さすがはエルゴノミクスで唸らせたロジクール御大だなと。
9.7インチiPad(第6世代)に合わせて発表されたスタイラスペン「Logicool Crayon(ロジクール・クレヨン)」が、最近、日本のApple Storeで一般向けにも販売されるようになりました。販売されるようにはなったけど、今のところは第6世代iPad専用です。
Apple Pencilゆずりのパームリジェクションテクノロジーを搭載し、傾き検知にも対応。さっそくその使い心地を試してみましたが……良い意味で裏切られたというか、アリですね、これ。まずはルックスをば。
腕への負担がまるで違うきしめんペン



きしめんのように平たい本体は、ザラっとした質感と相まってとても持ちやすいです。丸くて細くてツルっとしているApple Pencilに比べると、腕への負担がまるで違います(重さは0.7gしか変わらないのに)。Crayonは鉛筆らしからぬ形状なのに、こっちのほうが疲れないっていうのは意外でした。教育用途だなぁって感じ。
入り抜きがない、つまりは
ペントップにある電源ボタン長押しで起動。押して1秒程度ですぐに使えます。iPadとペアリングする必要はありません。
画面のタッチ感はすこぶる良好で、こう、タタタっとこなれた感じで取り回せるといいますか。ペン先の形状や、本体の材質、重心のバランス、手に負担がかかりにくいことなどがあいまって、なんせ爽快。軽快。操作性はグンバツです。

Apple Pencilと大きく違ってくるのは、お絵描きに使えるか否か。
傾き検知はあるけど、筆圧検知がないんですよね。イラストアプリ「CLIP STUDIO PAINT」のGペンツールで、Apple PencilとCrayonを比較描きしてみました。Crayonのほうは、筆圧による線の入り抜き(細くなる表現)がないのがわかります。

リアル鉛筆ツールによる比較。鉛筆ツールは筆圧があまり関係ないツールなので、それほど違いはありません。ペンを傾けての塗り表現は可能です。

Gペンツールによるお絵描き比較。やっぱり入り抜きがないと、ミリペンで描いたようなのぺっと感が出ちゃいますね。ということは、ミリペンやマーカーツールでお絵描きする分には大きな差は出ない、と。
こうしたツールによる線表現の違いはあれど、お絵描きそのものは快適でした。Apple Pencilと違い持って、描いている途中に回らないし、塗り表現の際にペンを寝かすのも持ちやすい。これでペンのお尻(頭?)側が消しゴムなら、お絵描きペンとしてもーっと優秀だったんだけどなぁ。
あと、どうやらApple PencilとCrayonは競合するみたいです。Apple PencilがBluetoothで繋がっているときは、Crayonの電源がオンになっていても反応しませんでした。同時使用なんてめったにないとは思うけど。
「2,000円の差ならApple Pencil買ったほうがいい」は本当か?

この使い心地で、バッテリーはフル充電7時間、2分の充電で30分稼働。うん、質実に使えるスタイラスペンです。すべての9.7インチiPadユーザーには、Apple Pencilと約2,000円しか違わないヨという点を念押ししつつ、オススメしたいですね。そう、そこの差なんですよ。
ただこの2,000円差も、用途や充電なんかを考えれば、単純なマイナスと捉えられないんですよねぇ。お絵描きしない人には筆圧検知はいらないし、Apple Pencilは充電方法がアレだし。頑丈そうなのもCrayonの利点だと思います。
9.7インチiPadでのお絵描きを考えている人にとっては、やや表現不足。メモ取りなど、そうでない使い道を想定してる人にとっては、普段から使いやすい良き選択肢。そんなところです。なんせこの持ちやすさは偉大だと思うし、他のiPadにも対応してほしいなぁ。
Source: Apple