HDRの恩恵がわかりやすくなってくるかも。
『Horizon Zero Dawn』や『Battlefield』など、色鮮やかな映像を出力する「HDR(ハイ・ダイナミックレンジ)」設定のあるゲームが増えてきました。でも、HDRの描写はディスプレイやプラットフォームなどの影響をモロに受けます。HGiG(HDR Gaming Interest Group)は、この影響をなんとか抑えるために、HDRゲームコンテンツについてのガイドラインを策定しました。
HGiGは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)、Microsoft、LGなど、複数の企業で構成されたグループ。ゲームメーカーから、デバイスメーカーまで幅広く参加しているところがポイントです。
同じHDRでも体験がバラバラ
昨今のHDRについて、HGiGは「業界ではトレンドになっているが、その結果は最適ではなく、場合によってはゲーム体験に影響を与えることがある」と指摘しています。HDRについてはEIZOの解説ページを参考にしていただくとして、つまりはHDRコンテンツの体験差をどげんかしたいのですね。
こちらはガイドラインのPDFに記されたHDR描写の違い。前者ではトンネルの出口が白飛びしていて、先が見えていません。コンマの判断が求められる『グランツーリスモ』で、このグラフィック差はフェアとは言い難い。
HDRの魅力を引き出せる環境づくりをしていこう
HGiGの策定したガイドラインは、こうしたHDRによる体験差をなくし、HDRの魅力を最大限活かしていきましょうというもの。ゲーム開発やプラットフォーム、ディスプレイなど、それぞれの視点で現時点において優良とされる事例がまとめられています(ガイドラインはこちらのPDFから)。
HDRの国際規格(ITU-R BT.2100)が制定されたのが2016年7月ですから、HDRコンテンツの歴史ってまだ浅いんですよね。HDRによる美化向上がもっとイメージしやすくなれば、それに見合ったディスプレイやコンテンツを買うのも納得できてきますし、消費者的にもHDRの良さが実感できてくる気がします。PS4 ProやXbox One Xも見直されてくるかも。