電波望遠鏡をカンバスに。天文データをプロジェクションマッピングにしたアートが圧巻

  • author たもり
電波望遠鏡をカンバスに。天文データをプロジェクションマッピングにしたアートが圧巻

圧巻の規模感。

イギリスでは先月、電波望遠鏡から得たリアルタイムの天文データを望遠鏡そのものに投影するインスタレーションがお披露目されました。投影させるスクリーン代わりになったのは、世界で3番目に大きいとされるラベル電波望遠鏡です。

ラベル電波望遠鏡は、マンチェスター大学が運営するジョドレルバンク天体物理学センターにあります。パラボラアンテナは直径76mもあり、3,200トンもの鋼鉄が使われている複雑な構造物です。

インスタレーションが披露されたのは、7月中旬に開催された音楽と科学のフェスBluedot music and science festivalでのこと。国際的なアーティストを招いてオーディオヴィジュアル作品を制作し、フェス期間中にアイコニックなラベル電波望遠鏡に投影するすCOSMOSという企画の一環として制作されたのです。

COSMOSはジョドレルバンク天体物理学センターや最先端のアート団体Abandon Normal Devicesなどがコラボレーションしている企画です。2017年は日本のメディアアーティスト真鍋大度さんが招かれ、Celestial Frequenciesをお披露目しました。

そして今年のCOSMOSアーティストに選ばれたのは、アディー・ワーゲンクットさん。宇宙の灯台とも呼ばれるパルサーのデータをもとに、Hidden in Plain Sightというアートワークを制作しました。

Bluedot festivalのサイトでは、以下のように説明しています。

Bluedot festivalの間、ラベル望遠鏡は真上の天空に向けられ、深宇宙から電波信号を受信します。ワーゲンクットさんの新たなアートワークはLiDARが収集し、アラップがスキャンをした点群データを用いる進化したプロジェクションマッピングによって望遠鏡の構造に直接投影されます。これにより、建造物へリアルタイムでの精密なプロジェクションマッピングが可能になります

The Conversationによると、はじめはランダムなダズル迷彩のようだった投影は、徐々に規則正しいリズムになっていくのだそうです。では、Bluedot festivalでお披露目されたHidden in Plain Sightを見てみましょう。

タイムラプスでもどうぞ。

さらに本番中、ワーゲンクットさんの視点から。

if anyone needs me ill be projecting onto this 90meter high telescope all night

Addie Wagenknechtさん(@wheresaddie)がシェアした投稿 -

学術と研究のニュースサイトThe Conversationでは、科学者としてこのプロジェクトに携わったジョドレルバンク天体物理学センターのRene Bretonさんが、その体験を研究者目線で綴っています。

データをアートに変えることはもはや珍しいことではありませんが、「宇宙から得たデータを視覚化して、リアルタイムで望遠鏡そのものに投影する」というのはラベル電波望遠鏡でしかできませんよね。

少し気が早いですが、来年はどのアーティストとコラボするのか、そしてどんな作品になるのか…期待してしまいます。

Source: The Conversation, Bluedot(1, 2), Jodrell Bank Discovery Center, Abandon Normal Devices(1, 2), YouTube(1, 2, 3),Instagram(1, 2

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