Microsoft×近畿大学。真鯛の養殖でAIを使う

  • author 中川真知子
Microsoft×近畿大学。真鯛の養殖でAIを使う
Image: K321/Shutterstock

ニッチなポジションのAI化に目から鱗。

魚の養殖用稚魚を提供している近畿大学産研究所の近畿大学水産養殖種苗センターが、日本マイクロソフトと豊田通商と共に、AIIoT(Internet of Things)を活用して稚魚選別作業の自動化を目指しているそうです。

稚魚選別作業とは、出荷前に生育不良の個体をプロの作業員が目視して選別する作業のこと。この目視というヘビーな作業をAIが担うのかと思いきや、いけすからポンプで稚魚を吸い上げる水量調節の部分なんだそうです。

AIで人をポンプから開放

詳しい内容はマイクロソフトの動画でご覧ください。AI云々以前に、一般的に知られていない養殖業界のことがわかって面白いですよ。

Video: Microsoft Asia/YouTube

水量を調節するためだけにつきっきりの人が必要だなんて! 確かにこれは効率化を図りたくなりますね。

さて、この自動化ですが、ポンプの前後に監視カメラを設置して画像を撮影し、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Azure Machine Learning」で魚の比率を解析。それに応じてポンプの水量を自動で制御して、魚を増やす・減らすといった調節をしてくれるのだそうです。

今はまだポンプの水を自動制御するのみの段階ですが、今後は生育不良の個体を取り除くこともできるようにしていきたいと考えているそうです。

人道的理由からひよこの選別にもAI

余談ですが、生き物選別とテック、と聞いて思い出されるのが「ひよこ選別」の技術です。ドイツの科学者たちが開発した有精卵雌雄選別技術で、孵卵器で温め始めて4日の卵を赤外線レーザーをあてて雌雄を判別するというもの。ひよこ鑑定士(正式名称:初生ひな鑑別師)になるのは難易度が高い上になり手が減ってきているのですが、この技術は人手不足をどうにかしようという理由で必要とされているわけではありません。

オスのひよこは卵を産まないから孵化してすぐに殺処分されるんですよね、粉砕機に生きたママ放り込まれたりガス室に送られたりして…。それが非人道的だという理由で、同じように殺処分されるなら生まれる前に、と有精卵雌雄選別技術が開発されたわけです。

生き物の選別がテック化

今回の稚魚選別とは技術が生まれた経緯がまったくことなりますが、これまで人間の熟練の技に頼っていた生き物の選別という部分にテックが介入するのは今後も増えそうだと思いました。

Source: Microsoft, Phys.org

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