まるで深海にでもいそうな、謎の生物感。
古今東西、ロボットには1本足でピョンピョン飛び跳ねるものから、ケンタウロスのような4脚のものも、いろんな脚で移動する機構が作られてきました。そしてこの度お目見えしたのは、なんと32脚のウニ型。
この「Mochibot」は、脚の一本ずつが伸縮を繰り返して進むよう作られています。その姿はむしろ“歩く”というより“転がる”と表現するほうが正しいかと思います。ウニ型のメリットは何といっても倒れないということ。全方位が脚ですからね。どんな悪路でも踏破できちゃうワケです。
しかも直線に進むことも、円を描いて進むことも、手描きの軌跡をなぞって進むことだって可能。
「Mochibot」は、慶応大学と東京大学が、スペイン・マドリードで開催された「IROS 2018」に出品したロボット。本当の名前は「Continuous Shape Changing Locomotion of 32-legged Spherical Robot」、つまり「連続で変形する32脚の球状移動ロボット」ということになります。
IEEE Spectrumによりますと、「Mochibot」のモデルはウニではなくひし形30面体なのだそうです。球体にとても近い、でも角のある形状で、サイコロによく使われる形なんです。
脚は折りたたみ望遠鏡のように3段階にスライドして伸縮し、最大で60cmまで伸びるとのこと。たとえ数本の脚がトラブっても、ほかの足がバッチリ補ってくれる点でも、惑星探査や災害に活躍が期待できます。
ちなみに開発者は、「悪路を進むことに関してはBB-8より上」と話しているのだそうな。たしかに、岩山なんかもウニウニ登っていく姿が想像できます。
Source: YouTube via IEEE Spectrum