2020年打ち上げの火星探査機「Mars 2020」着陸の場所が発表!

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
2020年打ち上げの火星探査機「Mars 2020」着陸の場所が発表!
Image: Credit NASA/JPL-Caltech/MSSS/JHU-APL

39億年前は生命の宝庫だったかもしれない場所へ。

2020年夏に打ち上げ予定の火星探査ローバー「Mars 2020」。23台のカメラと数々のハイテク機器を搭載した探査機は、これまで3カ所の候補地のいずれかに着陸させる予定でした。

3つの候補地からどこを選ぶ? NASAが2020年の火星探査ローバーの着陸予定地を発表

https://www.gizmodo.jp/2017/03/2020-mars-rover-landing-site.html

2017年の始めに発表された候補地は、かつて火山活動で暖かかったと予想されるシルチス北東部、昔は湖だったと考えられているジェゼロ・クレーター、そして最初の火星探査機スピリットが調査したこともあるコロンビア・ヒルズの3つ。

決まったのはココ

そしてこのたび、NASAが最終決定でジェゼロ・クレーターにすることを発表しました。

Mars 2020はここを起点に、サンプルを集めては生命の存在の名残りを探す旅に出るのです。将来的に人類が移住できるか否かの可能性も探りつつ…。

この場所が持つ可能性

ジェゼロ・クレーターは深さ500mで、クレーターの直径は45km。ここには35~39億年前に湖として水が溜まり、洪水時には溢れ出ていたものと考えられています。このデルタ地帯には、流れ込んだ岩石が火星の歴史や構成を記録しているかもしれず、古代の火山活動の証拠が残っているかもしれないのです。

NASAのジェット推進研究所(JPL)でMars 2020計画に関わる科学者ケン・ファーレイ氏は、記者会見で「デルタ地帯は生命存在の証拠を残しておくのに最高の場所なんですよ」と話しています。もしこの赤い惑星に生命がいたとしたら、川に流され、そのままデルタ地帯に残っているはずなのです。

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Image: NASA/JPL-Caltech

選ばれるまで

NASAの記者会見にて、科学者たちは「現在いる生命を求めているのではなく、古代の火星環境が地球と似ていることを示す、生命の痕跡を求めている」ことを強調しました。

選考プロセスは、数十の潜在的な候補地が載ったリストから始まり、絞り込むためのワークショップが続きました。それは本質的に科学的に興味深い場所であり、古代の生命と水の証拠の可能性がある5つの基準に基づいています。

リストが4つの候補地まで絞られたのち、10月のワークショップに科学者と技術者が集まり、最終決定をする前にさまざななオプションについて議論を行ないました。

しかし問題も

科学的興味から、ジェゼロはずっと有力候補に挙がっていました。とはいえ、ロケットを着陸させるのが難しい地形で、問題を引き起こす可能性を持っている場所でもあるのです。

NASAの科学ミッション・ディレクターであるトーマス・サーボカン副長官は、ここに辿り着くには、写真撮影や地図の比較し、必要に応じて着陸点をズラす新しい着陸テクニック「terrain-relative navigation(地形関連ナビゲーション)」によるところが大きいと指摘しました。

またNASAの惑星科学部門の演出責任者ロリ・グレイズは、「この新しい戦略ではミッションが成功するという保証はない」と語っています。火星の薄い大気が、いかなる着陸をも非常に困難にし、多くの失敗がありました。最近では2016年に、ESA(欧州宇宙機関)のスキャパレッリ着陸機がソフトウェア不具合のため地表に衝突したこともありました。

ミッション

Mars 2020は、過去の探査機スピリット、オポチュニティ、キュリオシティの後継機となります。サンプルを集めては、未来のミッションで送り込まれる探査機が回収するために、あえて地表に置いていくのが作業内容となっています。

ちょうど先週、ESAはエクソマーズ・ローバーが着陸するのは、Oxia Planumと呼ばれる平地になることが明らかになりました。そしてNASAは来週、火星着陸機インサイトがタッチダウンする際、着陸能力をテストする機会を得る予定になっています。

打ち上げ予定の2020年までまだ時間がありますし、それまでに着陸に関する懸念がどう解消されるのか? NASAの頑張りに期待ですね。

2018年11月24日 0:00訂正:記事中に「3500億年前」「3900億年前」と記載しておりましたが、正しくは「35億年前」「39億年前」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。

Source: NASA

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