Facebookスタッフ、業務内容がトラウマとなってPTSDを発症。集団訴訟へ

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  • author Melanie Ehrenkranz - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本 紺
Facebookスタッフ、業務内容がトラウマとなってPTSDを発症。集団訴訟へ
Image: Pan Xunbin/Shutterstock

インターネットの闇は深い。

全地球を飲み込む勢いのFacebook(フェイスブック)が抱えている問題はたくさんありますが、その処理を外部にアウトソーシングするのがFacebookスタイルだったりします。見るに堪えない不適切なコンテンツをプラットフォームから排除する作業もそのひとつ。しかし、不適切なコンテンツを排除するためには、誰かが不適切なコンテンツに専門的に取り組む必要があるわけです。そんな作業…想像を絶するストレスがかかりそうです。

不適切コンテンツを確認する仕事でPTSDに

Facebookと契約をしてコンテンツ・モデレーターとして働いていた元従業員Selena Scolaさんは、Facebookに対し訴訟を起こしました。コンテンツ・モデレーターとしての仕事を続けた結果、精神的なトラウマを負うことになった、というのが彼女の主張です。

Scolaさんが勤務していたのは2017年6月から今年3月までの間。Motherboardが報じたところによると、ScolaさんはFacebookに対し、集団訴訟を起こしたようです。契約社員として勤務していたスタッフたちは、精神に危害を加えるようなコンテンツを、毎日大量に視聴しなければいけなかったにも関わらず、必要なトレーニングや安全性、医療サポートなどは提供されていなかったとしています。訴状によると、ScolaさんはFacebookで勤務していた時の影響で、今でも「心身を衰弱させるほどのPTSD」に苦しんでいるのだそうです。

訴状には、次のように書かれています。

コンピューターのマウスを触った時、冷房の効いた建物に入った時、テレビで暴力が映された時、大きな騒音が耳に入った時、驚いた時にScola氏のPTSDは発症することがあります。彼女の症状はまた、コンテンツ・モデレーターとして見なくてはいけなかった生々しい画像を思い出したり、自分で描写しようとすると発症することがあります

この集団訴訟は、過去3年間にコンテンツ・モデレーターとしてFacebookで勤務をしたカリフォルニア州住人すべてが含まれています。Facebookは今年末までに、安全・セキュリティチームをこれまでの二倍の2万人へと増強する計画を持っており、すでに何千人もの契約スタッフが勤めてきました。それを踏まえると、この集団訴訟はかなり大規模になる可能性があります。

訴訟で要求されていることは、「Facebookの資金による医療モニタリングプログラム」の設立、そしてこのプログラムが持つ「信託資金」によって、彼女や集団訴訟に参加したすべての従業員たちが必要とする「医療モニタリング、そして治療の支払いが行なわれる」こと、さらに差し止め、また弁護士費用も支払われること。Joseph Saveri法律事務所のSteve Williams弁護士はプレスリリースで「Facebookは現在働いているコンテンツ・モデレーターに加わる危害を和らげること、またすでにトラウマを負ってしまった人々のサポートをする必要があります」と述べています。

プラットフォームでの汚れ仕事

コンテンツ・モデレーターたちが精神上の健康被害を受けてしまうという問題は、これが初めてのケースではありません。Facebookは世界最大のプラットフォームのひとつであり、当然そこにアップロードされてしまう暴力的なコンテンツや残酷なコンテンツの数は膨大です。そして、もちろん他の多くのソーシャル・プラットフォームもこういったコンテンツの選別を、十分なサポートを与えないまま契約スタッフに任せていることも考えられます。何十億ドルもの企業価値を持つ会社に対して、適切な医療サポートを要求することは、決して欲張りな訴訟ではないでしょう。

Facebookのコミュニケーションズ・ディレクターであるBertie Thomson氏は「現在この件の調査中です」と述べています。以下、声明全文をどうぞ。

現在我々はこの件を調査中です。今回の業務が難しいことは私達も認識しています。だからこそ、社が抱えるコンテンツ・モデレーターをサポートすることを極めて深刻に捉えています。それは彼らのトレーニングから始まり、彼らが受ける福利厚生にも反映されています。またFacebookのコンテンツを監査するスタッフには全て、精神サポート、そして心身の健康維持のためのリソースが確実に提供されるよう努めています。

従業員は、これらのサポートをFacebook社内でも受けており、コンテンツレビューに関してパートナー関係にある企業に対してはリソースと心身の健康維持のためのサポートを提供することを要件としています。これには、原告が勤務していたロケーションでも提供されていた、勤務地におけるカウンセリング、そして大規模な施設の多くで設置されているリラクゼーションエリアといったリソースが含まれています

Source: Motherboard, Burns Charest

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