猫に嫌われている気がする? その疑問、専門家たちがお答えします

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  • author Daniel Kolitz - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
猫に嫌われている気がする? その疑問、専門家たちがお答えします
Image: Chelsea Beck/Gizmodo US

嫌いなわけじゃないニャ…。

犬はおもいっきり感情を表現してきますが、猫はどうでしょう。犬みたいに感情表現してくる猫もいますが、表情で猫がどう思ってるのかを感じ取るのは難しいものです。ベタベタしてきたと思ったら「シャー!」と牙を向いて来たり、猫ってムズカシイ…。

長年猫と一緒に住んでるけど、実は私のこと嫌いなんではないか? なんて不安になっているみなさん、今週のGiz Asksでは猫のエキスパートたちに、猫に嫌われている気がするんですが…と相談してみました。ちなみに、どうしたら嫌われないかも教えてくれました。

Mikel Maria Delgado

カリフォルニア大学Davis校・獣医学博士研究員、猫の行動コンサルタント

人間は自身と猫の関係における不安な気持ちを猫に映してしまいがちです。もしかすると、それは猫を犬のように考えているからかもしれません。犬の表情は人間の表情に近いものがありますが、猫は犬よりも顔の筋肉が少ないため、犬がするような顔の表現をあまりしません。ですので、猫の表情から何を感じているのかを読み取るのは難しいのです。

とはいうものの、猫にもお気に入りの人というのがいます。多くはその猫がどんな人間に接して来たかによって決まります。子猫の時にいろいろな人と接して来た猫は、大きくなってもいろいろなタイプの人間を受け入れることができます。たとえば、静かな家で静かな女性に育てられた子猫は、女性と一緒にいる方が心地よい猫になるということです。女性は一般的に男性より小さく、声が静かめで、声のトーンが高いので、それは猫にとって「脅威」レベルが低いのです。猫が嫌いだと感じる相手は、ただ単純に、その人に関するポジティブな経験がない場合が多いです。またコミュニケーションの仕方にも影響があります。こちらから猫に近づいていくより、猫に最初のコンタクトを取らせるほうがうまく行きます

猫全般のことを知るように努力し、そして自分の猫が特にどんなことに反応するのか、どんなおもちゃで遊ぶのが好きか、どこを触られるのが好きか、どんな時にグルグルと喉を鳴らすのか、また逆にどんな時にイライラして尻尾をバタバタさせるのかなど、ボディランゲージを見極めるといいですね。

でも猫に気に入ってもらう一番の方法は、猫が好きなことをもっとして、嫌いなことをしないということです。もし赤ちゃんのように抱っこされるのが好きでなさそうなら、しないようにしてください。

多くは環境と交流の仕方によるものです。猫といい関係を築くには、いつも両側通行でなければいけません。猫があなたと一緒に住むのが好きになるように、好きなことを提供するのです。猫は嫌なヤツという訳でもあなたのことを嫌いというわけでもありません。彼らの行動のモチベーションを理解するのです。ほとんどの場合怖がっているだけなのです。

これを知ることによって、猫にもっと共感・同情していただければと思います。

Carlo Siracusa

ペンシルベニア大学・獣医学准教授

猫を含む動物には、人間のように「好み」があります。ある人とは仲良くできるけど、またある人とは仲良くできない。それは大抵の場合悪気があるわけではなく、その人がする特定の行為が猫にとって安全だと感じられないからなのです。

それは猫同士でも同じことで、猫がどのグループに属するかも同じ理由です。ただ大きな違いは、外に住む猫は好きじゃなければグループを抜けて1人で生きて行けますが、家猫にはそのチョイスがありません。一緒に住んでいる人間が好きじゃなくても環境を共にしなくてはいけないのです。

人間は関係を築く際、猫を抱いたり、触ったりと触れるという行為をたくさんします。これはあなたのことを好きではない動物にとっては最悪の行為です。猫にとっては特にです。なぜかというと、猫は好きという気持ちを表す時に、人間や犬のように体に触れないからです。猫は「近さ」で好きを表します

猫が仲良くしてくれないことを悪く解釈して、さらに触ったり抱いたりと体の接触を増やすことは、状況を悪くするだけなのです。

猫との関係を改善するには、猫が隠れられる場所を作ってあげることです。食事、トイレ、水、寝る場所、おもちゃなどをその隠れ場所においてあげるといいでしょう。私が猫なら、1人になれる場所でご飯を食べたいですからね。

Sharon Crowell-Davis

ジョージア大学獣医学教授(猫の行動の専門家)

人間に近寄って行って、足に体をスリスリしたり膝に乗って来たりする猫はいます。そういう猫は明らかに人間好きなタイプです。でも攻撃はしないけれど、人間を避けるタイプの猫もいます。そして人間を避けるけれど、追いかけられると引っ掻いたり威嚇したりする猫もいます。そして人間を見たらすぐに攻撃するような猫もいます。

ですが、人間好きな猫以外の3タイプの猫たちは人間が「嫌い」だというわけではないでしょう。猫の脳の構造は私たち人間のものに似ていて、「嫌い」という感情を持っている可能性があることも確かですが、あなたから逃げてしまうのは、あなたのことを嫌いなのではなく、怖いのです

猫の行動の多くは安全であることを基本としていて、殺されないように行動しています。猫は完全な捕食者であると思われがちですが、獲物でもあります。近づいたときにシャーと威嚇するのは、自分を守ろうとしているだけなのです。

人間を追いかけて攻撃してくる猫については、いくつか理由が考えられます。もしあなたが飼っている猫がこのタイプなら、それは恐らく「激しい遊び」と呼べるでしょう。猫の遊び方は結構ラフで、人間の手や足を攻撃する遊び方を学んでしまう場合があります。猫を触ると、猫が噛んで来たり引っ掻いて来たりする遊びです。その遊びをしていると、猫は人間の手は噛んだり引っ掻いたりするものだと覚えてしまうのです。そういうケースは、おもちゃを使って遊んであげるべきです。

多くの猫は抱き上げようとする人間から逃げようとします。そして猫が嫌いで猫に関わらないようにしている人のところに行ってしまうのです。猫にとって知らない人が追いかけてくるというのは、危険のサイン。猫はそういった人間を避けて、じっと座っている何もしてこない人のところへ行きます。そして危険を感じないので、そういう人の膝の上に座って寝たりします。猫に寄って来てほしいのなら、新しい猫に会った時はじっとして猫にあなたは危険じゃないということを見せると、寄って来てくれるでしょう。

Marci L. Koski

猫の行動とトレーニングの専門コンサルタント

猫はよそよそしくて距離を置く動物だと思われがちですが、私はそれは誤解だと思っています。避けたり距離を置くのは猫という動物の習性であって、愛情表現や信頼を見せる習性がある犬とはまったく違うのです。猫にはまだ野性味が残っているのです。

しかし猫は膝の上に乗って来てお腹を見せてくるものだと勘違いしている人が多く、そうでない猫は人が「嫌い」なのだろうと思っているかもしれません。しかし猫は習性で外敵から自分を守る為に隠れるという行動をしますし、そういった安心できる場所でご飯を食べたがります。こういった行動が「嫌い」だと思われてしまうのですが、それは猫の自然な行動なのです。

研究で動物には4つの主たる感情があることがわかっています。怒り、獲物追跡衝動、恐怖、興味です。そして社会的な感情も4つあります。性的欲求、分離不安、愛着、そして遊びです。そして猫は虐待したりする人とネガティブな感情を結びつけることができるため、そういった人に出会った場合は怒りの感情を見せてくるのです。しかし猫は一般的に、正面からの対立よりも可能な限り逃げるという道を取ります。

一方、興味などの感情は猫にとって気分のいい感情です。そういった感情を持つ機会を求めています。たとえば、餌をくれる、遊んでくれる人と信頼関係を築くということです。猫が背中を向けて寝ている時は無視をしているのではありません。信頼を見せているのです。あなたを見張っていなくても何もしてこないと信頼しているからです。なでると噛んでくる猫は、あなたのことを嫌っているわけではありません。嫌いだったらまず触らせないですし、嫌な場所を触ってしまったというケースがほとんどです。

この人は虐待したりしてこないとわかると、猫は信頼関係を築く時間さえあれば人間を受け入れます。猫の方から来るように仕向けてあげてください。新しい友達を作る時と同じです。新しい猫と信頼関係を築くのには時間がかかるものです。辛抱強く待っていれば、思っているよりずっと早く仲良くなれるかもしれないですよ!

Nicholas Dodman

タフツ大学獣医学名誉教授

猫はあなたのことが嫌いなのではなく、お気に入りではないだけです。人間に虐待を受けた猫は、怖がって距離を置くでしょう。そして人間が近づいて来て逃げられない状態である場合は攻撃に移ります。それは嫌悪という解釈にもなりますが、ただ怖くて自分を守っているというだけなのです。

嫌悪というのはとても強い表現です。また嫌悪は第三級の感情(tertiary emotion)であり、猫はそういった感情を持っていないとされています。しかし先に述べたような虐待などの経験があった場合、猫は人間との距離を置くのは明らかです。

Stephanie Borns-Weil

タフツ大学・動物心理学教員

猫は飼い主を嫌うということはないと私は思っています。もし飼い主を避けるなら、それは怖さからくるものです。また猫と人間の関係の築き方は違うので、それが誤解に繋がっているのかもしれません。たとえば、人間は愛情を示す時抱きしめたりキスをしたりします。しかしその愛情表現を喜ぶ猫はあまりいません。人間は一日中仕事をして帰って来て、夜は猫を触ったり猫と遊んだりしたい傾向にありますが、猫は触られる時間は短め、そして遊ぶのも短くアクティブであることを好みます。

また適切な刺激がなかったり、何十時間も孤立させられると猫はよそよそしくなったり興味を失ったりしてしまいます。飼い主の行動が一貫していないと猫は不安になり距離を置くようになります

同じ人間でも、違う文化の言語を話す人とコミュニケーションを取るということだけでも難しいことです。ましてや種を超えてコミュニケーションを取る際に誤解が生じるのはしょうがないこと。猫を飼っている人は、猫の行動の意味を学ぶのが一番です。そうすることで猫と意味のある関係を築くことができて、猫にとってなにが大切なのかがわかるようになり、どうやってコミュニケーションを取るのが一番かがわかるでしょう。猫とのコミュニケーションの溝をできるだけ埋める義務が私たち飼い主にはあります。


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