Data Transfer Project
Source: Data Transfer Project
Sam Rutherford - Gizmodo US[原文]
(そうこ)