ヴェイパーウェアなコンセプトじゃない凄み。
Facebook傘下のOculus(オキュラス)が開催する年イチのイベント「Oculus Connect」、今年も始まりました。開発者向けのセッションや、Oculusの新技術・デバイスのデモなどなど、VR業界を牽引するビッグブランドの動向がわかる貴重なイベントです。
なかでもイベントの皮切りとなる恒例のキーノートは、コンシューマーの我々にとってもドキドキものでしたね。今年はFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグから6DoF対応のスタンドアロン型のVRヘッドセット「Oculus Quest」が発表されました。しかも、399ドル(約4万5000円)。ありがとう……。
でも本題は、そのキーノートでちらっと見せた未来のVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)。超クールです。

キーノートのラスト30分、今年もOculusチーフサイエンティストのMichael Abrash氏が登壇。そこで、このスライドが一度披露されました。やはりOculusが考える未来も「メガネ型」。誰もが期待する未来のVR HMDをそのまま具現化した、まさに「THE VRグラス」なスタイルです。
あくまでもコンセプトなので、今は製品化の話はありません。Oculusとしても単なる「イメージ図」として作ったのかもしれませんが、しかし実現できる技術に沿って考えられているのです。

現在のOculus RiftやOculus Goには、レンズの表面がノコギリ状の形をしている「フレネルレンズ」が使われています。

たとえばそれを、表面がフラットなレンズ(スライドでは「パンケーキレンズ」と呼ばれていた)に変えることで、ディスプレイ解像度はスペックが許す限り無制限に、視野は200°まで拡大できると言われています。

しかし今回のコンセプトは、このフレネルレンズでもパンケーキレンズでもない方法。「ウェーブガイド」式のレンズがベースになっています。
このウェーブガイド式というのは、大きなディスプレイから出る画をレンズを通して目に届けるのではなく、小型のディスプレイをレンズやプリズムで屈折させて目に届ける方式のレンズ。パンケーキレンズよりも薄型化できるので、コンセプトのようなメガネスタイルにできるというわけです。
面白いことに、ウェーブガイド式レンズはGoogle GlassやMagic Leap OneなどAR系デバイスにも使われています。レンズの前にディスプレイを設ける必要がないため、透過させることができるんですね。今回のOculus Connectで、Oculusが初めて「MR」という単語を使ったそうですし、Oculus QuestもやけにMRを意識した新機能・機構も多かったように思えます。
Abrash氏のキーノートでは、レンズの他にも、アイトラッキングをつかったレンダリングや、オーディオ、ハンドトラッキングの視点から未来のVRデバイスを語っています。気になる方はキーノートの14分30秒あたりからご覧ください。
2018年9月27日 16:30更新:画像の順序を変更しました。
Source: YouTube