Apple Watch Series 4は私たちの健康を守ってくれるのか

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Apple Watch Series 4は私たちの健康を守ってくれるのか
Image : Ed Cara (Gizmodo US)

Appleイベントで発表された製品の多くには、うれしい新機能が搭載されていましたね。特にApple Watch Series 4は、私たちの健康にも大きな影響を与えそうです。日本ではまだ利用できない新機能、「心電図計測」は発表時に一気に注目の的になりました。米GizmodoのEd Cara記者がこれに対して冷静な考察をしています。


Apple Watchは、すでに広告やメディアのあちこちで心拍数モニターとしての機能がアピールされていますが、Series 4では心電図(ECGまたはEKG)が取れることが売りとなっています。つけている人の状態をモニターでき、心拍数が異常に高くなったり、不正脈が現れたりする「心房細動」という症状を発症している場合に、それを知ることができるようになっているようです。

Appleもほかのウェアラブルテクノロジー企業に負けじと、たっぷりとお金をかけた広告を打ってきました。また、めでたくApple Watchの新機能はアメリカ心臓協会に承認されたほか、FDA(米国食品医薬品局)からも革新的なタイプの医療機器として承認されています。

AppleのCOOジェフ・ウィリアムズが放ったApple Watchの発表に続いて、アメリカ心臓協会のアイヴァー・ベンジャミン氏はイベントで「有用な心臓のデータをリアルタイムで得られるようになり、医療も大きく変わろうとしている」と語っています。

心臓の健康度を知るには心電図が参考になります。通常の医療機関の診察では電極を心臓付近の皮膚につけ、心拍の動きを電気的に測ります。この新しいApple Watchでは、文字盤の裏と竜頭の部分に電極が埋め込まれています。アプリを使って心電図を取るには、竜頭に指を30秒当てるだけ。心拍が正常であれば洞調律(正常なリズム)が描かれます。心拍数が異常に高い場合は、心房細動の疑いがあることを教えてくれるのだとか。心房細動にかかっていると血流が悪くなり、心臓発作や脳溢血(のういっけつ)などの心血管疾患を引き起こしやすくなるので注意が必要。健康に関するデータはもちろん個人情報。このデータは暗号化され、ユーザーが希望する場合はPDF形式で医師などに見せることができるとのこと。

そのほかには、心拍数が低すぎる場合や、急に倒れて応答しなくなった場合などに検知して緊急通話につながる機能も搭載されているようです。また画面も大きくなりました。

FDAの承認を受けたApple Watch

Appleによる心電図機能や心拍異常の検出機能の発表後、FDAはその機能を承認し、声明も出しています。 FDAのチーフ、スコット・ゴトリブは「FDAはAppleと連携して、Apple Watchとそのソフトウェアの開発およびテストに協力しています。これにより多くのユーザーが、自分の体調の急な変化などをいち早く察知することができるようになります」としています。

発表では心電図を備えたウェアラブル機器としては世界初とされていましたが、残念ながら心電図を搭載した端末はApple Watchが初ではありません。Apple Watchと似たような心電図機能を備えたApple Watch用バンド、「Kardiaband」が2017年11月にFDAの承認を受けています。Kardiabandを販売するAliveCor社が開発した心電図モニターテクノロジーは薬局での対面販売においてFDAの承認を受けています。ただし、Apple Watchに使用されているテクノロジーは革新医療機器として新規分類を確立するためのFDAデノボ(De Novo)分類で申請を承認されているようです。

こういったウェアラブルには大きな可能性が期待されています。推定では2万7千人から6万人のアメリカ人が心房細動に罹患しているとされています。おまけに75万人が毎年救急車で運ばれているとあっては、軽視できません。もっとも恐ろしいのは、心房細動には主だった症状が特に現れるわけではないということ。

Apple Watchに頼りすぎは禁物

ただし、この機能には少し注意する必要がありそうです。FDAも概要文書で指摘しているように、ECGアプリは22歳以上の人が対象で、心拍の乱れを引き起こすその他の心臓疾患がある場合は推奨されないるとのこと。

心房細動にかかっていることを教えてくれる機能についての概要文書では、アプリは心房細動の兆候すべてについて教えてくれるわけではないこと、また異常の通知がないからといって、なんの病気にも罹患していないわけではないということも考慮しておくべきでしょう。

ガジェットやアプリだけがすべてではありません。Fitbitなどのウェアラブルでは、動いているときに得られる心拍のデータがあまり正確ではないことが批判の的となっていました。通常のECGは、光をベースとするセンサーと比べて動きを捉えるのが得意です。時計サイズでも機能が損なわれることがないかを確かめておくのは、大切なことでしょう。また、心房細動を必ずしも検出できないかもしれないということも知っておかなくてはなりません。あと、Apple Watchに異常が発見されたために必要以上に不安になってしまうユーザーが出ないとも限りません。

ここまでいろいろ懸念を並べたてましたが、Appleが偉業を打ち立てたことには違いありません。FDAの承認をとったAppleの決断も賞賛に値するでしょう。私たちの健康を見守ってくれるデバイスとして役に立ってくれるはずですから。(高いお金を支払うのですから、役に立ってもらわないと困りますが)今後他社もAppleに追随して、よりよい製品を開発してくれることを祈ります。いずれにしても、時計に命を預けるような真似はせず、きちんと自分の体調管理はしたいものですが。

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