スマホで重要な冷却システム。Galaxy Note9の進化は今後のスタンダードになる?

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本 紺
スマホで重要な冷却システム。Galaxy Note9の進化は今後のスタンダードになる?
Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

スマホ競争の最前線は冷却システム。

スマ−トフォンが普及し始めた時は、新しいモデルが発表されるたびにユーザーたちが歓喜したものでした。しかし最近では珍しさもなくなり、新しい機能に驚かされることも少なくなってきました。もちろん処理速度が速くなり、ディスプレイは大きくなっていったりするけれど、「スマートフォンはもはやワクワクするガジェットではなくなった」なんて感覚が少しずつ強まっているのではないでしょうか。

しかし、スマートフォン業界にジワジワと訪れている変革があります。それは2017年後半あたりから誕生してきた、ゲーミング・フォンです。ゲームをすることを念頭に置いたRazer PhoneNubia Red Magic、そしてAsus ROG Phoneなどがそれにあたります。ゲームといっても数独やシンプルなパズルではありません。高速処理を必要とする「Fortnite」のようなゲームです。

グラフィックスなどゲームに特化したデバイスが出てくると同時に、重要になってきた要素があります。それはバッテリー寿命や性能だけではありません。それがデバイスの冷却です。スマートフォンのように小型化を極限まで進めたデバイスは、ふたつの背面カメラ、ワイヤレス充電、指紋センサーなどの最先端テクノロジーを、薄い本体に所狭しと詰め込んでいますよね。そのため、発生した熱の逃げ場所がなくなってしまいます。

排熱に向き合ったデバイス、Galaxy Note9

熱がこもり、高くなってしまうとCPUの速度は落ちてデバイスの性能も落ちてしまいます。この問題に対処するため、Samsung(サムスン)の新しいGalaxy Note9Galaxy Note8Galaxy S9で使われていた100平方ミリのヒートスプレッダのサイズを3倍に拡張したことで話題になりました。Galaxy Note9が抱えるヒートスプレッダの大きさはなんと335平方ミリです。また、新しいカーボンファイバー・インターフェースを使うことで、熱をプロセッサから排する効率を向上させたとサムスンは述べています。

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Image: Samsung
上部についている銅のパーツがヒートスプレッダ

…と、文章をただ読むだけだとただのマーケティングコピーのようにも聞こえますが、実際に効果はあるんです。Galaxy Note9のレビューをしたとき、古いバージョンであるGalaxy S9のヒートスプレッダと比較テストを行ないました。何にも使用せずしばらくの間放置した後、測定ソフトウェアであるGeekbench 4と3DMark Slingshot Unlimitedを使ってふたつのスマホのベースラインCPUとグラフィック性能をチェックしたんです。

Galaxy S9とNote9で比べてみると

最初は、Note9とS9は同じQualcomm Snapdragon 845プロセッサを使っているため、測定スコアは非常に似た結果に。Note9のスコアは9,012(Geekbench)、5,021(3DMark)で、S9のスコアは8,414(Geekbench)と5,033(3DMark)でした。

それから、この2台でFortniteを何度かプレイし、トレントを何度かダウンロードし、そしてGeekbenchと3DMarkを走らせる、ということを休憩なしに行ないました。これらすべてが終わった後にまたGeekbenchと3DMarkを使ってパフォーマンスがどれほど落ちたかを測定。Geekbenchの測定スコア上ではS9はかなりのパフォーマンス減少が確認できました。ベンチマークスコアは25%落ちて6,171に。いっぽうNote9は10%減少の8,053に留まりました。ヒートスプレッダがこの結果に貢献していることは間違いないでしょう。

しかし、GPUのパフォーマンスを計測する3DMark Ice Stormを使ったテストでは、両者の違いはそれほど大きくありませんでした。Note9は4,974に、S9は4,923に減少と、ふたつともほぼ同じ2%ほどの減少となっています。ゲームやトレントのダウンロードによる酷使が足りなかったのか、熱による性能損失を経験せずにピーク・パフォーマンスに達していたのかです。今回の場合はおそらく後者でしょうね。

今後のハイスペスマホの鍵は冷却技術

どちらにしても、少なくともCPU性能に関していえば、熱のマネージメントは処理速度に重要な役割を担っているといえます。それに注目しているのはサムスンだけではありません。ROG Phoneに関して、Asusは小型のクーラーとファンをUSB-Cに差し込み、冷却するというシステムを開発しています。もちろん、デバイス内にも、カーボン冷却パッドを持った大型銅製ヒートスプレッダを組み込んでいます。

まだROG Phoneはリリースされていないため、この冷却システムがはたしてどれほどの効果があるのかは分かりません。しかしスマートフォンメーカーたちが冷却システムに真剣に取り組んでいることが伝わってきますね。

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