学生時代の成果が全部パーに! iomegaの外付けzipドライブにぶつける恨み節

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
学生時代の成果が全部パーに! iomegaの外付けzipドライブにぶつける恨み節
Image: Angelica Alzona (GMG)

アンラッキーでしたね、としか言いようがありません(合掌)。

米Gizmodoのリシェフスキー記者は、記録媒体のメーカーとして名を馳せたiomega(アイオメガ社)に対して、いまだ忘れられない積年の恨みをつのらせているのだそうです。

皆さんは、カートリッジ入り磁気ディスクを利用する、zipディスク/ドライブを使ったことがありますでしょうか? (圧縮ファイルのZIPフォーマットではないですよ)

彼の怒りは、ソレについてなのです。

彼はアイオメガ社を心底嫌い、社のやり方にまったくもって賛同できず、彼を怒らせ落胆させた上、大学時代の作業内容を何一つ残せていないことに対して、この企業を親の仇のように憎んでいます。


それは90年代後半のことだった

私は、大学にてラジオとテレビでキャッチーな言葉をいかに喋るかという、放送メディアについて勉強していました。そして当時は、フロッピーディスクでデータの移動をするのが普通だった時代でした。エッセイやたまの写真を保存するのに1.4MB(メガバイト)の容量は充分でしたが、音声や映像、もしくはPhotoshopのデータを保存するにはまったくの役不足。

今でこそ半テラバイトのデータを、爪の大きさのメモリーカードに押し込むことができますが...20年前の記憶容量はそんな未来を想像することなんて夢にも思いませんでした。

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Image: Wikimedia Commons/Morn

私が大容量の記録メディアを欲していたとき、やはり世の中でもニーズが高まっていました。そこで1994年に登場したのが、アイオメガから出た100MBのディスクを交換できる、zipドライブです。外付けドライブは200ドル(当時のレートだと日本円で4~5万円)ほどで売られ、ディスクは一枚20ドル(4~5千円)程度。私の授業は高価な教材を必要としなかったので、即決で買ったのでした。

zipドライブは古いパラレルポート接続のおかげで、転送速度が1秒あたり1.4MBに制限されていました。それでも、このドライブとディスクは学業で必要不可欠な存在となりました。私は公式のパッド付きケースも購入し、学校と寮とを日々持ち運び、最終的にはデスクトップPCの1.6GBのHDDの中身すべてをバックアップするまでに至ったのでした。

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Image: Wikimedia Commons/Shizhao

終わりの始まり

学校のPCに頼らず、自室で課題をラクラク終わらせることができたのも、zipドライブのおかげ。ですがある夜、私がオーディオファイルの編集を終えると、突如としてzipドライブとの蜜月に終わりが到来しました。ドライブはどのディスクも読み込めなくなってしまったのです。そしてカチカチと、何かがクリックする音ばかりが聞こえてくるように……。

今ほど充実していないまでも、当時もインターネットはありました。今では何でもネットで答えが見つかりますが、当時はサポートに電話するのが当たり前。なので私はサポセンに聞くことに。するとこのトラブルはよく起こる問題だったらしく、ドライブを交換しないといけないことが判明しました。私にとってドライブがしばらく使えないことは苦痛でした。しかしその後、もっと怒り心頭な出来事が起こるとは、このときの私はまだ知るよしもなかったのです。

原因は?

この問題は「Iomega click of death」、通称「死のクリック」として恐れられていた不具合だったのです。このクリック音は、ディスクからデータを読み込もうと、ヘッドが位置を繰り返しリセットするときのもの。原因についてはいくつか通説がありましたし、私もまた問題を起こしても不思議はない無理な使い方をしていたと思います。

ですが、そもそもの原因は、ドライブを安く提供するためにコストを抑えた結果、ボディーの耐久性が欠如していたこと。なので、ほんの些細な衝撃でも、ヘッドがズレる可能性を大いに秘めていたのです。それが転じて、挿入したディスクに損傷を与えることに繋がっていたのです(私は持っているディスクをアレコレ抜き挿しして試していたのです)。

さらに起こる悲劇

そして正常に動く交換用ドライブが届き、私が手持ちのディスクを挿入したとき...そこで初めてディスクが破損していることを知ったのでした。私が保存していたエッセイや写真、音響効果、グラフィックス、パワポのプレゼン、フォトショのデータもMP3も、ぜーんぶ損壊していたのです。

不幸中の幸い、失ったデータのせいで納期を逃すことはなかったものの、PC研究室にはかなりの遅れが生じてしまいました。

時は過ぎて

私は後々になってから、1998年にアイオメガが集団訴訟されたことを知りました。2000年に大学で働くようになった頃には、USBフラッシュドライブとCD-Rが台頭しており、もう100MBのディスクは用済みとなりました。2003年にはzipドライブは製造を終了し、現在アイオメガ社はLenovoEMCとして存在し、ジョイント・ベンチャーとして外付け記録媒体を製造しています。

おそらく、今振り返れば笑っちゃうような作業内容でしょうが、学生時代の想い出をすべて失ってしまった私は、こういった理由からアイオメガとzipドライブを恨んでいるのです。おそらく永遠に。


ちなみに訳者の私も、グラフィック・デザインを学んでいた学生時代にMAC/WIN両刀使いのzipドライブには大変お世話になり、あちこちにドライブを持ち歩いたものです。ついでにPC内蔵ドライブも自作PCに設置し、大変な恩恵を受けていたのは良い想い出です。

今では押入れに眠っていますが、まだ現役のはず。自分の経験を踏まえると、リシェフスキー記者が気の毒でなりません。そして「死のクリック」が起こらなかったことに対し、デジタルの神に感謝するのでした。

Source: Wikipedia, INDIANA UNIVERSITY, Museum of Obsolete Media

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