心までクラッシュしそうなビットコイン失敗談

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心までクラッシュしそうなビットコイン失敗談
Image: silverkblack / iStock / Getty Images Plus

「寝て起きたらお金が増えている♡」

…と浮かれていたのがつい昨日のことのようなんですが、1月に「ビットコイン長者」を特集したNY Timesが今月「ビットコイン貧民」を特集しています。時の流れを感じますね…。

ビットコインはこの8か月で20,000ドル台から6,000ドル台まで落ち、チューリップバブル崩壊をかる~く抜いてしまってます。昨年暮れのブル(強気)のコメントは一体なんだのか…。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のモデルになったことで知られるジョーダン・ベルフォート氏が各所で「あんなものに騙されちゃいけない」と言っていますよ。蛇の道は蛇というんでしょうかねぇ…。

ではさっそくホラーストーリーをいくつかご紹介します。

英国のPete Robertsさんの場合

暗号通貨が天井知らずの爆騰を続けた昨年冬、貯金を切り崩して投資する人がたくさんいました。Pete Robertsさんもそのひとりです。

あれから8か月経った今、暗号通貨数種に投じた合計$23,000(約256万円)はたったの$4,000(約44万5000円)。今は憑き物がとれたような心境ですが、当時は「この波を逃すのが怖く、即金で儲けることしか頭になかった」と言います。「結果的に経済的に立ち直れないほどの大損を抱えこんでしまった」と後悔する日々。

韓国のKim Hyon-jeongさんの場合

いっぽう、被害が特に際立ったのはビットコインブームに乗って仮想通貨ATMが開発され、大手取引所が店舗で一般投資家を巻き込んで大儲けした韓国です。今はどうなんだろうと思ってNY Timesが8月半ばに仮想通貨取引所 Coinoneの店舗をのぞいてみたら、真っ昼間だというのに店に寄るお客はたったの1名だったそうですよ…。

Kim Hyon-jeong教諭(45)はソウル郊外に住む1児の母で、去年の秋に暗号通貨に投じたお金は1億ウォン(約1003万円)。貯蓄、保険解約、25,000ドル(約278万円)のローンを組んで投じましたが、その90%は泡と消えました。

「暗号通貨しかない、うちみたいに働き詰めでやっと暮らしているような平凡な家庭が今の暮らしを突破するにはもうこれしかないと思った。やっとこれで苦しい毎日から家族みんなで抜け出せると思ったのに、正反対の結果になってしまった」と後悔する日々。

米国のCharles Hermanさんの場合

サウスカロライナ州チャールストンに住む男性Charles Hermanさん(29)は$4,000(約44万5000円)投じました。いろいろな暗号通貨取引場に分散投資したため、なんとか横ばいをキープすることができましたが、こうNY Timesに語っています。

最初投資したときには「この信頼できそうな人についていけば絶対間違いない」と思った。でもこっちがそう思ったころにはもう「信頼できそうな人」は目覚めていて、ちゃっかり出口戦略用意してたんだね。

NY Timesのビフォー&アフター

ICOのその後は…

ICOで資金を大量調達した企業の現在を同紙が追跡取材してみたら、ちゃんと会社を立ち上げて利益を出しているところは「ほぼ皆無」で、発行されたコインは「投機以外使い道ゼロ」になっていました。まあ、今も「どん底の今が買い時」「どでかい波がやってくる」と言っている人はいるので、そう言っている人がいて信じる人がいるかぎり、実体がなくても投機的価値はゼロにはなりませんけどね。

現に「くじら」と呼ばれる人々は超初期に「仮想通貨で世界が変わる」と信じて投じて大儲けし、昨年は「仮想通貨市場の約40%を握っている」ことで話題になりました。しかしそれで世界が本当に変わったかというと、まだまだ通貨は選手交代からは程遠い状況で、あとから遅れて参加した人たちが夢にすがって4割のくじらを肥やす人間燃料みたいなことになっています。

取引量が激減

取引量も減っています。Bloombergが最近報じた推計によれば、 1年前にビットコインから分裂して誕生したビットコインキャッシュは3月に1050万ドルの取引量だったのが5月には370万ドルに激減、Bitcoinも昨年9月の4億1200万ドルから今年5月には6000万ドルまで落ち込んでいるとのことです。

ビットコインは6000ドル台なのでゼロとは言いませんが、ピークからは7割落ちてます。ビットコインキャッシュも同様です。イーサリウムも今見たら285ドルで、1,300ドル超えの1月のピークからはだいぶ目減りしています。あれだけ警告がありながら投じてしまったんだから自業自得と言われればそれまでですけど、失敗談を見ているとこっちまで身を切られる思いがしますよ…。

「ビットコインの問題点は100%、市場心理が原動力なところですね。まだ新しいテクノロジーで普及も初期段階なので、価値の裏付けとなる材料がほとんどなくて、大衆心理のコンフィデンスだけなんです」と、DataTrek Research共同創業者Nick ColasさんはNBC Newsに語っています。

これからどうなるんでしょうね…ビットコイン。

Sources: NY Times

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