Chrome誕生10年。やめたくてもやめられない理由

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Chrome誕生10年。やめたくてもやめられない理由
Image: Popartic/Shutterstock.com

Google Chrome誕生から早いもので10年。

僕もOS X対応版が出た2009年から使ってますけど、もうこれなしでは生きていけない蟻地獄になっています。電気をどんどん食って、データをばんばん吸い取るこのソフトをほぼ1日中使ってます。何も好きこのんでChrome漬けになってるんじゃないですよ。いくらがんばってもやめられないだけです。

かつて感じた優越感

人間としてダメだということに尽きますけど(これについては後ほどくわしく)、やっぱりChromeでウェブ閲覧そのものが変わってしまったんですよね。

Chromeが出た当時はとにかくスピードがすごくて、初期ベンチマークではFirefox、Safari、Internet Explorerとの差は歴然でした。ページの読み込みには目でわかるほどの違いがあって、安定感もありました。

サクサクなのには理由があって、たとえばマルチプロセスアーキテクチャもそのひとつ。詳述は割愛しますけど、ページがクラッシュするとタブが泣き顔アイコンになるのも新鮮でした。全般的にもっさりするなと思ったら、使ってないタブを閉じるとメモリが解放されるのもわかったし。Windows版の先発リリースには乗り遅れてしまったけど、 Mac版で使ったときには、ずっと探し求めていた待ち時間ゼロのウェブ環境がついにきた、しかもクラッシュしないヽ(^o^)丿と、舞い上がったもんです。

Chromeはアドレスバーも画期的でした。URL入力のみならず、URLを忘れたらキーワードを入力して検索することもできるし、設定にもアクセスできる。Googleはこれを「オムニボックス(万能入力欄)」と名づけましたけど、本当にそのとおりで、Firefoxみたいに検索の拡張機能を加えたり、SafariみたいにGoogle.comを開かなくても、Chromeひとつで事足りるようになりました。

簡単に使えて、速くて、クラッシュしないし、おまけにChromeを使ってると少し自慢だったりもしました。打ち合わせのときFirefoxで困ってる人を見ると、「Chromeにしなよ、いいぜ~」と言ってしまいそうで、こらえるのがひと苦労だった…。今思えば、しょうもないことで優越感に浸っていたなあ、平和な時代だったなあって思うけど。

いつの間にかGoogle漬けに

あまりにも便利すぎて当時は気づかなかったけど、Chrome漬けになることイコール、Google漬けになることなんですよね。もちろんGmailは2004年から使ってるし、 検索は毎日使ってるので、もともとGoogle漬けではあるわけですが、Chromeって最初にGoogleアカウントでサインインするじゃないですか。するとそこから先はすべてGoogle支配の陣地なわけでして、それまでのメールだけとか検索だけとかのレベルじゃなく監視されていると思うんです。何がどう違ってどう影響するのかはエンドユーザーからはわからないし、想像の域を出ませんが。

サインインするメリットもあります。ブックマークや拡張機能はまるごとブラウザに保存されているので、出先で誰かのパソコンを借りるときでも、サインインすれば全部いつもの環境で作業できます。パスワード、クレジットカード情報もChromeに保存したやつを使えばいつも通りに買い物できますからね。どんな端末でも、Chromeにサインインするだけで、必要なものは全部そこにある。で、閲覧データがGoogleの広告サーバーにばんばん吸い取られていきます。そういう設定にデフォルトでなっているんですね。「追跡しない」というオプションは最初OFFなので。Chromeにサインインしているので、本人確認もそこで済んでいますしね。本人に紐づいた検索行動(少なくとも)はすべてGoogleのサーバーにあるということになります。

僕なんかまだいいほうです。スマホの検索はiPhoneのSafariだし、Chromebookは使ってないので。Chromeが基本ブラウザのAndroid使いの人や、ChromeがOSそのものになっているChromebook使いの人に比べたら。それでもノート使ってるときはChromeのタブに始まりChromeのタブに終わる毎日なので、ちょっと丸見えすぎて弱みを握られている感はありますよね。でもChromeは毎日使ってます。死ぬほど使ってます。やめようとしたこともあります。やめられないんです。

これだけある、やめる理由

Chromeをやめる理由はいくらでも思いつきます。 初期バージョンの圧倒的優位も今は昔で、競合ブラウザが追いついて、追い越してしまったところもありますからね。

・最近は他社にスピードで抜かれちゃってる。新ブラウザ「Firefox Quantum」にも完敗
・macOS MojaveのSafariはブラウザ・フィンガープリント(Cookie不要の追跡技術)をブロックできる(Chromeはシークレットモードにしても追跡されてしまう)
・かつてサクサクだったChromeも今はメモリ食いまくるブラウザとして有名

でもやめられない

なのに、いまだにChrome使い続けています。このブログ記事もChromeで書いてます。40個ぐらいタブ開いて、ウィンドウもいろいろ開いて。これで最速のウェブ環境なのか? おそらく違うでしょう。一番セキュアか? それもない気がします。やめられないのは単に使い慣れて、習慣を変えたくない性格にすとんとハマってしまったという、それに尽きます。

いまだにYahoo Mailを使ってる父親と妙なところで似ていて、変化が嫌いなんです。これはPCに限らなくて、いっつも同じ靴を買ってしまうんですよね。何度買っても同じ靴。パンツもTシャツもそう。服と同じことをブラウザでもやってるとしか思えません。Chromeは一番使うアプリなので、それがないときの心細さを思うと、少々のことがあっても目をつぶってしまうんです。SafariやFirefoxに戻ろうとするたびに、ちょっとした違いが気になって、いつもの拡張機能があってGoogle Docsが簡単に開くChromeに戻ってしまうということを繰り返しています。

これは僕ひとりじゃないと思いますから、ブラウザを超えるブラウザの開発を決めたGoogleは先見の明があったことになります。2008年当時はあまり見えなかったけど、ブラウザにはデジタルライフのすべてを乗っけることができます。最近は端末を何個も使うので、みな共通のウェブ環境を求めています。それを見越してChromeを出したGoogleは天才と言わざるをえません。無料で便利なサービスであれば、人はプライバシーをバーターしてでも使うということを、Google(とFacebook)で嫌というほど思い知らされた気がしますよ。

macOS Mojaveが出たら、またSafari帰りに挑戦はしてみます。もしかしたらもっと快速で、プライバシーも守られるかもしれないし。Chromeは黒のテーマでずっと使っているので、ダークモードで使ってみたいなあとか妄想中。

でもまた何日かであきらめてしまうんだろうなあ。クレジットカード情報にすぐアクセスできないとか、パスワード覚えてなくていかがわしいサイトに入れないとか、そういうどうでもいい理由で。Chromeに戻るとページの読み込みは遅いし、Googleに行動が筒抜けだし、こんなんでいいんだろうか自分って折に触れて思うことはあるけれど、それでもChromeを朝から晩まで使うんです。慣れてしまってるから。

Source: techradar

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