カメラ無しのタッチスクリーン型デバイス「Google Home Hub」がスマートホームを完成させるかもしれない

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  • author Adam Clark Estes - Gizmodo US
  • [原文]
  • 塚本 紺
カメラ無しのタッチスクリーン型デバイス「Google Home Hub」がスマートホームを完成させるかもしれない
Image: Gizmodo US

スマートホームに足りなかったのはこれ。

先日Googleのハードウェア・イベント「Made by Google」で発表されたタッチスクリーン型のGoogle Home「Google Home Hub」。「これ、こんなの欲しかった!」とギズモードでもレポートをしましたが、米GizmodoのAdam Clark Estes記者は実際に使用してみて「あれ?スマートホームの足りない部分が出された感じ?」とジワジワ感心しているようです。以下、Adam Clark Estes記者です。



今週行なわれたGoogleのイベントで発表されたGoogle Home Hubはまるで注文するのを忘れていたデザートのように我々の前に登場しました。もちろん、以前からGoogleがタッチスクリーン型のHomeデバイスを発表するだろうという噂はたくさん存在していたわけですが、実際に使ってみたところ、これはかなり美味しいデザートであることが実感できました。世に出てきてから数年が経つ「スマートホーム」のコンセプトですが、もしかしたらこのHome Hubこそが、足りてなかった1ピースを補完してくれる代物かもしれません。

予想をいい意味で裏切ってくれる

一言で言ってしまうと、Home HubはGoogleが持つAIサービス群と種々のスマートデバイスを統合してくれるセントラル・コンソールです。まず目につくのはクリーンなカーブラインの魅力的なデザインとコンパクトさ、そして予想以上に高度なタッチスクリーン・ディスプレイです。

スクリーンは斜めに計って7インチのサイズ。デバイスの他のボディはディスプレイの後ろに隠れています。スピーカーもそれなりの音をしっかりと出してくれます。前面には2つのマイクが搭載されており、それによってGoogleアシスタントとコミュニケーションができます。さらにアンビエントEQセンサーも前面についており、このセンサーが環境の照明状況を検知し、それに対応した写真のようなクオリティのビジュアルを表示してくれます。

多くの人の予想を裏切った点としては、カメラが搭載されていないことでしょう。Home Hubはスクリーン上部に、アンビエントEQセンサーが搭載されています。そのためビデオチャットにHome Hubを使うことはできません。カメラを搭載しないという判断は、プライバシー保護のため、とGoogleは説明しています。Googleがユーザーの知らないところでカメラ経由でデータ収集しているんじゃないか、もしくはハッカーにカメラ経由で盗み見られるのではないか、という不安は無いわけですね。個人的にはこの判断は良いと思っています。もしもプライバシーという観点で不安に思う人はマイクのスイッチを切って、ただタッチスクリーンを使って操作をすれば良いわけですからね。

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Photo: Raul Marrero(Gizmodo US)

タッチスクリーンの使い心地も非常に良かったです。ロック画面で上から下にスワイプすることで接続しているスマートホーム・デバイスのメニューがシンプルに見ることができます。照明、温度計、カメラ、メディア・プレーヤーなどですね。

Googleのイベント会場ではいくつかの部屋にスマートホーム・デバイスが用意されており、Home Hubで2回ほどタップするだけでほぼすべての操作を行なうことができました。照明の色や明るさの調整からドアの解錠といった具合です。もちろん音声コマンドを使ってこういった操作をすることができます。これは他のGoogle Homeデバイスと同様ですね。それでもスクリーンですべて操作できるというのはかなり有り難いと気付きました。

音声でのコマンドは面倒だったり、正常に認識しないことがありますからね! 音声コマンドが正常に動作されずストレスを感じる経験は多くの人が経験しているのではないでしょうか。タッチスクリーンですべてを操作できるのはなんだか宇宙船のキャプテンになったような感覚もあります。常にスマホを取り出さないで済むのも良いです。

「すべてを音声でこなす」必要はないよね?

ここから伝わってくるのは、プライバシーを重視して、スクリーンをタッチするのが好きな私のようなユーザーがたくさん存在しているとGoogleが考えていることです。私は自分がちょっとメインストリームからズレた変わった好みを持つユーザーだと思っているのですが。ここ数年ますます強くなってきている「すべてを音声でこなす」音声アシスタントというトレンドから考えると、Home Hubはちょっと横に一歩ズレたような印象があります。私にとっては、この方向性の方がよっぽど馴染みやすいと感じます。

そしてこの馴染みやすさや使いやすさこそが、人々がいまいち大歓迎できないスマート電球やスマート施錠といったデバイスを1レベル上の普及へと持ち上げてくれるキーだと思うのです。家の電気のスイッチや鍵といったツールはもう何十年も使い続けてきたわけです。テクノロジーが進んでもユーザーが目に見える、触ることができるインターフェースを欲しがるだろう、という考えはたしかに理にかなっています。

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Photo: Raul Marrero(Gizmodo US)

もちろん、タッチスクリーンがついたホームコンソールは既に他からも発売されています。Googleが作ったものだけでも既に出ています。高級住宅向けのタッチスクリーン・コンソールは長年使われてきました。最近のメーカーではWinkがアンドロイド式のタブレットで照明スイッチを代替しようとしたのも記憶に新しいですよね(これは私も試しましたが、なかなか最悪でした)。

そしてAmazonのEchoという、なかなか楽しいけれどあと一歩実用性に足りないデバイスもあります。Lenovo(レノボ)もGoogleアシスタント付のタッチスクリーンを今年初めに出しており、こちらは200ドルという値段で驚くほどHome Hubと機能が似ています。米Gizmodoでも高評価でした。今週AmazonがリリースするEcho Show 2.0は(ちょっと大きめの)スクリーン付ホームコントロールになっており、値段は230ドルです。

現時点ではこれらのディスプレイ式スマートホームタブレットと比べてGoogleのHome Hubがどれほど売れるかは分かりません。Home HubはZigbee、Z-Waveをサポートしていないため、いくつかのデバイスは接続するために追加でハードウェアを揃える必要があります。ただGoogleネイティブのNestデバイスだけでなく、約1,000社が製造するGoogleアシスタント対応のデバイスたちとの接続が上手くいくのかどうかも、今後注目していきたいと思います。

Home Hubは「コネクテッド・デバイス」の導入を実用的にしてくれるかも

少なくとも、短い時間でデバイスを使ってみた感想としては、デザインは素晴らしいの一言です。これが自宅のカウンタートップにあっても全く不満はありません。またアンビエントEQのエフェクトも非常にカッコいいと思いました。これは実際に目にしないと実感できないかもしれません。誰の自宅にもアナログの家具やデコレーションがたくさん並んでいるものですが、そのなかにデジタルスクリーンを上手く溶け込ませてくれるんです。

もうひとつの大きな長所は値段でしょう。Home Hubは150ドルで販売開始されます。これは通常のGoogle Homeと比べてたった20ドル高いだけです。「こんなのあったらいいな」というデバイスではないものの、使ってみたら「あ、これ使いたいじゃん、私」と気付かされるデバイスとなっています。

何年も「コネクテッド・デバイス」を自宅用に導入しようとして上手くいかずにフラストレーションになることを繰り返してきた私としては、Home Hubは求めていたソリューションかもしれません。しかし「かも」であることは強調しておきたいと思います。Googleのイベントでの体験はあくまでもGoogleによって管理された整った環境なわけで、外でどれほどちゃんと機能するかはまだ分かりません。が、試すのが楽しみです。

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Photo: Raul Marrero(Gizmodo US)