エアコンで病気になることってある?

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  • author Daniel Kolitz - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
エアコンで病気になることってある?
Image: Sam Woolley/Gizmodo US

ポイントは、湿気。

暑い毎日、今年の夏も冷房なしにはやってられません。ただ「アツい、アツい」と思ってエアコンの真下で涼んでいると親に「風邪ひくよ」と言われたことありませんか? 学生時代にはよく「冷房をつけっぱなしで寝たから体調わるい」なんて言っているクラスメイトがいたものです。

でも、冷房の風にあたって身体が冷えたり、喉が乾燥したりする以外の視点で、私たちはエアコンによって何らかの病気にかかることがあるのでしょうか? そうだとすれば、どのような病気に気をつけたら良いのでしょう。

今回のGiz Asksでは、生物学者など専門家たちにエアコンで病気になるのか聞いてみました。その結果、多くの専門家が口を揃えてある疾患へのリスクを挙げていることがわかりました。

Dr. Scott Meschke

ワシントン大学 労働衛生科学教授

(エアコンで病気になるのは)まれだと思います。大きな問題は、エアコン内部で培養されたバイオフィルム(菌膜)が風で散布されること。湿気の問題もあります。古いエアコンのなかには貯水するものがあって、カビによってアレルギー反応呼吸器感染症を発症することもあります。ただ症例をみると、アウトブレイク(感染症などの発生)ではなく細菌やバイオフィルムに関連したものが大部分を占めていることがわかります。

Richard Bentham

フリンダース大学 生物学助教授 。レジオネラ症などの疾病管理専門

どんな病気か、どんなエアコンかによって答えは変わります。

まず「エアコン」は広義語で、私たちがよく知っているのはおそらく「ドライ」エアコンでしょう。家庭のリバースサイクルエアコンは水を使用せず、乾燥した空気を放出します。疾患リスクという観点では、水中で活動を行なう微生物が生き残るのには厳しいことから細菌性疾患はほぼ発生することがないでしょう。微生物が生き残るのに非友好的な環境であるため、「ドライ」エアコンによって病気にかかることはありません。

「ウエット」エアコンは蒸発作用を利用して空気を冷却し、その多くは水を使用します。屋根にあるような室外機は良い例ですが、大きな建物では水を再利用して、冷たい水で冷やした冷却剤が空気を冷却するという複雑なシステムを利用しています。これは、ラジエーターを使う車内のエアコンによく似ています。

もちろん「ウエット」、つまり湿気のあるシステムを使えば細菌や微生物はそこで育つでしょう。主な問題の発生源はここにあります。冷却に使用される水が温まり、外気の汚れ(微生物のエサ)によって細菌の繁殖に理想的な環境となります。こうしたシステムは排気を必要とするため、湿った空気に乗って微生物が散布されるのです。

どんな細菌が含まれていて、どんな人が空気を吸い込むかにもよりますが、これにより病気が発生し得ます。最適な例としては、おそらくレジオネラ症(レジオネラ属菌によるもの)が挙げられます。

湿った空調システムからの空気を吸入すると、誰もが病気になるわけではありません。体力が落ちている人に感染する可能性があります。こうした微生物を大量に含んだ空気は数キロメートル先まで飛び、数百人程度に影響を与え得ます。興味深いことに、病気にかかった人々の多くは屋外にいて、冷房のかかった屋内にいた人々は屋外の排気を吸入しなかったことから感染していないということもあります。レジオネラ症は「ウエット」エアコンによってかかる病気のひとつでしょう。

Dr. Arthur Frank

ドレクセル大学 環境・労働衛生学教授

大きなエアコンから発症し得る病気のなかで典型的なのは、やはりレジオネラ症です。

初めて確認されたのはフィラデルフィアの「Bellevue Hotel」とよばれる場所で、レジオネラ属菌に汚染された水道システムによって死者を出すほどの集団発症がありました。ただし、ちいさな部屋のエアコンでも人々に問題をもたらすことが指摘できます。

私が医学生として4年目のとき、国立がん研究所で白血病の患者について学ぶことがありました。彼が熱で来院したところ感染症の疑いがあり、数日間の抗生物質の投与で熱が下がりましたが、またすぐに発熱しました。最終的には彼の家に訪問して空調システムにバクテリアと真菌が棲みついていたことがわかったのです。

このことから、ちいさな部屋であっても人々を病気にさせるような細菌や真菌は発生することがいえます。ただ、それはまれなことです。もしこれが一般的なことであれば、もっと多くの人々がアメリカのすべての空調システムに気を遣っているでしょう。

George Gray

ジョージ・ワシントン大学 環境・労働衛生学教授

はい、冷房システムで病気になることはあります。その多くは、空気の冷却に使用される水道システムのなかで育ったレジオネラ属菌などの微生物があります。これはスパや水族館など、水源でも起こり得ます。

でも本当に気になるのは、どのくらい病気になり得るのかということですよね。

たとえば、アメリカでは数千億もの家庭用 / 商業用エアコンが存在しています。どれくらい頻繁に冷房にあたるか考えてみてください。2016年にアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が報告したところによると米国民の約3億2千万人のうち、レジオネラ症に関する事例は少なくとも6,100件あり、これによれば病気になるリスクはきわめて小さいように思えます。

50歳以上、現在または元喫煙者、免疫システムが弱った人、慢性疾患を抱える人など、リスクが不均等にあることをCDCは指摘しています。

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