タイポグラフィに込められたアツい思い。
2008年6月24日から提供が始まったEvernote(エバーノート)。一時期はアーリーアダプターの必携サービスみたいな扱いだったスクラップブックツールも、今年で10周年を迎えます。Evernoteはこの節目に、ロゴとブランドを刷新しました。

新ロゴはこんなかたち。プレスリリースによると、ロゴ全体のプロファイルに丸みを持たせて柔らかい印象にし、Evernoteの象徴的なパーツであるめくれを大きくしたとのこと。象の顔パーツもいくつか修正してるんですって。わかります?
特に、セリフ体と呼ばれるうろこをもったフォントを採用したのには、ちょっと驚きました。昨今のwebサービスロゴはどこもかしこもフラットなデザイン、サンセリフ体ばかりで、恒久さや公平さはあれど似たり寄ったりだなーと思ってたんです。そこへきてこのPublico Boldの墨感たるや!

新旧ロゴ比較はこんな感じ。刷新前のロゴにはCaeciliaフォントが使われていて、セリフ体っぽいうろこはあれど縦横の面積比が小さくサンセリフさがありました。そもそも10年前のデザインですから、当時はAppleだって太めのMyriadでしたし、Googleのロゴも影付きのCatullだったことを思えば、Webサービスのロゴとしては長持ちした方ですよね。
色についても、新ロゴの黒は「100%黒色」で出力されると、非常に印刷屋っぽい厳密な表現。緑とのコントラストが心地良いだけでなく、信頼と明確さというEvenoteのDNAを鮮やかに体現しているなと思います。最近はあえての85%グレーみたいなハズし気味の黒も多いですし、書体と相まってアナクロさがあるというかノスタルジックがドライブというか。深い黒は心地良いのです。
そんな、時代性よりも自分たちの使命を体現してきたEvernoteの新ミッションは、「人々が本当に大切なことに集中できるようサポートする」。ブランドミッションに相応しい新機能なんかが出てくれると嬉しいですね。
Source: Evernote, PR TIMES, Wikipedia, FONT for the DAY