一緒にするなってことですね。
個人データの取り扱いに関して、米議会がApple(アップル)とAlphabet(アルファベット)に先月送った質問状。7月23日までに質問に回答するよう求められていましたが、ついにAppleが回答、内容が公開されました。議会から企業トップ=ティム・クックCEOへ直接向けた質問状で、回答したのは公務担当ディレクターのTimothy Powderly氏。回答文の日付は8月7日になっています。
質問に回答する前に、まず1枚目で、Appleの質問状に対する見解、意見が書かれています。Powderly氏は、ここでハッキリと「ユーザーは我々の商品ではない」と書いています。ユーザーのデータで商売はしていないと明確にしたわけ。
「プライバシーは、人間の基本的人権であり、我々のプロダクト、サービスは、顧客のデータ収集を最低限にとどめるようデザインされている」
「顧客は我々のプロダクトではない。我々のビジネスモデルは、ターゲット広告のために大量に収集した個人情報に基づくものではない」
あれ、もしかして暗にあの会社を引き合いにだしています? ネタ元のApple Insiderも指摘していますが、言われなくてもピンときちゃう言い回ししてますよね。どう考えても、Facebookのことです。Facebookを槍玉にあげ、うちはユーザーデータ収集して広告売っているFacebookさんとは違いますから!と言っているわけです。手紙の相手以外にパンチ食らわした返答ですね。
質問への回答では、位置情報の取得とSiri使用のための音声データがメイン。位置情報は、ユーザーが設定をオン・オフに切り替えられること、ユーザー名やApple IDとは紐づいていないことが解説されています。iOS画面のスクリーンショットを貼り付けて、設定ページの様子や、ユーザーにどのように位置情報の許可をもとめているかも説明しています。
デジタルアシスタントSiriの使用にて、「Hey Siri」という起動ワード発言前から音声を収集しているかという質問には、NOの回答。「Hey Siri」だけを聞き取る(反応する)ようになっており、起動ワード前の音声データは一時期ユーザーの端末=ローカルに保存されるものの、Apple(またはそれ以外の他社)には提供されていません。
また、起動ワードあとのSiriとの会話は、Appleサーバとのやりとりがあるものの、データにはランダムな番号が割り当てられており、ユーザーのApple IDと紐づいていません。また、Siriについても機能使用はユーザーがオン・オフ設定できること、利用する場合はデータのとり扱いについてユーザーに提示していることも解説しています。
つまり、長い回答文を短くまとめると「データ収集は、許可するか否かユーザーの設定しだい。許可の場合はポリシーを明示していいる。個人に紐づけたデータ収集はしていない。ユーザーの生活を盗み聞きなんてしてない。ユーザーを商売道具にするようなFacebookと一緒にしてくれるな!」ってことです。回答文には、明かされた真新しいビックリ新事実なんてものはなく、すでに公開されている情報です。ユーザーの知らないところでコソコソやってないということを強調した極めて真っ当な回答文となりました。
Appleの回答文全文は以下に。
Apple on Personal Data Collection by Mike Wuerthele on Scribd
Source: Apple Insider