(2018年8月13日 12:10修正)「火星」を「木星」としていた誤訳を修正いたしました。記事に誤りがありましたこと、お詫び申し上げます。
地球から出発する方向がカギです。
前人未到の星、太陽。今月NASAは、宇宙探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」を宇宙へ飛ばし、太陽と金星の周回軌道をグルグル回りながら太陽を観察します。太陽の表面から590万kmまでの距離までしか近付かないというのに、そこは摂氏1370度の世界が広がっているのです。
(2018年8月13日 12:10加筆)打ち上げ成功しましたね! あと、590万kmはめちゃくちゃ近いです!
そんな太陽ですが、地球から肉眼で確認できますし、近い星のように感じますよね。では木星火星と比べると、どっちへ行くのが楽チンだと思いますか?
答えは次の映像でどうぞ。
答えは木星火星でした。太陽に到達するには、木星火星に行く55倍のエネルギーが必要になってしまうのだそうです。
それは地球が、太陽の周囲を時速約10万8000km(秒速約30km)で公転しているから(地球が太陽の引力に引き込まれなにのはこのため)。なのでもし太陽に真っ直ぐロケットを飛ばしても、その勢いが付いているので斜めに放り投げられてしまうのです。
ではどうするかというと、地球の公転の勢いを消すよう、公転と逆方向に打ち上げます。ただそうするにしても、太陽に近づくには打ち上げ速度+時速約8万5000km(秒速約24km)ぶんの減速が必要……。ということで、金星スイングバイをなんども繰り返して速度を落としていくのです。
こうして「パーカー・ソーラー・プローブ」は地球の公転方向の速度の大部分を打ち消しますが、太陽に落ちる方向の速度は増しに増します。太陽のそばを飛来する際は、なんと時速約69万2020kmに到達するとのこと(歴代最速)。
そんな超高速で、どんな記録をゲットしてくるのでしょうか? ついでに金星もいろいろ調べて欲しいですね。