アップデートしすぎて尊い。
iPad史なる歴史を辿れば、今年は時代が変わる年ですよ、絶対に。iPad Proについてはずいぶん昔から出る出ると言われ続けていましたが、ついにその時がやってきます。
Appleは、10月30日23時(日本時間)からSpecial Eventを開催。もちろんiPadを発表するとは一言も言ってないですが、発表されそうです。ニューiPad Pro。
キーワードは“体験のなかに消えるiPad”

「ばいばい、ホームボタン。」の記事でご存知の通り、今年のiPhoneからホームボタンがなくなりました。野暮ったいディスプレイ上下の空虚をなくし、“体験の中に消えるiPhone”をデザインするためです。そして、ここで重要なのは、ボタンの代わりに採用されたスワイプジェスチャーを使った操作方法「Fluid Interfaces」です。
Fluid Interfacesとは、指の動きだけで「ホームに戻る」「アプリを切り替える」など、iOSデバイスの基本操作をすべて行なう仕組み(上のGIF画像)。今年の6月にはWWDC 2018では、Fluid Interfacesだけで一つのキーノートを行なっていたくらいで、Appleは次の10年を担う次世代のインターフェースとして考えています。
この流れはiPhoneに続き、iPad Proにもやってくるでしょう。“体験の中に消えるiPad”を作るためです。
つまり次のiPad Proは、iPhone Xシリーズのようにフレームがほとんどない狭額縁(ベゼルレス)ディスプレイになる可能性が高いといえるでしょう。すべては“体験の中に消えるデバイス”のための、ベゼルレスディスプレイ、ホームボタンの排除、Face IDであり、これが「今年のiPad Proがベゼルレスになる」と噂される真の理由です。
ノッチ(凹)なし

ホームボタンがなくなることで、認証方式はTouch IDからFace IDに移行することは間違いありません。ただiPhoneとは違うのは、9to5Macが独自に入手した話によると、新型iPad Proはノッチなし。TrueDepthカメラはフレームに収まるようです。
iPhone SEのような「角ばった」デザイン

もう一つ。iPad Proの特徴的なデザインは、iPhone SEやiPhone 5/5sのようにカクカクとしたボディです。通称ダイヤモンドカット加工が、現行のフロント側だけでなく、新型ではバック側にも施されるのでは?との情報をMacお宝鑑定団 blog(羅針盤)は報じています。それに続いて、SLASHLEAKSもiPad Proとおもわしき3D CADリークを公開。こちらでもダイヤモンドカット加工が見られることから、iPhone SEやiPhone 5/5sを大きくしたようなデザインになる可能性があります。
2つのディスプレイサイズ

Mac Rumorsによると、新型モデルも、現行と同じ10.5インチと12.9インチの2サイズになる可能性があるとのこと。あくまで推測でしかありませんが、アプリ分析プラットフォームが未発表のiPadによるアクセスを解析し、ディスプレイ解像度が現行モデルと同じことから、10.5/12.9インチになると予想しています。
iPad Proは、2017年のWWDCで9.7インチモデルが10.5インチモデルにサイズアップし、12.9インチモデルが第二世代にアップデートした背景があります。現在は10.5インチ(第一世代)と12.9インチ(第二世代)の2サイズ。買おうと思っている方、新型ではどちらを狙いますか?
小型化で12.9インチも「アリ」なサイズへ

今年も10.5インチと12.9インチの2サイズで登場するのであれば、今年のiPadは現行モデルより小さくなります。ベゼルレスディスプレイを搭載することで、上下のベゼル分をダイエットできるからです。どれくらい小さくなるのでしょう?
10.5インチ | 2017年モデル | 2018年モデル |
---|---|---|
高さ | 250.6 mm | 247.64 mm(2.96 mm↓) |
幅 | 174.1 mm | 178.52 mm(4.42 mm↑) |
12.9インチ | 2017年モデル | 2018年モデル |
高さ | 305.7 mm | 280.66 mm(25.64 mm↓) |
幅 | 220.6 mm | 215.00 mm(5.6 mm↓) |
Mac Rumorsや報じたサプライヤーの情報によると、上のサイズに近くなる可能性があります。Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)も7月の時点で同じような数値を報じていました。10.5インチで最大約3mm、12.9インチで約2.6cm(!)もサイズカットしています。現行の12.9インチモデルは人を選ぶビッグな大きさですが、新型で小さくなるなら魅力的なのでは…?
ちなみに、上の画像はリークの寸法をもとに作っています。作ってわかったのですが、10.5インチモデルはベゼルが大きい気がします。ちなみに11インチになる噂もあり、確かにもう少しディスプレイは広げられそう。
薄くもなる!?

iPad Air→iPad Air2で薄くなったときに、ものすごく洗練された印象を受けたのはよく覚えていて、微々たる差でも薄くなって欲しい。買い替えを正当化してくれる材料です。
Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)やSLASHLEAKSによると、このような厚さになるとのこと。
10.5インチ | 2017年モデル | 2018年モデル |
---|---|---|
厚み | 6.1 mm | 5.86~6.0 mm(↓0.24~0.1 mm) |
12.9インチ | 2017年モデル | 2018年モデル |
12.9インチ | 6.9 mm | 6.4 mm(↓0.5 mm) |
とはいえ、iPad Air→Air 2で厚さ1.4mm減なので、今回はほとんど感じられないほどの変化かもしれません。
新しい「Magnetic Connector」で周辺機器は一新?

以前から、iPad Proの背面に新しいコネクターが設けられる話がありました(上の画像)。最近9to5Macが入手した情報によると、これは「Magnetic Connector」という新しいコネクターとのことです。
現行のSmart Connectorと同じようにSmart Keyboard(外付けキーボード)みたいな周辺機器を接続するもので、Magnetic Connectorに合わせて周辺機器も新しくなる噂です
ついに、Lightningを卒業か

iPhoneでは毎年のように「LightningからUSB-Cになる」という噂が浮上しますが、今年もLightningでしたね。そしてiPad ProでもUSB-C端子が採用される可能性があると言われていました。これも幻想?
ところが9to5Macが入手した情報によると、どうやら今回は本当っぽくて、USB-C端子を使うことで4K HDRで外部ディスプレイに出力できるみたいです。ということは、USB-CのAltモードを使ってThunderbolt 3に対応しているかもしれません。
またUSB PD仕様によって、充電スピードもさらに高速になるとみてもよいでしょう。現行のiPadはせいぜい実測20W程度が上限ですが、USB PD自体は最大100W出力まで対応している規格なので、さらなる高出力に期待。
Apple Pencilも新型へ

9to5Macが入手した情報によると、今回の新型iPad Proに合わせて、新しいApple Pencilも用意しているようです。いわく、AirPodsと同じようなペアリングができるみたいで、W1あるいはW2チップの搭載は確定でしょう。
すでにAppleは、Apple Pencilのペン先(チップ)のすり減りをお知らせする機能の特許を取得していたりと、ほかにも新型に盛り込まれそうな機能はあります。が、描く体験を向上させるアップデートも盛りこんでくるでしょう。
iPad Proは、12.9インチモデル(第二世代)、10.5インチモデル(第一世代)で、120HzリフレッシュレートのProMotionディスプレイに対応。おかげで、Apple Pencilの視差(ペンをおいたところと、線が出力される位置のズレ)が軽減され、追従性がかなり進化しました。すでにディスプレイ側のセンシングで解決できる上限には迫っている気がするので、今度はスタイラス側の進化の番。さらに良くできる余地があるのか気になります。
イヤホンジャックはなし

最近は、ジャックがなくてもOKって方も多くなってきました。AirPodsもすごく使いやすいですしね(と思ってこの記事のコメントを読むと「イヤホンジャックないなら買わない」って人がけっこう多くてビックリ)。で、Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)や、信憑性の高いAppleリーク情報を発し続ける謎のアカウントCoinCoinは、今回のiPad Proはイヤホンジャックを搭載しないと報じています。
理由としてCoinCoinは、5.9mmの厚みにジャックの穴をもうけられないと言っています。iPhoneでは7からイヤホンジャックがなくなり、IP67レベルの防水に対応しましたが、iPad Proも防水になればいいですね。そんな情報はないですけど。
期待したいプレミアムモデル

最後に。有機EL(OLED)ディスプレイを搭載したiPad Proが登場するかも?という、超ワクワクする噂についてです。有機ELディスプレイは、液晶よりも鮮やかな有彩色と綺麗な黒色を出力するのに優れています。
おさらいすると、先日「11インチのSuper Retina HDディスプレイを採用したiPad Pro(11-inch)が存在する可能性」とMacお宝鑑定団 blog(羅針盤)が報じたことをきっかけに盛り上がりました。iPhone Xで好評の有機EL「Super Retina HDディスプレイ」がついにiPadでも……ってことです。
とはいえ、有機ELディスプレイは単価が高いことから、スタンダードモデルに採用するには高いハードルがあります。だから登場するとしても、上2つの液晶モデルと合わせて、3つ目のプレミアムiPad Proとして登場するでしょう。しかし上に書いたとおり、今年は2モデルの展開の可能性があるので出ない可能性も十分にあります。なので、あまり期待しすぎないように…。
2018年10月29日 12:30更新:公開以降の新情報をもとに、一部を新しい画像に差し替えました。
Source: Apple, Twitter(1, 2), 9to5Mac, Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)(1, 2), SLASHLEAKS, Mac Rumors(1, 2, 3), Patently Apple