地球近傍小惑星リュウグウに無事着地、写真撮影とホップ移動も成功です。
9月21日に予定されていた通り、小惑星探査機「はやぶさ2」から探査機「MINERVA-II1」が投下され、中から2機のローバー「Rover-1A」と「Rover-1B」が無事に飛び出すことができました。
JAXAによりますと、どちらも状態に問題なく、母機である「はやぶさ2」に写真や各種データを送信しているとのことです。
世界初の人工物がふたつ
前回お伝えしたように、ローバーたちは自律的に内部モーターによる回転の反動で飛び跳ね、1回のホップで最大15分間ほど滞空し、水平方向に最大15mほど移動するよう設計されています。そこでJAXAが写真を解析したところ、ちゃんと移動しながら撮影していることが判明。こちらの動きも快調のようです。
同じくJAXAによりますと、これはとても凄いことなのだそうです。
「小惑星表面で移動探査をした世界初の人工物」となりました。しかも、2機同時に動作させるという快挙ともなりました
さっそくローバーたちから届いた画像
ではTwitter公式アカウントより、実際に贈られてきた写真を見てみましょう。
MINERVA-II1からの写真です。これは、2018年9月21日、13:08(日本時間)頃にRover-1Aが撮影したカラー写真です。探査機から分離直後に、「はやぶさ2」探査機(上)とリュウグウ表面(下)を撮影しています。ローバが回転している状態で撮影しているので画像がぶれています。 pic.twitter.com/AkwtPVuIWu
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) 2018年9月22日
こちらは、2018年9月21日、13:07(日本時間)頃にRover-1Bが撮影した写真です。探査機から分離直後に撮影されたもので、右下にリュウグウ表面が映っています。左上の薄くモヤがかかっている部分は撮影時の太陽光の写り込みによるものです。1Bは分離時に回転速度が遅かったようであまりぶれていません。 pic.twitter.com/ghcT6WuhUv
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) 2018年9月22日
このダイナミックな写真は、2018年9月22日、11:44(日本時間)頃にRover-1Aが撮影したものです。リュウグウ表面において移動中(ホップ中)に撮影されました。左側半分がリュウグウの表面で、右側の白い部分は太陽光によるものです。
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) 2018年9月22日
(はやぶさ2プロジェクト) pic.twitter.com/feuyrZuv9s
ちなみに投下前は、リュウグウに「はやぶさ2」の影が写り込んだ写真も撮影されました。いよいよ実行するぞ! って瞬間ですね。
【MINERVA-Ⅱ1】
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) 2018年9月21日
Heeeeeeere weeeeee cooooome!!!!!!!!! pic.twitter.com/Ppcjr40SgG
「はやぶさ2」プロジェクト・メンバーの方々のコメントは、皆さん長年の研究が実を結んだことを喜んでいます。そこにはMINERVA-II1担当の吉光徹雄さんの正直な気持ちも書かれていました。
ブレ画像でがっかりしましたが、「はやぶさ2」探査機が写っていたので、ロボットに仕込んだ通り撮像できてよかったです
はやぶさ2の今後の予定
次のミッションについて、The Guardianはこのように伝えています。
「はやぶさ2」は10月、小惑星の上で爆発する2キロの銅ミサイル「インパクター」を撃ち、表面を吹き飛ばして小さなクレーターを作ります。
何千年も『太陽』風と放射線から隠れていたクレーター内部から新鮮な物質を採取することで、地球上の生命誕生に宇宙からの物質が貢献したのかなど、宇宙と生命に関する根本的な答えが得られることを期待しています。
また、この探査機は表面観測のための移動式小惑星表面偵察機、フランスとドイツ「MASCOT」を投下する予定です
それについて、CG映像でとてもわかりやすく説明されています。こちらの成功も期待したいですね。
Source: Twitter, JAXA, The Guardian, YouTube