ディスプレイの未来を垣間見た。
小型・中型ディスプレイ用部品で世界一のシェアを誇り、今年の新型iPhone用の液晶パネルの受注も決まったジャパンディスプレイ株式会社(JDI)が、戦略発表会「JDI Future Trip」を開催しました。今回は、JDIが開発したエッジの効いた製品&コンセプトモデルがお披露目されました。
発表会では今までディスプレイ内部の部品を中心に展開してきたJDIが、企業・個人向けの製品展開も行なっていくという展望が語られ、それに合わせて奇抜なアイデアを取り入れた製品が続々登場。
モータースポーツ向けのヘルメットに透過カラーディスプレイを搭載した実験モデル

3D専用メガネを用いず立体的な3D動画を視聴可能なディスプレイ

カメラで撮影した映像を数秒遅れで映し出す音声認識スマート鏡「遅れ鏡」

近未来の車のコックピットディスプレイ(コンセプトモデル)

透過率が80%のカラーディスプレイ

3D専用メガネを用いず立体的な3D動画を視聴可能なディスプレイや、カメラで撮影した映像を数秒遅れで映し出す音声認識スマート鏡「遅れ鏡」、そのスマート鏡を内蔵したIoTドア「FULL HEIGHT MILAOS」、モータースポーツ向けのヘルメットに透過カラーディスプレイを搭載した実験モデルなどなど、実用的なものから未来を行き過ぎていて脳が追いつかないアイテムまで、さまざまなものが一気に出てきました。
サバゲーにも使えるHUD搭載ヘルメットがアツい

個人的に激アツだったのが、HUD(ヘッドアップディスプレイ)搭載ヘルメットのコンセプトモデル「スパルタ」。
車載HUDに採用されているユニットを小型化して内蔵し、そこからハーフミラーに映像を投影し反射させて見せているという構造。様々なタイプのハーフミラーが用意されていましたが、まだまだ形は模索中なのだとか。

こちらはオートバイで走行中に視線を大きく移すことなく速度やGPSなどの情報を見ることを可能にするというもので、モータースポーツの他にも、建設現場や警備など情報を安全に見ることを要求される場面などでの応用も検討されているとのこと。
しかし、実はJDIの常務執行役員で今回プレゼンテーションを行った伊藤嘉明さんの趣味がサバイバルゲームということもあって作り出されたらしく、サバイバルゲームや屋内型のARゲームなどでの活用も考えられているのだとか。
小さめのハーフミラー

横に長いハーフミラー

かなりいかしたHUDでもおなじみのマーベルヒーローのアイアンマンを彷彿とさせるカラーリングのヘルメットも展示されていてニヤリとさせられたのですが、最高なのはその名前の由来。
伊藤さんが古代ギリシャの国スパルタの王であり映画『300』でもおなじみのテルモピュライの戦いで圧倒的な戦力差の敵に少数の兵で挑んだレオニダス王が好きで名付けたものなのだとか。趣味の炸裂っぷりが最高だし、無謀な戦いに挑んで死んだ男にあやかるという、その意気やよし!
『HALO』のマスター・チーフ(超兵士計画スパルタンで生まれた兵士。もしや本当の元ネタは……)のヘルメットっぽくもありSF感が夢が広がりますよね。中身の構造はそんなにかさばる感じではなさそうだったので、大型のサバゲ用フルフェイスマスクにも内蔵できなくはなさそうで、重さと耐久性に問題がなければ、HUDを駆使するハイテクなサバゲが楽しめる時代も手が届くところに来ている気がします!
こういう未来が欲しかった

また、今回のプレゼンテーションと合わせて展示が行なわれたものもなかなか未来を感じさせられる製品がずらっと並んでおり、赤外線センサーを用いて非接触で操作が可能なタッチパネルなど面白いものも展示されていました。
直接ディスプレイにふれるわけではないので、料理中や手術中など直接触れられないシチュエーションにも役立てたいという製品とのことですが、ホログラムっぽく浮き上がる画面を操作して寿司を注文するというデモ機のシチュエーションがサイバーパンク味で最高でしたね。こういう未来が欲しいんですよ、俺は。
とにかく、ちょっと奇妙でカッコいいSF映画のような未来に着実に近づいていることが感じられた戦略発表会でした。JDIのこれからの展開がかなり気になりますね!
Source: 株式会社ジャパンディスプレイ