あと2日で、火星に新たな探査機が着陸予定! でもこれまでの成功率は40% !?

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  • author 傭兵ペンギン
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あと2日で、火星に新たな探査機が着陸予定! でもこれまでの成功率は40% !?
Image: NASA/JPL

着陸地点から動かない漢らしさ。

火星に着陸し、自撮り写真なんかを含めていろんな火星の画像を届けてくれた「キュリオシティ」から6年、ついに新しい探査機が火星に到着します!

前代未聞の鋭い洞察力

今回の探査機の名前は「インサイト(InSight=Interior Exploration using Seismic Investigations, Geodesy and Heat Transport)」。その直訳は「地震捜査、測地学、熱輸送を使用した惑星内部探査」。明らかにInsight=洞察という言葉になるように無理やりつけたとしか思えない……!

それはともかく、この「インサイト」は地下5メートルに穴を堀り、揺れを感知する地震計と惑星内部の温度を測る熱伝導プローブを使って、火星がどのように誕生し今の形になったかの歴史や、火星の地殻変動の度合、さらには火星にどれだけ隕石の衝突しているかなどを調査する予定です。これは今までに行なわれたことがないタイプの調査なのだとか。

着陸は無事に?

というわけでなかなか興味深い情報が得られそうですが、なんとこれまでの火星探査機が無事に着陸できた割合は40%程度なのだそうです。この話を掲載した米Gizmodoの記事で、NASAのインサイト計画の責任者であるトム・ホフマンはこう語ってくれています。

ホフマン「別の惑星に着陸させるのは本当にワクワクすることで、インサイトもそこに関しては何ら変わりありません。ただ、着陸を成功させるためには本当に沢山の課題を乗り越えなければなりません」

安全に着陸させたうえですぐに調査が開始できるよう、開けて安定した駐車場のような場所に着陸できることを狙うのだとか。しかし、探査機は時速約2万キロで正確に12度の角度で火星の大気圏に突入する必要があります。ちょっとでもずれるとバラバラになるか、大気圏に跳ね返さえてどっかへ飛んでいってしまうのだとか。

そしてその後、耐熱シールドを活用して時速1600キロまで減速し、鉄なら溶けちゃう約1482度までの温度に耐えてパラシュートを展開。それを切り離したら、逆噴射ブースターで着陸するという文章で見ているだけでもかなりハードな行程

無事に着陸できそう!

ちなみにインサイトの原型となった探査機フェニックスに比べて鋭角に突入し、減速のための時間がより少なくなっているため今回はパラシュートを強化。ホフマンが米Gizmodoに語ったところによると、テストでは一切壊れなかったのだとか。これは良い兆候ですよね。

また、2016年に打ち上げられた欧州の火星探査機「スキアパレッリ」は計算ミスによって逆噴射が十分に行なわれずに墜落するということがありましたが、NASAはその事故から学びソフトウェアを改良して、着陸途中に電波を発して地球にその進行状況を伝えられるようにしたのだとか。

こんな具合にNASAが全力で改良を加えた探査機ですが、それでも着陸は本当に本当に難しく成功するかはわかりません。困難な状況を乗り越え無事に着陸できるのか!

アメリカ時間の来週月曜日(日本時間の11月27日 04:50AM頃)に着陸のライブ映像がオンラインで配信予定。その様子を(機体は約1482度になるらしいけど)暖かく見守っておきましょう!

Source: Gizmodo US, Nasa, The Oatmeal