Surface Go レビュー:この価格にして、ほぼ完ぺき

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Surface Go レビュー:この価格にして、ほぼ完ぺき
Photo: Alex Cranz/Gizmodo US

海外価格なら絶賛。

10インチの小さなタブレットPC「Surface Go」が日本に先駆けて、8月2日に米国で発売されました。米GizmodoのAlex Cranz記者がさっそくレビューしてますが、期待を裏切らないマシンのようです。

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https://www.gizmodo.jp/2018/08/surface-go-exhibition.html

ただし日本だと価格感がちょっと違ってきますが…ともあれ以下、どうぞ!


550ドルって、けっこうな大金です。でもパソコンでその価格帯だったら、メーカー側の定義では「お手頃パソコン」です。その手のパソコンには感動することもなければ、動作もとくに速くなく、見た目もぱっとしません。それはただ必要だから買うもの、車でいえばFordのFiestaみたいなものです。

しかし550ドルのSurface Goは、そんな世間のお手頃パソコンと比べると、際立っています。それはお手頃でありながら、ちゃんとナイスなラップトップなのです。(訳注:日本だと550ドルモデルは8万2800円で、お手頃の範囲からは外れちゃう気がしますが…)。

Surface Go

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Photo: Alex Cranz/Gizmodo US

これは何?:Microsoft(マイクロソフト)初のお手頃PC。

価格:399ドル(RAM 4GB/ストレージ 64GB)と549ドル(RAM 8GB/ストレージ 128GB)、(日本向け価格:6万4800円と8万2800円、税別)

好きなところ:小さくて、美しくて、iPadとか他の安いパソコンよりも機能的であること。

好きじゃないところ:やっぱりCPUがかなりパワー不足であること。


Surface Goは2 in 1ラップトップのひとつですが、その手のデバイスと比べると頭ひとつ抜け出てます。素の状態ではタブレットですが、100〜130ドル(日本向け1万1800〜1万5400円)プラスすれば、ものすごくしっかりしたキーボードカバーが手に入ります。10インチの端末についてくるキーボードなんてせせこましくなりがちですが、これは違います。それでいて全体としてはサイズが小さいので、ひざにのせるときはSurface Proより使い心地がいいです

Surface Goには2種類あり、ストレージが64GB・RAMが4GBのタイプが399ドル(日本向け6万4800円、税別)、ストレージが128GB・RAMが8GBのタイプが549ドル(同8万2800円)です。もっと速くて大きいSurface Proにできた10インチのいとこといった位置づけですが、最初に持ったときにはiPad Proっぽい印象をもたれると思います。つまりタブレットで、ポートはミニマルで(Surface GoにはUSB-Cポート、3.5mmオーディオポート、充電ポートが各ひとつあるのみ)、取り外せるキーボードカバーがある、ってことです。Surface Goのサイズは10.5インチのiPad Proとだいたい同じですが、Goのほうが50gちょっと重いです。

他のラップトップやスマートフォンメーカーは、画面ベゼルを限りなくゼロにしようとやっきになっていますが、Surface Goのベゼルはたっぷりしていて、ある意味レトロ感が漂います。でもiPadもそうですが、タブレットモードで使う場合はベゼルが太いほうがいいんです。私はSurface Goでマンガをパラパラめくっていても、Webをあちこち見ていても、間違って画面に触って動かしてしまうことはありませんでした。片手で持っていても、親指でうっかりメールを送ってしまうような心配がないのは快適です。

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Photo: Alex Cranz/Gizmodo US
バックライト付きキーボードカバー、打ちやすいです。

サイズが小さいので、使っているうちにだんだんiPadの代わりになっていきました。たとえばTVを見ているときにメールを見たり、友だちにメッセージを送ったりといった使い方です。または朝食を作るとき、ボスからのSlackメッセージに備えてキッチンに持っていくとか。

でもiPadほどうまくできないこともあります。それは当然といえば当然ですが、ちょっとしたゲームとか、素敵なモバイルアプリとかです。WindowsのアプリストアはApp Storeみたいに進化していないし、Surface Goで快適にプレイできるゲームを探してGOGとかSteamをさまよってもその甲斐はありませんでした。

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Photo: Alex Cranz/Gizmodo US

でも正直、Surface GoでクラシックなPCゲームなんかプレイしないと思います。Microsoftは、Surface Goに搭載のPentium 4415Yのパフォーマンスを最適化すべくIntelとともに手を尽くしたみたいなことを言ってるし、たしかにWebとかメールを見るくらいのシンプルな使い方なら、他のもっとパワフルなマシンと同じように素早く感じられました。でもPhotoshopを開けば、Surface GoのCPUはやっぱり安いんだなってありありと感じます。米Gizmodoではパソコンのベンチマークとして、PhotoshopでRAW画像群を一気にJPEG化してその時間を測ってるんですが、Surface Goでは2分27秒でした。この記録は、今までベンチマークした廉価版を含むあらゆるラップトップよりも1分以上長いんです。

もうひとつ、ゲームを使ったベンチマークの結果もひどいものでした。『Civilization VI』でグラフィックス設定をハイにした場合、Surface Goでは各フレームの表示に304ミリ秒かかりました。これは米Gizmodoの記録史上最遅です。ただし2018年春にレビューしたAsus Nova Goに関しては、本来はスマホ向けであるQualcommのCPUが搭載されてて、さすがに遅すぎてベンチマーク自体ができませんでした。

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Photo: Alex Cranz/Gizmodo US

Geekbench 4でのベンチマークでも、Surface Goはマルチコアで3924、シングルコアで2028という悪い意味でとんでもないスコアを叩き出しました。ちなみに今まで試したラップトップのスコア平均は、マルチコアが11025、シングルコアが4095です。まあAsus Nova Goはマルチコアが3075、シングルコアが794、それでいて値段はSurface Goより高いんですが…。

ともあれこの数字はどういうことかっていうと、Surface Goは巨大ファイルを処理したり、大がかりな計算をしたりには向いてないってことです。巨大PDFとかRAW画像とかは、開くだけでも時間がかかります。ブラウザの動作もときどきもっさりして、タブの切り替えでつまずきます。ただし500ドル台の2in1ラップトップである以上、多少のトレードオフは仕方ないんだろうと思います。

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Photo: Alex Cranz/Gizmodo US
ベゼルはiPad Pro(の上下)より髪の毛一本分くらい細いです。

でも性能以外の部分では、Surface Goは勝者です。バッテリー持続時間のテストでは、Microsoftが言う「9時間」に近い8時間5分という結果でしたし、3:2の10インチディスプレイの解像度は1,800×1,200とシャープで、より高価なiPad Proと同じくらい動画がきれいです。キーボード+トラックパッドの組み合わせも、最新のSurface Proのそれの小型版といった感じで、すごく使いやすいです。

ここでまたiPad Proとの比較に戻ると、Surface GoはiPad Proと同様、キーボードカバーはオプション、かつ高価です。でもMicrosoftのキーボードカバーは、Appleのものよりあらゆる面で優れています。まずAppleのものにはないトラックパッドがあるし、キーがバックライト付きだし、動作もきびきびしてます。

でもiPadとも他のお手頃パソコンとも決定的に違うのは、背面のヒンジです。このヒンジはSurface Proと同じもので、ヒンジなんて〜と思われるかもしれませんが、これだってSurface Goを買う理由に十分なりえます。というのは、iPadだとベッドに寝そべって何か読むべくディスプレイを傾けようとしても、カバーで設定できる角度は決まってて、ちょうど良い角度にしようとすると安定しないっていう問題がありました。でもSurface Goにはこのヒンジがあるので、ブログを書くときもほとんどラップトップのような安定感で書きやすいし、映画を見るときや本を読むときにいろんな角度にできるのも本当にありがたいです。

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Photo: Alex Cranz/Gizmodo US
ヒンジのことはいくらでもほめられます。

この価格帯のものって、ハードウェアの何かが犠牲にされてる感じがしがちです。というのは、CPUとかRAMみたいなことじゃなくて(そこに関してSurface Goは価格帯相応です)、デザインに関してです。これまで、チープなラップトップなんだけどちょっと気が利いてるといったら、HP StreamかSamsung(サムスン)のChromebook Plusの二択でした。でもこれらは、どうしてもウォルマートのセールで買った感が漂ってました。チープで、使ってる素材からしてもそれが明らかだったんです。

対してSurface Goは、プレミアムなSurface Proをそのまま小さくしたような感触です。本当に美しくて、カフェで開いてたり会議に持っていったりするとみんなが憧れの眼差しを向けてくる、そんなやつです。Surface Goは、チープなラップトップだからって見た目とか感触をチープにしなくたっていいという証です。他のメーカーも見習って、廉価版デバイスでももっと見た目とか質感をちゃんと考えるようになってほしいものです。

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Photo: Alex Cranz/Gizmodo US

で、買うべきかどうかってことなんですが、もし買えるお金があって、Webブラウジングとかメールとかちょっとした文書作りあたりに使えるしっかりしたWindowsマシンがほしい人なら、Surface Goはまさに買うべきデバイスです。またはメインのパソコンがあったうえで2台目を買おうとしてる人も、迷わずSurface Goを買うべきです。たしかに廉価版ラップトップの中にはもっと速いものもあるし、もっと安いものもあります。でもSurface Goは、この価格のラップトップのあるべき姿を完ぺきに具現化したもののような気がします。

まとめ

・400ドルから買えるなんて!(日本では6万4800円からですが…)。

・本当に見た目は素晴らしいです。

・ヒンジも完ぺき。

・バッテリー持続時間も許容範囲。

・全然パワフルではないので、そこは注意です。

Surface Goが触れるぞ! 8月28日の国内発売を前に先行展示

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