QooCam ハンズオン:一台で二度おいしいトランスフォームカメラ

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  • author 山本勇磨
QooCam ハンズオン:一台で二度おいしいトランスフォームカメラ
Photo: 山本勇磨

ヒンジがとにかく気持ちいい。

スマホ上でぐりぐり回して楽しい360°写真と、視差を活かした立体感のある180°の3D写真が一台で撮れるカメラ「QooCam」。5月からクラウドファンディングサイトのKickstarterで資金募集を行ない、このほど正式に発売。日本では8月下旬より4万9800円(税込)で販売されます。

メーカーのKandao(カンダオ)によると、360°撮影と180°の3D撮影が一台でできるカメラってはじめてなんですって。3D撮影というのは、二つのカメラの位置のズレ(視差)を活かした撮影方法で、VRゴーグルでプレビューすると立体感のある写真になります。

360°撮影については最近GoProが参入したりと、プロからコンシューマーまで製品の幅がかなり広くなりました。一方180° 3D撮影については、最近YouTubeが「VR180」という専用のプラットフォームを作り、今年Lenovo(レノボ)がVR180対応の「Mirage Camera」を発売するなど、世の中的には駆け出しの分野(QooCamはVR180非対応)。

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Photo: 山本勇磨
360°+180° 3D撮影で、3つのカメラを搭載

そんな二つの撮影方式を一台に収めたQooCam。今回は日本での発売に先立ちテストユニットを触る機会を得たので、ハンズオンをしていきますよ!

360°と180° 3Dを「ねじって」切り替える

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Photo: 山本勇磨

QooCamの特徴はこのスタイルがすべてを語ります。ぐいっとカメラをねじってトランスフォームするんです。

縦の状態だと360°撮影、横の状態だと180° 3D撮影ができます。モードの切り替えをこういったフィジカルな操作でやっちゃうのも良きなのですが、そもそも、この動作が気持ちいい。カチッと開き、止まるときもカチっと止まり、ガラケーのヒンジのような音がします。これがとても気持ちよくて、カメラの性能うんぬんよりハードウェアが気に入りました。こういうギミックの楽しさ、すっかり忘れてましたわ。

ギミックが気持ちいいのはわかった、じゃあカメラとしてどうなの?

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Photo: 山本勇磨
180° 3D撮影では二つのカメラを使う。下のスタンドは付属のレンズ保護カバー

そんなQooCamを持って光がいいカンジの早朝に散歩してきました。

360°と180° 3Dモードを物理的トランスフォームで切り替えるのは、その感触の良さだけではなく、モードを絶対に間違えない点もいい。ボタンで切り替えるなら、360°モードで撮ったと思いきや180° 3Dモードで撮っていたり、逆も然り。フィジカルゆえ直感的で操作しやすいです。

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Photo: 山本勇磨

東京・新宿にある『新宿の目』です。最近、目を閉じました。

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Photo: 山本勇磨

180° 3Dで撮りました。VRゴーグルでプレビューしない場合は、通常の180°写真になります。グリップ部分を握った指が写ってしまっています。

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Photo: 山本勇磨
上の画像は灯篭にフォーカス、下の画像は奥の背景にフォーカスを合わせています

180° 3Dで撮影した写真は、後からフォーカスを変えることも可能。二眼の視差から被写体の深度マップをつくり、どこにボケ味を出すかソフトウェアで加工できるんですね。

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Image: Kickstarter
深度マップ

ロングな持ち手が活きる360°撮影

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Photo: 山本勇磨

360°カメラとしてみるとQooCamは、ミドルハイなクラス。解像度は、360°ぐるっと一周で4Kです。4Kといえば高画質!なイメージがありますが、4Kの写真を360°にぐるっと画像を引き延ばすので、実質HDくらいの画質をイメージしてもらえるとわかりやすいです。

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Photo: 山本勇磨
左:QooCam/右:Insta360 ONE

今回はわかりやすいよう、見た目も価格帯も近い「Insta360 ONE」と比べてみます。どちらもマニュアル設定なし、オートで撮影。おなじみの都庁ベンチを行なってみました(都庁でベンチマークの意味、僕が勝手に命名)。

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Photo: 山本勇磨

単純な解像度だけで言えば、QooCamは4,320×2,160px、Insta360 ONEは6,912×3,456px(静止画)なので、QooCamが少し粗いのがわかると思います。また青の出方が全然違いますね。

360°写真から一部だけを切り出すなら6K程度の解像度が理想的。しかし、360°を広く使うなら4KのQooCamでも差し支えないでしょう。

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Photo: 山本勇磨

QooCamは持ち手が長いのでグッド。というのも手を伸ばすと被写体にグッと寄れるので、迫力のある画が撮れます。

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Photo: 山本勇磨

夜+電灯という、カメラ泣かせなシーンです。一部、白飛びはしているものの、道路や横断歩道の描画はしっかりと出ていますね。

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Photo: 山本勇磨

たまたま撮れた画。ネオンのようなキラキラした場所では、あえてブレた写真も楽しい。

QooCam、結局よかったの?

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Photo: 山本勇磨
シャッターボタンも良い位置にあるんですが…

一言でいうと難しいカメラです。360°カメラとしてのスペックは高すぎず低すぎず、一般的な品質です。そして180° 3Dカメラに関しては、そもそもプレビューをするときからVRゴーグルを着けようとは思いません。だからメインとして使うのは、結局360°カメラなんですよね。

じゃあ、これに5万円を出すか?って話になります。360°撮影だけしたいなら、静止画5Kの「THETA V」、7Kの「Insta360 ONE」、ともに各4.3万円くらいで買えてしまいます。反対に180°に近い超広角カメラが欲しいなら、他にもベストな選択肢があります。

ただ、値段をあげるのはナンセンスなのもわかります。基本的には、180° 3D写真を撮る必要性を感じていないのが原因なので、今後のプラットフォームの発展次第では、180° 3D写真が撮影できることの価値も上がっていく気がします。

これから、180°撮影(180°VR)が盛り上がっていくのを肌で感じたいなら、360°も同時に手に入るQooCamは棚ぼた価格だと思います。しかし、現状180° 3D撮影と360°撮影が一台で行なえる“スタイル”の段階で留まっている気もするのです。ヒンジは枕元に置きたいくらい好きなんですが…。

Image: KanDao/YouTube

Source: Kandao

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