Surface Go レビュー:未来はまだメインマシンに成れず

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  • author 山本勇磨
Surface Go レビュー:未来はまだメインマシンに成れず
Photo: 山本勇磨

タブレットが「オマケ」じゃない 。

Surface Go、自腹で買いました。何もこういう仕事をやっているから、新しいものに飛びついたわけじゃないですよ。買ったのにはちゃんとした理由がありまして、僕には夢があります。それは、タブレットとPCが一台になった未来がやってくること。Surface Goは、そんな未来に連れて行ってくれそうな気がしたんです。

たとえば、日中はキーボードとトラックパッドを使ったPCスタイルで仕事。そして自宅では、おもむろにキーボードを外してタブレットで娯楽。十徳ナイフのように、今まで別々だったツールが1台に収まることって夢ではないでしょうか?

いや、今までにもあったはあったんです。Huawei(ファーウェイ)のMateBook EとかASUS(エイスース)のTransBookとか。でも、ちゃんとタブレットとして使いやすい薄さとサイズ感で、キーボードも簡単に付け外しできて、入力インターフェースも使いやすく、フルのWindows OSがサクサク動く。こんな具合に、本当の意味でタブレットとPCを両立した端末はあまりなかったように思えます。タブレットにもなることがオマケのように扱われて、すぐに使わなくなるようなものが多かった気がします。

Surface Go

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Photo: 山本勇磨

これは何?:Windows 10を搭載した10インチのSurface PC。キーボードを外せば、ちょうど良い大きさのタブレットに変身。

価格:本体は6万9984円〜、キーボードとペンをセットで買うと9万9360円〜。

好きなところ:10インチなのに、入力の不自由さを一切感じさせない素晴らしいハードウェア

好きじゃないところ:ハードウェアの体験を損なうスペック


レビューを行なったモデル

画面:10インチ PixelSenseディスプレイ
解像度:1,800×1,200px、217 PPI
メモリ:8GB
ストレージ:128GB SSD
プロセッサー:Intel Pentium Gold Processor 4415Y、Intel HD Graphics 615
重量:522g(タイプ カバーを除く)
USB-C×1、3.5mm ヘッドフォンジャック、Surface Connect ポート、Surface タイプ カバーポート、microSDXC カードリーダー

じゃあ、Surface Goを使ってみて、PCとタブレットが一台でこなせる未来に行けたのか?

結論から言いますと、行けませんでした。でもこれは決してネガティブな意味ではありません。頭ごなしに否定から入るってことでもありません。まだ僕が夢見た未来へ完璧に辿り着いていないだけで、すでに半分くらいのところまで来ているんです。未来のコンピューターが。

10インチクラスで最高の入力インターフェース

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Photo: 山本勇磨

ハードウェアは非の打ちどころがほとんどありません。ボディの剛性感はとても高く、カリッとエッジの立ったデザインはSurface Pro譲り。キックスタンドのギミックのおかげで、小柄ながらタブレットというよりマシンの雰囲気が際立ちます。

キックスタンドまで最新のSurface Proと同じ出来で、心地よい重さを感じながらぐぅーっと165°まで開脚します。Surface PenもProと共通のペンを使います。スクリーンショットを撮って、すぐにスケッチをはじめられる点まで、すべて最高の体験です。

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Photo: 山本勇磨
「Surface Go Signature タイプ カバー」キーストロークはMacBookのように薄くなく、スコっと落ちるクセになる感触です

別売りのキーボード「Surface Go Signature タイプ カバー」も問題なく、ガシガシ快適に使えます。Surface Proのカバーよりも小さいので、幅が狭いんじゃないかと心配していましたが、意外にもちょうど良い幅なんです。幅が狭いことで、FとJキーのホームポジションから、すべてのキーへ楽に指が届きます。

入力のインターフェースの完成度はかなり高いです。これを10インチのボディでも達成するんだから、やっぱSurfaceはスゴいですよ。

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Photo: 山本勇磨

「10インチって小さくない?」そりゃ、13インチのラップトップに比べたらこぢんまりしてます。でもタブレットとして使うのには、この10インチというサイズが本当にちょうど良い。

10インチよりさらに小さくしたらPCとして微妙な大きさです。それはもうPCとしては使いにくい域だぞ、と。逆に10インチより大きくなっても、それはタブレットとして微妙なデカさです。10インチって、PCとタブレットで使いやすいギリギリを攻めたベストな大きさなんでしょうね。

ハードウェアの良さを引き出せなかった、残念なプロセッサ

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Photo: 山本勇磨

冒頭で記したように、Surface Goはまだ真にPCとタブレットが融合したマシンではありません。確かに、入力インターフェースをはじめとするハードウェアは、PCとタブレットを融合させようとしているシステムなのですが、残念ながら、Surface Goのスペックが足を引っ張っているのです。Surface Goの中に入っているプロセッサは「Intel Pentium Gold Processor 4415Y」。クロック数1.60GHz、2017年のCPUです。もちろん承知の上で買っていますが、手にしてみると気になるカクツキが見られました。

最初からPhotoshopやLightroomでの作業は諦めています。でも、意外だったのがブラウザが充分に動かなかったことです(EdgeでもChromeでも)。普段と同じネットワークを使っていても、サイトにアクセスしたときの表示が明らかに遅い。普段Coreプロセッサを積んだラップトップを使っているので当たり前なのですが、(僕の場合だと)仕事が快適に行なえると言えるものではありませんでした。

僕はつねにブラウザで調べ物をしながら編集をしたり、記事を執筆したりするので、ブラウジングが快適にできないとなるとメインマシンとして使えません。そして、これはタブレットモードのときに重宝するTwitterアプリでも同じく、大きなデータ通信が絡むアプリでは、やはり表示速度の遅さがSurface Goの体験を損なっています。iPad(Proじゃなくても)のサクッとした体験とは程遠いです。

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Photo: 山本勇磨

PCとしてもタブレットとしてもハードウェアの部分では完成しているのに、性能がそれらを足を引っ張っているのはもったいないですね。

それでも一番未来をゆくコンピューター

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Photo: 山本勇磨

メインマシンとして使いづらいとわかってから、僕はSurface Goをカフェで簡単な作業をするときや、取材先に持っていくなど、ほとんど外出専用マシンとして運用しています。つまり、快適なラップトップを求めている人にはおすすめできません。キーボードとペンを合わせたフルセットで11万8800円(税込、128GBモデル)、他のPCなら買わないスペックです。

でも、Surface Goは買って後悔しなかったです。スペック的にはメインマシンとしては使えませんでした。しかし、それ以外のハードウェアや入力インターフェースの体験が、まずはPCとタブレットが一体になった未来への道のりの半分まで連れて行ってくれたのです。

iPadとMacが統合されないとわかった今、Surface GoはPCとタブレットが一体になった未来を望む者の唯一の希望です。進んでいるのは半歩先とはいえ、今はそこが一番未来ですから。


今回のレビューに際して編集部用に購入したMicrosoft Surface Go(64GB ROM/4GB RAMモデル)をプレゼントいたします。

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