水素燃料電池車、ドイツでは地球に優しい電車として大活躍

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  • author 湯木進悟
水素燃料電池車、ドイツでは地球に優しい電車として大活躍
Image: Alstom

電車未来…。

電気自動車ですとか、ハイブリッドカーですとか、とにかく二酸化炭素排出量を減らし、地球にとってエコな乗り物を開発する分野での競争は、激しさを増しているようです。どんどんと最新技術を搭載したモデルが発売され、EVの充電ステーションを目にする機会が増えてきました。

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Image: aapsky/Shutterstock

ところで、ゼロエミッションカーといいますと、水素で走る燃料電池車だってあるはずです。トヨタは「MIRAI」を発売し、こちらも電気自動車並みに注目と期待を集めてもよさそうなものですけど…。

電気と水素の難点

燃料電池車の最大の魅力は、充電を待つ手間なく走行距離を伸ばすことができることにあるでしょう。充電に時間がかかる電気自動車と違って、水素ステーションで燃料を補てんすれば、一般車のような感覚でガソリンを満タンにして再び走り出せるのです。でも、この水素ステーションの整備が、EVの充電スポットほど簡単には増やせないのが難点でもあるようなんですよね~。

ドイツは水素を電車に採用

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Image: Alstom

ところが、この水素燃料で走る車を、これから最大限に活用していこうという取り組みが、すでにドイツで始まっています。Ars Technicaによれば、フランスの高速鉄道となる「TGV」のメーカーとしても知られるAlstom(アルストム)が、このほど水素燃料で走る鉄道の「Coradia iLint」を2両、ドイツ北部へと納入しました。

Corandia iLintは架線いらずの電車

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Image: Alstom

Corandia iLintは、燃料タンクに入れた水素を燃料電池で電力に変えることでモーター回します。余分に発生した電力はバッテリーに蓄えることで、エネルギー利用の効率化も図られているようですね。

そして2018年9月16日、ドイツの在来線にて最高時速140kmでの運行をスタート。二酸化炭素を一切排出することなく、クリーンエネルギーの列車としてデビューを果たしたそうですよ。

Coradia iLintは、水素燃料を満タンにしておけば、1000kmも走りきることができるとされています。つまり、1日のスタートに燃料を入れると、基本的には、その日ずっと燃料のことを気にせず運行が可能なんだとか。

ディーゼル車を置き換え

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Image: Alstom

現在はブレーマーフェルデの駅にしか、水素ステーションがないため、ここを起点に運行していくしかありませんが、これから2021年までに、さらに14両のCoradia iLintが納入され、それに合わせて、水素ステーションも各地に拡大配備されていく見込みのようです。

ドイツ北部には非電化区間の鉄道路線が多く、いまはディーゼル車が運行の中心を担っているみたいですけど、これが静かでクリーンな水素燃料電池車に置き換えられていく方針が打ち出されていますね。

燃料電池車の課題

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Image: Alstom

要となる水素燃料の補てんさえ十分に行なえれば、なかなかいいとこづくめにも思えなくもない燃料電池車。とはいえ、あまり明らかにされていない課題もあるそうで、そもそも導入コストや運用コストはどれくらいかかるのか、今回のCoradia iLintの場合も、すべて非公開のままサービスインとなっています。

排出されるのは水だけとなりますが、その有効活用法なども、まだ手探りの部分が大きいようですよ。普及へのハードルが下がって、そのうちアジア諸国の鉄道として活躍する時代がやってきてほしいものですよね。

Source: Ars Technica

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