これは新しい進化の方向性。
米GizmodoのAndrew Liszewski記者、「ワイヤーレスのポータブル・バッテリー」という発想にすっかり魅了されたようです。こちらAvidoのWiBaパワーバンクのレビューをお届けします。
バックアップ用のバッテリーはより小さくしたり、性能を高めたり、ポートの数を増やす以外には、あまりイノベーションの余地が残されていないように思われます。しかし、Avidoが新しく出したWiBaパワーバンクはなんと、コロンブスの卵的に、小さなポータブル充電バッテリーをそのままワイヤレス充電ステーションにしてしまうという離れ業をやってくれたんです。使ってみたらなんとも素晴らしい便利さで、スマホと一緒にどこにでも持ち歩くようになりました。
Facebookをよく使い、Instagramに常に何かを投稿しており、キャンディクラッシュ中毒から抜けることができないスマートフォン・ユーザーであれば、デバイスのバッテリーが切れてしまうんじゃないかと常に心配しているのではないでしょうか。オフィスのどこに電源があるのか。通勤途中のカフェは、広場は...と充電スポットを暗記している人もいるかもしれません。しかし、それよりも一般的なのはやはり、ポータブルのバッテリーを持ち歩くことです。
ポータブルバッテリーもすっかり一般的になり、数えきれないほどの形状やサイズ、性能で売られています。とは言え、してくれることは同じです。スマートフォンをバッテリーのUSBポートにつなぎ、電池切れのストレスから解消してくれることです。持ち運びができるため、出先で電源を探す苦労は無くなります。しかしそれでもケーブルを持ち歩かないと行けないという苦労は無くなりません。バッテリー自体はカバンに入れたけど、ケーブルを忘れた、なんて経験ありませんか。
でも、ワイヤレス充電に対応しているスマートフォンにアップグレードした方なら、ケーブルに煩わされないことの快適さがもう身にしみているかもしれません。充電ステーションの上にスマホを置くだけで充電開始。途中でメッセージを受信すればパッと持ち上げてしまえます。そのまま立ち去ってしまっても問題ありません。ケーブルの抜き差しなんて、もう2014年から死に始めた習慣なわけです。そしてWiBaはこのワイヤレスの快適さをさらに拡大してくれました。充電ステーションを持ち運びしてくれるようにしたのです。そうです、ポータブル・バッテリーでありながら、ワイヤレス充電なんです。

WiBaの充電システムは2つのパーツから成り立っています。携帯できるパワーバンク本体と、パワーバンク充電用のステーションです。これらは、それぞれが独立してワイヤレス充電が可能となっています。もちろん、対応しているデバイスでないとダメですよ(私はiPhone 8で試しました)。
しかし、バッテリー自体を充電ステーションの上に載せて充電する際は物理的な金属ピンを使った充電となります。これはポータブル・バッテリーを薄く保つためのデザインのようです。言葉で説明すると複雑そうに聞こえますが、画像を見ると分かりますね。
充電ステーション自体に別のデバイス(たとえばiPhone)を載せた場合、金属ピンは中に押し込まれるので問題ありません。

また付属の充電ステーションが近くに無い時は、USB-Cを使ってバッテリーを充電できます。また、ワイヤレスでなくともUSBポートで充電できるデバイスなら、このパワーバンクがしっかりと充電してくれます。

なのでワイヤレス専用ではないのですが、個人的にはワイヤレス以外で使うことは無いように思います。私は自宅勤務で、作業の内容によっては部屋から部屋へと移動をします。簡単にワイヤレス充電のソリューションを持ち歩けるのは非常に助かります。
自分のスマホはビジネスでも使うメインの電話となっているので電話でのミーティングを数回続けるだけで電池残量は一気に減ってしまうわけです。さっとスマホを置いただけですぐに充電を開始してくれる有り難さは、多少の不満を大きく上回ってしまいます。

...不満?そうです、今私は不満と言いました。
ではWiBaの何が不満かと言うと、ひとつは充電ステーションの上に載せている間LEDが常に光っていることです。私は充電ステーションをベッドの近くに置いているので、これは嫌です。あと数日もしたら、このLEDライトの部分は真っ黒なテープか何かで覆ってしまうことになるでしょう。
またポータブルとは言いますが、コンパクトではありません。5000mAhの充電バッテリーでもっと小さい物はたくさん出されています。それでもフラットでスマートフォンのような形状のデザインなので持ち運びには苦労しません。

ワイヤレス充電は、デバイス内部の誘導コイルをぴったり合わせる必要があります。だから動きながら充電をする、ということはまず不可能でしょう。移動中に手でしっかり固定すればできなくは無いかもしれませんが、ほとんどのユーザーはそんな事はしたくはないでしょう。
充電ステーション側の充電は10ワットの出力を持っています(これはiPad Proに付いてくる12ワットのアダプタとも比較できるレベルです)しかしWiBaバッテリーの方は5ワット。これですべてが台無し、というレベルではありません。Appleが出している小さいiPhoneチャージャーは同じワット数です。それでも最高スピードでスマホが充電されるわけではない、ということです。

結論としては、すべての人に最適な製品とは言えません。しかし個人的には完璧でした。
特筆すべきはやはりその利便性です。一日じゅう自分のスマホを充電された状態にキープするのがとても簡単になりました。同時にデスク上にわずらわしいケーブルが増えることもありません。ワイヤレスであることから来るわずらわしさを遥かに超える利便性を持っています。こうなると、今後ワイヤレス充電でないバッテリーを買うかどうかも怪しいな、と思うくらいです。
まとめ
- ・99ドルという値段は安くはありません。ワイヤレスチャージャー、そしてケーブル式のバッテリーをそれぞれ別個に買ってもお釣りがくるでしょう。
- ・自分のスマホと、パワーバンクを重ねて充電ステーションに載せることで両方を同時に充電できます。
- ・5000mAhはスマホの充電には十分ですが、タブレットの充電にはちょっと足りません。
- ・LED充電/ステータスライトは充電ステーションの上に載っている間、消えません。夜間は気になります。
- ・ケーブル式の充電と比べるとパワーバンクのワイヤレス充電は速くはありません。