キツキツだったSSDに余裕できるかも?
Macで他OSを仮想化して操れるParallels Desktopの最新版「Parallels Desktop 14」が米国に続いて日本でも発表されました。
Parallelsは毎年macOSが新しくなる直前にアップデートされ、最新macOSをサポートする流れになっています。今回もその慣例に漏れず最新版でmacOS Mojaveに対応。そしてさまざまな新機能・性能向上が加わっています。

まず、最も大きな改善点がストレージの最適化。ストレージメカニズムが異なるWindowsとMac両方を考慮した最適化を行ない、仮想マシン1台あたり最大20GBも節約できる場合もあるそうですよ。
しかもこの節約効果は、旧Parallels Desktopからアップグレードするだけで得られます。仮想マシンを泣く泣く外付けHDDで持ち歩いている人は、アップグレードによって内蔵SSDに入れられる可能性も? ワンチャン、荷物減っちゃうかもしれません。
また、個人的に面白いなと思ったのが、変化球的な解決法やチャレンジがいくつか見られる点。

たとえば、「Windows Ink」の筆圧感知機能への対応。
ワコムのペンタブレットなど、筆圧感知に対応したデバイスをサポートするだけでなく、なんと、ペンタブがなかったとしても、ファンクションキーとトラックパッドの組み合わせでも筆圧感知が利用できるとのこと。若干、力技解決。

Touch Barのカスタマイズ性を拡張したのもポイントです。
前バージョンから一部WindowsアプリはParallels側が用意したTouch Barのボタンを利用できましたが、今回からはゲストで動かしているWindows上にXML記述で設定ファイルを置くことで、自分でTouch Barボタンを作れるんです。

プレスリリースからその一例ですが、何でもできそうな予感。こうした利用者側の手腕と想像力に任せるというダイナミック提案も嫌いになれません。
むしろ弄り倒してみたい。<TouchBar>から始まって</TouchBar>で締めてみたい。実用性皆無なくだらないボタンを作ってみたい。という魅惑に駆られます。
その他の特徴としては…、
・ホストのMacに接続している4Kカメラを、ゲスト側のWindowsで使えるように(今までは2Kまででした)。
・グラフィックス機能を改善。対応アプリが拡大。
・コールドスタート、ホットスタートの速度が高速化。
・iMac Proに適応されているAVX-512命令の実行対応。最大200%のパフォーマンスアップ。
・スクリーンショットなどの支援ツール「Parallels Toolbox」もアップグレード、Windows版もバンドル。
など。会場ではスリープ状態からゲストOSをのPowePointを起動していましたが、かなりの起動速度で、速度に関しては仮想化という環境を意識させないレベルでしたよ。
なお、発表会時点ではまだMojaveが未完成なので、ホストOSはHigh Sierraが使われていました。今後Mojave登場と共にアップデートをかけて、ホストとしてもゲストとしても正式にサポートを行なうようです。

やっぱ個人的に気になったのは容量削減ですね。MacBookシリーズだと、SSD容量がどうしても限られちゃいますし、少しでもゲストOSに割かれる容量が減るってのはありがたや。
この「Parallels Desktop 14」は、日本では2018年8月24日から販売され、価格は通常版が1万800円(サブスクリプション版8,500円/年)、生協版/Student Editonが6,000円(サブスクリプション版4,980円/年)、アップグレード版が5,300円からとなっています。
Macだけで全部完結するのがホントはいいんだけど、Windowsが必要なときってのもあるんだよねぇ…。
Source: Parallels