ソニーと戦えるカメラがやっと出た!
ニコンが満を持して発表したフルサイズミラーレスカメラ「Nikon Z7」。米GizmodoのSam Rutherford記者もニューヨークでの発表会でハンズオンし、その仕上がりに興奮気味です。実際どんな写真が撮れてるのか、以下ご覧ください!
ニコン初のプロフェッショナル・グレードのミラーレスカメラ「Nikon Z7」が誕生しました。僕は発表イベントでZ7に触れ、実際に撮影もできました。この記事ではZ7の使用感とか、実際に撮ったサンプル画像とかをまとめていきます。
ただこの記事に貼ってある写真は、ニコンがZ7の素晴らしさを伝えるべく開いたイベントの場で撮ったものなので、その点ご注意ください。あと、ここで使っているZ7はプリプロダクション版なので、米国では9月27日とされている発売日までに何かしらアップデートされる可能性もあります。
まずは操作感をお伝え
写真を見る前に、Z7の使用感についてもお伝えしておきたいです。Z7はソニーのα7ほど小さくはないのですが、それはグリップの大きさによるもので、その分はるかに持ちやすいです。しっかりしたサムレストなど細かなパーツの配置も絶妙で、ニコンがこのフラッグシップミラーレスカメラのデザインに費やした熟考とか心づかいといったものがビシビシ伝わります。
ただ、僕はニコンのカメラのボタンとかダイヤルの配置にかなり慣れているつもりですが、それでもZ7の操作部に慣れるのには少し時間がかかりました。たとえばD850だと、ファインダー左側にあるモードダイヤルの上に、測光モードとかホワイトバランスとかを調整するボタン(いわゆる四つ葉ボタン)がありますが、Z7ではこうした機能の一部が画面右下のボタン群に移動したり、一部はメニューの奥深くに埋め込まれたりしています。
この変化に慣れるのがけっこうな負担で、テストの最後のほうに、フォーカススティックの下の大きな「i」ボタンを押して、十字キーかタッチスクリーンを使うほうが速いことに気づきました。あとはスティックで焦点を動かすスピードがやや遅く感じられて、それを速くするメニューがどこかにあるはずなんですが、見つけられませんでした。
…と、このへんで操作周りの話は終わりにして、写真を見ていきますね。
「絞り全開でもシャープ」は本当か
Z7の発表会では、Z7と一緒にふたつのレンズも試すことができました。ひとつはf/1.8の35mmレンズ、もうひとつはf/4の24-70mmレンズです。何人ものニコンのアンバサダーが、Z7は絞り全開にしてもものすごくシャープな写真が撮れるって話をしてたので、まずその点を試すことにしました。
こちらに何枚か、f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64で撮ったものをまとめます。
連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

連写作例:f/1.8、シャッター速度 1/400、ISO 64

上の写真は、f/1.8のレンズで絞りを全開にして、Z7のオートフォーカスの精度を試したものです。被写界深度が浅いと焦点をバシッと合わせるのが難しくなりますが、Z7は動いているダンサーの髪とか顔を絶妙に捉え続けています。
次に僕はf/2.8にして再度撮ってみました。それが下の何枚かの画像ですが、上のf/1.8の画像と比べてみると、ニコンの言う通り、シャープネスの違いを見つけるのは難しいです。
連写作例:f/2.8、シャッター速度 1/250、ISO 100

連写作例:f/2.8、シャッター速度 1/250、ISO 100

連写作例:f/2.8、シャッター速度 1/250、ISO 100

連写作例:f/2.8、シャッター速度 1/250、ISO 100

連写作例:f/2.8、シャッター速度 1/250、ISO 100

連写作例:f/2.8、シャッター速度 1/250、ISO 100

連写作例:f/2.8、シャッター速度 1/250、ISO 100

連写作例:f/2.8、シャッター速度 1/250、ISO 100

連写作例:f/2.8、シャッター速度 1/250、ISO 100

Z7が目指したディテール感を見た
次はf/4の24-70mmレンズで撮ったポートレートです。

こちらの写真からは、Z7の細部へのこだわりがうかがえます。モデルの眉やまつ毛の細かい線まで見える、こういう写真こそZ7が目指しているものだと思います。僕がZ7の操作に慣れてなかったり、撮影用に作られた環境だったりはしますが、それでもニコンのハイエンドミラーレスカメラがここまで歓迎される理由がわかり始めた気がします。
デモエリアで最後に撮影したのは、バーテンダーがドリンクを作ってくれてるところです。逆光になっていたので露出抑えめにしていましたが、ここでもZ7はカメラ好きが求めるディテールをしっかりと捉えてくれました。

Fマウントのレンズも試してみた
その後イベントの後半にも、いろんな写真が撮れました。そのときZ7を使いつつ、純正のレンズだけじゃなく、ニコンの「マウントアダプター FTZ」を使ってFマウントのレンズもいくつか試してみました。
まずZ7の24-70mmレンズでいくつか撮ったんですが、こちらも素晴らしいシャープさでした。
その後暗めの夕景も撮っています。「良い写真」とは何かってことに関して今やみんなが違う意見を持ってるので、ISO感度を変えながらいくつか撮ってみました。でもISO感度25600で撮ったものですら、粒子とかノイズが予想よりはるかに見えにくかったです。
夜景作例

夜景作例

そして最後に月を撮ってみました。巨大なFマウントの180-400mmレンズ+1.4倍のテレコンバーター+FTZアダプターで手持ちで撮ったのですが、それでもこの仕上がりには満足です。

本当の勝負はここから
でも正直、これくらいは想定内でもあります。D850とほぼ同じセンサーが内蔵されてるんだし、長年の開発努力が注ぎ込まれてるんです。ニコンにとってZ7は絶対に失敗できない製品でした。いま本当に試されているのは、「一眼レフじゃなきゃ!」っていう人でもミラーレスに乗り換えさせられるかどうかってことと、Zマウント純正レンズをもっと増やしてミラーレスの生態系を充実させられるかってことです。

あと個人的には、最初に出したレンズのひとつが24-70mm f/4だったのは、微妙に間違ってたんじゃないかと思っています。というのは、今回僕はZ7を使ってみながら、もうちょっと素早く撮れるレンズがいいなと思う瞬間がときどきあったんです。で、ニコンは上にあるように、24-70mm F/2.8のレンズを2019年に出すってもう言ってるんです。これを見ると、そのF値2.8のほうを最初に出してくれればいいのに、と思ってしまいます。
それでも短時間Z7を使ってみた感じでは、全体的には素晴らしい出来栄えだと思います。でももっと重要なのは、フルサイズミラーレス市場でソニーにちゃんと対抗できる製品が生まれた!ってことです。
ちなみにこの記事の中のサンプル画像はみんな、表示しやすいよう小さめになってます。なので実際の撮れ具合をもっと厳密に確認したい方は、こちらに元のサイズの画像がありますので、見てみてください。