アメリカで「宇宙軍」設立。公式ロゴも検討中

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アメリカで「宇宙軍」設立。公式ロゴも検討中
Image: Pence/Trump 2020

名前はちょっとアレですが、やることは意外と真面目…かも。

先日ペンタゴンにて、マイク・ペンス副大統領がアメリカ宇宙軍の設立に向けての計画を正式に発表しました。新しい軍の設立は70年以上行なわれていません。

1973年ぶりの新しい軍形成

ペンス氏は視聴している兵士たちに向けて、宇宙軍について「ついに時がきたアイデア」であり、米国の宇宙におけるリーダーシップを再建すると説明しました。設立されれば、空軍が1947年に誕生して以来の新しい軍になります。また、軍に関する新たな詳細と2020年の設立に向けての計画も発表しました。

ペンス氏はトランプ大統領を引用し、陸/空/海同様に敵対国が宇宙を新たな戦場に変えたと語り、新たに宇宙空間におけるアメリカの国益を守ることに特化した軍の設立が必要であると説きました。

平和で争いのなかった場所は、今や過密で敵対的だ。他国はかつてない勢いでアメリカの宇宙における国益を脅かしており、地上から人工衛星をジャミング、妨害、停止させる技術を開発している

こう説明するペンス氏は、「他国」を中国やロシアであることもはっきりと明言しました。

例として、2007年に中国が老朽化した気象衛星をミサイルで破壊したことを挙げ、「非常に挑発的だ」としました。同氏によれば、中国やロシアの開発している高度なレーザーや軌道上の技術はアメリカの人工衛星を無効にできる可能性があるそうで、特に中国は、極超音速飛翔体の実験につい先日成功したことに触れ、アメリカのレーダーをかいくぐれる極超音速ミサイルに大きく投資していると発言しています。

他国の行動が示すように、敵はすでに宇宙を戦場にしており、アメリカはその挑戦に屈服しない。真正面から対抗する。アメリカは常に平和を求めるが、平和は力によってしか得られない

と、いかにもアメリカンなペンス氏。彼は、宇宙軍は陸海空さらに海兵隊と沿岸警備隊の5軍と同等であると主張し、米軍の「宇宙における戦力を強化する」ための4つの計画を発表しました。

宇宙軍の活動計画

まず、U.S. Space Commandと呼ばれる新たに統一された指揮系統が作られ、他の軍や分野との連携を保つため、大将によって率いられることになります。この指揮系統が、宇宙に特化した戦略や行動を練るほか、さまざまな任務を担います。

また、宇宙軍の設立によって「宇宙での戦闘に特化したエリート部隊」を結成し、「新たな軍の根幹とする」そう。この部隊はSpace Operations Forceと名付けられます。全国の部隊から男女問わず選別されて編成され、ユニークで団結した部隊になるとのことです。

さらにSpace Development Agencyと呼ばれる合同組織も設立され、宇宙空間における最先端の兵器開発が行われます。「テクノロジーにおける大胆なブレークスルーが必要であり、敵国よりも早く開発しなければならない」とペンス氏。

軍の設立にともなって、国防長官直属の宇宙防衛次官補が選出されます。この役職は宇宙軍における責任の所在を明確にし、軍の一部を宇宙関連の部隊に移行させる手助けになるとしています。

宇宙軍は2020年までに設立を完了させる予定ですが、ペンス氏は「議会が決定せねばならない」とコメント。来年2月に予定している2019年度予算には、新たな軍に必要な経費も盛り込まれます。

我らがアメリカ軍の新しい1ページを開くのだ。アメリカ宇宙軍設立の時が来たのだ

このようにペンス氏は締めました。

公式ロゴも投票中

この発表が行なわれてまもなく、トランプ支持者たちの元に1通のEメールが送られてきました。それは、宇宙軍のロゴに投票するためのものでした。仕事早いですね。

180813_space_force_logo03
Image: Trump/Pence 2020
意図のよくわからない赤い軌道や、スターシップトゥルーパーズからそのまま出てきたようなロゴまで

選択は6つあり、その中からお気に入りのロゴを選べばいいわけです。トップ画像のふたつとすぐ上のこちらはなんとも非常に適当で、強そうな軍という印象がまったくありません。ですが、問題なのは最後のふたつ。

180813_space_force_logo04
Image: Pence/Trump 2020
NASAのパチモンロゴに、火星への警告

左は明らかにNASAのロゴのパクリですし、右はゲーム「ノーマンズスカイ」からそのまま持ってきたような雰囲気に、なぜか「Mars Awaits(火星が待っている)」のメッセージ。地球の周りの人工衛星の防衛が主な任務なわけですから、火星探索は基本的に関係ないはずなんですけど…。

宇宙軍設立は、政府の処理せねばならない手続きやコストの増加、軍の大幅な再編成などで批判を受けていますが、トランプ政権はそれでも推し進めています。それだけでなく、アメリカ空軍が現在行なっている宇宙関連の任務の多くも取り上げられてしまう可能性があります。いずれにせよ、設立はほぼ確実なものとなりました。と同時に、ペンス氏が言うように、世界の軍事史にも新たな1ページが刻まれることになりそうです。

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