「ガジェットはただ無難な色を選んだらダメ」新しい研究結果に確かに納得

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本 紺
「ガジェットはただ無難な色を選んだらダメ」新しい研究結果に確かに納得
Photo: Alex Cranz (Gizmodo)

この色…気になる。

新しいガジェットを買う時に何時間、場合によっては何日も何週間も悩んでしまうのは私だけではないはず。どの値段のものにするべきか?どのモデルがベストか?容量はそんなにいるのかな?と自問自答を繰り返し、えいや!と店舗に足を向けた時に立ちはだかるのが「あれ、この色も…良いかも」という、色のバリエーションです。

色を選ぶ難しさを研究

ウェブ上で見るのと手にとって見るのとでは印象が違ったり、目の前に並べられるとどれも良いような気になってくるんですよね。デバイスの性能とは一切の関係が無いにもかかわらず、モデルを選ぶよりもずっと難しい判断だったりします。

この不思議なほど難しいプロセスに取り組んでくれたのが、南カリフォルニア大学マーシャル・ビジネススクールの研究者たちです。ガジェットの色が長期的なガジェットの気に入り具合にどのような影響を持っているのか調査しました。さて、結果が非常に面白いことになっていますよ。心の準備は良いでしょうか。

出てしまったシンプルな結論

「ブラックとシルバーを避けて、自分が正直に好きだな、と思える色を選びましょう」。

というものです。ななな、なんと。ブラックとシルバーといったらもう店頭で目に入るデバイスの8割じゃないですか。どうしてそんな結論になったのでしょう。

みんなそれぞれ予測を誤る

この実験を行なったEva C. BuechelさんとClaudia Townsendさんは、まずプロダクトを2つのカテゴリーに分けたそうです。ひとつは刺激の強い色のデバイス(強い色や複雑な模様がついたもの)で、もうひとつがベージュやブラック、シルバーといった刺激の低いデバイスです。そこから、それぞれのプロダクトにどれくらい自分が気に入ると思うか、または気に入らないと思うかを実験参加者たちに聞いたのち、様々な長さの期間それらのプロダクトを実際に使ってもらい、回答を繰り返し収集したようです。

その結果、2つのことが明らかになりました。ひとつは、自分は刺激の強いデザインを気に入らなくなるだろう、という予測を大きめにしてしまうということ。つまり「この原色の赤は今はカッコいいと思うけど、そのうち飽きて嫌いになるだろうな」という予測ですね。これを現実よりも大きめにしてしまうと。

さらに鮮やかな色や激しい模様を最初から選ぶ人々の場合、デバイスから継続して得られる満足度を低く見積もってしまう傾向にあるということも分かったそうです。なんと、これは驚きですね。思ったよりこのデバイス、ずっと好き。という現象が起きるということですね。

分かっていたことを再確認

もちろん、だからといってメーカーたちは今すぐに激しいサイケデリックな模様をデバイス中に塗りたくれ!というわけではありません。色が鮮やかなデバイスの方が、プロダクトの満足度は長期的に見ると少しだけ高まる傾向にあるということのようです。

ブラックやシルバーがそもそも好きでない人からしたらこの研究結果は何も新しくないですよね。ブラックのラップトップやシルバーのスマホよりも自分の好きな色のラップトップやスマホの方が満足度が高いに決まっているわけです。

市場から色が減っていく悪循環

この研究結果を読んで私が思ったのは、ちょっと悲しい悪循環が起きているのかなという考えです。一般ユーザーは色やデザインが派手なものよりも、控えめで無難なチョイスを選ぶ傾向にあるために、ガジェットメーカーたちは売れないカラフルなガジェットを作らなくなり、たまに面白い色や鮮やかな色が出ても、ユーザーたちの頭の中ではガジェットはもうブラックかシルバー、と考えずとも決まってしまっている。そのため大人しい色を選び続ける、という具合です。

ラップトップ市場を見るとそれがよく分かります。特にアメリカではブラックとシルバーしか、大きく売り上げていない、と大手コンピューターメーカーたちは語っています。もちろん、自分の好みではなく、単純に仕事で使うコンピューターがショッキングピンクだったりすると真面目なミーティングで周りの人の気が散ってしまうから、といったビジネスピープル的な判断をしている人も多いでしょう。しかしそれだけが理由でカラフルなラップトップが消えてしまったことは説明が付きません。

ゲーミング界やスマホで色が復活

しかし最近になってSurface Laptopやその他ゲーミング・システムが、このトレンドから離れようとしています。バーガンディやコバルト、ゴールドといった色が出てくるようになったわけです。ゲーミング・システムの中には黒いプラスチックの板と板の間そこら中にRGBのライトを埋め込んでいるものも珍しくありません。そしてスマートフォンもカラフルさを取り戻してきています。Huawei(ファーウェイ)やSamsung(サムスン)、Apple(アップル)幅広いカラーオプションを展開してきています。

スマートフォンを買っても、結局ケースに入れてしまう、という人はケースを鮮やかなものにすると良いかもしれません。とにかく、無難だからという理由で色を選ぶのではなく、自分にピンと来る色を選ぶほうが長期的な満足度が高くなるというわけです。

この教訓は明確ですね。シルバーやブラック以外の色を怖がってはいけない。特に何か自分の心を引きつける色が見えている場合はそれに従った方が良い、ということ。次にショッキングピンクを買おうか迷っている、と相談した時にもしも友達が「でもすぐに飽きるよ」と言ってきたら、南カリフォルニア大学のマーシャル・ビジネススクールの研究でね…と説明してあげてください。

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