電気自動車の開発のハードル、下げてみました

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  • author 岡本玄介
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電気自動車の開発のハードル、下げてみました
Image: GLM

原寸大のミニ四駆を作る感じ?

ここ数年、世界中の自動車メーカーが電気自動車(EV)の開発に着手しています。排気ガスを出さず、化石燃料も必要とせず、環境を守るためにも陸海空であらゆる乗り物がEV化しつつあります。

ですが大企業ならいざ知らず、中小企業やベンチャーなど開発したくてもできない台所事情を抱えている……という場合も少なからずありそうな気がします。

そんなニーズに応えてくれそうなのが、オリックス・レンテックGLMが始めたEVの「プラットフォーム」レンタルサービス。これはEVを丸ごと一台貸し出すのではなく、バッテリーやモーターなどの駆動装置や、制御装置とシャシーなどの台車を組み合わせた心臓部(=プラットフォーム)のみをレンタルさせるという世界的にも珍しいもの。

ターゲットは、EVの研究開発を行なう企業

プラットフォームにはシートもハンドルもないのですが、提供元のGLMは「EV向けの部品や製品、システムを開発する企業の、試作品の搭載・動作検証など、研究開発用としての需要を見込んでおり、年間6社6台程度の利用を目指す」としています。もちろん人が運転するクルマを作っても良いですし、どこか特定のパーツのみに注力しても良し、もしかしたらAI制御で自律運転するロボット・カー的なものを開発する研究機関もあるかもしれませんね。

このプラットフォームは、京都大学の京都電気自動車プロジェクトを母体に、2010年に創業したEVメーカーGLMのスポーツEV「トミーカイラZZ」で使用している第1世代プラットフォーム。料金は60カ月のレンタルプランで、月額14万3000円(税別)となっています。

一例として、京セラも「トミーカイラZZ」を使ってコンセプト・カーを作っています。高精細なカメラや液晶ディスプレイ、超薄型スピーカーや温度調整装置など12種類の機器類を実装したモデルになっています。

Video: GLM/vimeo

なおプラットフォームにはナンバープレートがないので、私有地でしか運転できないとのこと。このサービスでEV開発のハードルは下がったものの、そこそこの資金と土地を持った企業や大学じゃないと利用は難しそうですね。

Source: PRTIMES, GLM, vimeo