ソニー「MDR-Z7M2」「IER-M9/M7」ハンズオン:有線派にとっては選びきれないほどの贅沢サウンドをお届け

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  • author 武者良太
ソニー「MDR-Z7M2」「IER-M9/M7」ハンズオン:有線派にとっては選びきれないほどの贅沢サウンドをお届け
Photo: 武者良太

ライブハウスのような熱気サウンドをお求めならCheck It Out.

Bluetoothに注力しまくりかと思いきや、有線接続モデルも矢継ぎ早にニューモデルを投下してきましたソニー。まずは大型ハイエンドヘッドホンとなる「MDR-Z7M2」からチェックしていきましょう。

ヘッドフォン「MDR-Z7M2」

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Photo: 武者良太
「MDR-Z7M2」

この充実のデカさ。イヤーパッドが耳をつぶすことなく、すっぽりと内に収めてしまうかのようなデカさ。

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Photo: 武者良太

ライブハウスのようにリッチな音質

このデカさには理由があるんです。

近年、大型の高級ヘッドホンは音のリアリティだけではなく、音場のリアリティも追求したモデルが増えています。音場、つまりはコンサートホールだったり、ライブハウスだったり、屋外フェスだったり、体育館だったりの音響効果も含めた場所の音ですね。いわゆる空気感を再現するというやつです。

一概に断言してはいけないのですが、音をシャープなまま鼓膜まで届かせたいのであれば、ドライバーと鼓膜の距離を近づけるという手法があります。でも「MDR-Z7M2」のアプローチは逆。余裕ある空気量を、70mm大口径ドライバーで余裕をもって震えさせることで、シャープでクリアかつ、空間に溶け込んでなだらかに消えていくような音場を両立しています。

ドライバーの後ろ側に大容量の空気室を設けているのも、Hi-Fi重視の設計思想からくるものですね。

そして「MDR-Z7M2」が目指している空間はライブハウスとみました。それもかぶりつき。音源は近め。その上で、音が広がっていく様子も味わえる。あえてプレーヤーのボリュームをしぼってみても小さい音が聞こえやすい。ダイナミックレンジが広く、低音量でも音像はリッチ。豪華なディナーをいただいているような、舌触りものどごしも、余韻も美味。絶品です。この燃えて溶けるように恋できちゃう領域はまだ有線接続ならではのものですね。

ステージモニターイヤホン「IER-M9」/「IER-M7」

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Photo: 武者良太
「IER-M9」

対して「IER-M9」、「IER-M7」は熱気をさらに高める音を目指して作ったかのよう。楽器やボーカルの位置・距離が明確にわかるような、測定器的なスキルを持つモニターイヤホンから一歩踏み込み、正確性・明瞭感を保ちつつ、ノリノリに聴こえるステージモニターイヤホンという位置づけになっています。

いわゆる従来のモニターイヤホンはスタジオモニターという位置づけ。そっちの音はクールさを極めたスモールモニタースピーカーのような音になりますが、「IER-M9」「IER-M7」はラージモニタースピーカー的です。ドでかい1発も優れた瞬発力でもって鳴らしきるし、細かなバッキングも生きています。

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Photo: 武者良太
「IER-M7」

両機の違いはドライバーの数とハウジングの材質。「IER-M9」は5BAドライバー5WAYで、「IER-M7」は4BAドライバー4WAY。再生周波数帯域は共に5Hz~40Hzですが、「IER-M9」はツイーターを増加しており高域の華やかさと倍音の豊かさが違います。管楽器も弦楽器もボーカルも伸びがいい!

それぞれの個性と長所がある

でも「IER-M7」が悪い、というわけではありません。得手不得手が違う、それぞれ独自の個性をもっています。

「IER-M9」の音は前述したように、キラキラさがまぶしい高域がありある意味オールマイティ。特に女性ボーカル、クラシックとマッチします。ですが、重心の低い曲を聴くと腰高感があります。

そして「IER-M7」は可聴範囲の音の密度が高く、リズムパートの弾力性がより伝わってくるもの。男性ボーカルのポップス、ロック、ダンスミュージックと合いますね。個人的にはジャズも「IER-M7」のほうがいいんじゃないかと感じましたよ。

ハウジングのフレームは「IER-M9」のみマグネシウムが使われています。大柄だけど軽量でありたいという、開発者の願いがここにあるんですね。

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Photo: 武者良太

ステージ上で飛んだりはねたりしても大丈夫なくらい、装着時の安定性も高め。ケーブルを耳の後ろに回す、いわゆるカナルがけのモデルですが、ケーブルが柔らかいのが特徴です。針金入りのアジャストフリータイプと比べて脱着がとてもカンタン。

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Photo: 武者良太

さらにSS/S/MS/M/ML/Lと6サイズのトリプルコンフォートイヤーピース、SS/S/MS/M/ML/L/LLと7サイズのハイブリッドイヤーピースで、セッティング幅も広い。イヤーピースのサイズが小さすぎると音もれ・ノイズ侵入多くて音はくすむし、大きすぎると耳穴に負担かけすぎで疲れがちです。このサイズ展開なら、小顔・小耳の方でも安心できるでしょうね。

購入前のお試しは必須

「MDR-Z7M2」も、「IER-M9」も「IER-M7」も有線接続だから成し得た類まれな良音の持ち主です。ただひとつ、手に入れるためのハードルがあります。それはどの音がいいか、ってこと。それぞれ音のトーンがぜんぜん違うから、好みの音を聴きわけなければなりません。ソニーストア、そしてヨドバシとかビックカメラとか、オーディオ専門店に足を運んでの試聴必須です。「MDR-Z7M2」と「IER-M7」は7万5000円前後、「IER-M9」は13万円前後というプライスなので、3つとも買っちゃえとなるにはかなりの覚悟が必要ですから。

Source: ソニー