GPD Pocket2ハンズオン:「手軽な価格で気楽に使えるポータブルPC」に今いちばん近いかも

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  • author かみやまたくみ
GPD Pocket2ハンズオン:「手軽な価格で気楽に使えるポータブルPC」に今いちばん近いかも
Photo: かみやまたくみ

いつもカバンに潜ませておきたい感がほしいんだ。

ポータブルなフルOS機に求めるものって何でしょう? いつも使ってるアプリをふつうに使えて、どこでもちょちょっと仕事を処理できることでしょうか? でもそれは当たり前に満たしてほしいことにすぎません。

よくよく考えてみると、どこでも仕事なりができるから、気兼ねせずに出かけたりできる──そのデバイスがあることで、もっと自由な生活が実現しそうな期待感じゃないかと思うんです。もちろん、実際に自由に使えて自由になれたら最高ですけど、その手前のところできちんとロマンを感じさせてほしい。

そんな雰囲気を湛えた製品はすでにいくつか出ています。iPadは優秀で、今でもすでにかなりの仕事をこなせます。でも、OSがモバイル用。まだ自己完結はできていません。Surface Goはすばらしい出来ですが、残念ながらユーザーひとりひとりの自由な使い方に合わせて買わせてはくれないようです。

そんな状況だから、この小さなノートPCの良さに気づけたのかもしれません。

「GPD Pocket2」は、サイズが新書と同じくらいのクラムシェル型ノートPCです。しっかりタイピングできるキーボードが搭載されており、OSはWindows 10 Home。超ポータブルなフルOS機という立ち位置。

創意工夫が感じられる本体からは、ハンドヘルドPCたちが追求した小型万能の夢を新しい形で具現した製品といっていいような魅力を感じます。工夫を凝らし、小型のまま操作性が高められていました。でも、それによって相対的に大きなアドバンテージを得ることになったのが、いちばんおもしろいところかもしれません。

今回、株式会社天空さんのご厚意で、製品版に近い試作機に触れる機会を得たので、ハンズオンを紹介します。製品版と細部が異なることにはご注意ください。

超小型軽量なノートPC

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Photo: かみやまたくみ

GPD Pocket 2の筐体は、マグネシウム合金のユニボディ(一枚板の削り出し&成形加工)。天板にはロゴもなにもないという飾り気のなさですが、ピーキーなコンセプトの端末にはむしろ合っている気がします。味気なさが逆にかっこいい。

かなり小ぶりで、畳んだときのサイズは181×113mm。これは新書(173×105mm)と同じくらい、セカンドバッグにも余裕で入るでしょう。

本体重量は465g。近いのは、iPad Pro 10.5インチ(469g)とSurface Go(本体のみ522g)。ディスプレイサイズでは、iPad ProとSurface Goが勝り、重量とキーボードありという点でGPD Pocket2が勝る、という関係。

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Photo: かみやまたくみ

持ち歩きは悠々。駅の待合イスに据わってメールを書くなんてのもお手の物でしょう。このサイズと重量でノートPCであることがGPD Pocket2最大の強みです。

独特な配置のキーボードは慣れが必要

小型軽量機はいろんなものを犠牲にする運命にあります。しかし、キーボードやポインティングデバイスなどが小型化された結果、操作性やユーザビリティがイマイチでは、実用に耐えるノートPCとは言えません。

そのため、インターフェースがいかに作り込まれているかはGPD Pocket2を見るうえで重要になるでしょう。

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Photo: かみやまたくみ

ディスプレイは7インチ、解像度は1,920×1,200の323PPI。精細感はしっかりありますが、小さいのは否めません。

しかし、タッチスクリーンに対応しているので、必要があればピンチ操作ですぐに画面表示を拡大できます。ディスプレイの小ささはうまくカバーされてるんじゃないかと思います。

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試作機のため、製品版とはキーボードのレイアウトが異なります。具体的には、左上のキーのひとつが半角/全角キーに差し替わるとのこと
Photo: かみやまたくみ

キーボードはムダが廃され、ひとつひとつのキーがぎりぎりまで大きくされています。前モデル「GPD Pocket」と比較してみると一目瞭然。

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前モデルGPD Pocketのキーボード
Photo: Taro Kanamoto

スティック型ポインティングデバイスを廃したことで、キーが整理され、大きくなりました。

しかし、GPD Pocket2のキーボードはキー配置が独特で、ホームポジションを取ったとき、右手が窮屈に感じます。ふつうのキーボードでは、Lキーの右側に+キーや*キーがあり、その先にEnterキーがあります。GPD Pocket2では、Lキーのすぐ隣がEnterキー(つまり小指の下にEnterキーがくる)になっています。通常、Lキーの右側には記号類を入力するためのキー群がたくさんありますが、それらがごっそり抜けているんです。このキー配置には慣れが必要でしょう。

タイプしてみた印象は悪くありません。キーの大きさも十分で、キーストロークもキータッチも違和感ありません。慣れさえすればガリガリ打ち込めそう。

ポインティングデバイスにも慣れがいる

さて、ポインティングデバイスはどこにいったんでしょうか?

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マウスカーソルはオプティカルセンサーで操作
Photo: かみやまたくみ

答えは、キーボード右上。オプティカルセンサーが配置されており、ポインティングデバイスとして機能します。指を動かせばマウスカーソルが移動し、タッチすればクリックです。

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マウスクリックはこのふたつのボタンで行なう
Photo: かみやまたくみ

キーボード左上にあるふたつのボタンで、クリック操作を行なうこともできます。一見しただけではわかりませんが、クリック感のある物理ボタンです(押すとへこみます)。

以下の動画で実際に操作してみた様子を紹介します。

Video: ギズモード・ジャパン/YouTube

キーボード上部左右に手を置き、操作することになります。手を置く位置がディスプレイに近くタッチスクリーンと併用しやすいため、とてもうまい配置だと思います。慣れればそのサイズ感と相まって、従来のノートPCよりもずっとモバイルな使い方ができそうな印象を受けました。ほかにあまりないインターフェースなので、慣れは要りますね、こちらも。1日もあれば使いこなせるようになる気がしますけども。

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Photo: かみやまたくみ

ヒンジが180度まで可動するので、移動中のクルマの中で顔の前に掲げてだらだらブラウジングとか、ベッドの上でぼんやり動画を見るとかもやりやすいんじゃないでしょうか。軽いですし。あ、BlackBerryみたいに使うのはさすがに厳しそうです。

小さいながらもハイスペック志向

スペックでいちばん目を引くのは、CPUにIntel® Core™ m3-7y30を採用しているところでしょう。ローエンド版のSurface ProなどのモバイルPCに採用されているCPUですが、7インチクラスの小型PCで採用している例はほかにほとんどありません。サイズの割にパワフルなチョイスと言えるでしょう。

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GPD Pocket2を紹介してくれた、GPD社のおふたり。左は兄弟機「GPD Win2」
Photo: かみやまたくみ

GPDの方によると、動画編集などの高負荷な作業もある程度できるCPUを採用したかったとのこと。また、CPUが発熱しても大丈夫なように前モデルから冷却機構を刷新。それによって、CPUが性能を十分に発揮できるようにしているそう。

GPD Pocket2の主なスペックは以下の通り。

OSWindows 10 Home
本体マグネシウム合金製
ディスプレイ7インチ、H-IPS、解像度1920×1200、323PPI
タッチスクリーン対応
CPUIntel® Core™ m3-7y30(1.0GHz/2.6GHz、2コア4スレッド)
GPUIntel® HD Graphics 615
RAM4GB / 8GB LPDDR3
ROM128GB
Network802.11a/b/g/n/ac wireless networks
Bluetooth4.1
ポート等USB-A×2、USB-C×1、MicroSDカード×1
寸法181×113×8〜14mm
重量465g
価格クラウドファンディング価格: 569〜639ドル小売り価格: 729〜789ドル

現在明らかになっているのは、これからIndiegogoでクラウドファンディングが始まり、価格は569ドル〜になるということ(国内では代理店の株式会社天空が予約販売を実施予定)。これは日本円に直すと、約64,000円。奇しくもこれはSurface Goの国内価格と近い数字です。

そう、GPD Pocket2はほかの有力タブレット型デバイス(本体のみ)に近い価格になっているんです。そして、GPD Pocket2はその価格でキーボードがちゃんと使える、と。そういう意味では、「手軽な価格で気軽に使えるモバイル機」には今いちばん近いプロダクトかもしれません。タブレット型デバイスが増え、キーボード別売りが増えてきましたから。

インターフェースに慣れが必要という点を踏まえると、合う人にはトコトンまで合う、合わなければさようなら。そんなピーキーなプロダクトなのかもしれませんが、工夫を凝らした作りで「実際に慣れてカタカタと使いこなしてみたい!」と思わせる魔力がしっかりとあるのがすばらしいです。発売が楽しみな1台ではないかと思います。



Photo: かみやまたくみ, Taro Kanamoto
Source: GPD, Indiegogo, 天空

(かみやまたくみ)

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