太陽に最も接近した人工物! NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が2つの新記録を達成

  • 14,836

  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • たもり
太陽に最も接近した人工物! NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が2つの新記録を達成
Image: NASA / Johns Hopkins APL / Steve Gribben

パーカー、できる子!

NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が、2つの重要なマイルストーンを打ち立てました。人工物による太陽最接近、そして宇宙に送られた人工物として飛行速度が最速という記録を達成したのです。

2018年8月12日に打ち上げられたばかりのパーカー・ソーラー・プローブは、これからミッションの第1段階に入ります。

打ち上げからたったの78日で記録を更新

東部標準時の10月29日午後1時4分、パーカーは太陽の表面から約4270万kmの地点を通過したことにより、太陽に近づいた人工物として新記録を生みました。これまで記録を保持していたのは、1976年4月に最接近した西ドイツとNASAによる太陽探査機「ヘリオス2号」でした。今後はパーカーが太陽に近づくたびに接近の新記録が塗り替えられていき、2024年には616万kmほどに最接近すると予測されています。

NASAのプレスリリースで、パーカー・ソーラー・プローブのプロジェクトの・マネージャーAndy Driesman氏は「パーカー・ソーラー・プローブが打ち上げられてからたった78日で、歴史上のどんな探査機よりも太陽に近づいたのです」とコメント。さらに「チームにとって誇らしい瞬間ですが、私たちは最初の太陽接近に集中し続けます」と続けています。

飛行速度も最速

パーカー探査機の勢いは留まらず、太陽に最も近づいてから10時間も経たないうちに、また別の記録を更新することに。速度が時速24万6960kmに到達して上回ったことで、なんと史上最速の太陽に関わる人工物にもなったのです。この最速記録も、ヘリオス2号ミッションの記録を破るものでした。2024年には、探査機は時速69万2000kmを超えると期待されています。

今後は太陽に関するデータが更新されていく

NASAはパーカー・ソーラー・プローブの速度と距離の算出にディープスペースネットワーク(DSN=探査機との交信に利用されるNASAの情報通信網)を利用しています。以下、リリースに掲載されていた説明です。

DSNが信号を探査機に送り、それがDSNに送り返されることで、チームは信号のタイミングと特性に基づいて探査機の速度と位置を判断します。パーカー・ソーラー・プローブの速度と位置は10月24日のDSN測定結果を使って算出され、彼らはその情報と既知の軌道力を用いて、その地点以降の探査機の速度と位置を算出したのです。

現時点での太陽との距離では、探査機が軌道を完全に一周するまで150日を要します。26回ある近日点(太陽に最も近い地点)への到達の1回目を2018年11月6日に迎える予定で、これからの6年間で探査機の軌道は徐々に縮み、太陽に近づいていきます。太陽の表面に近づくにつれ、探査機は厄介な熱と放射エネルギーに直面することになりますが、常に太陽と向き合う形となる耐熱シールドがかわしていくことでしょう。

今後はパーカー・ソーラー・プローブに搭載されているセンサー類が測定を行ない、かつてない新たなデータが科学者らに与えられるようになります。太陽についてもっと知ることで、地球や他の惑星にどんな影響を及ぼすのかを深く理解できるようになり、さらに宇宙天気予報を改善できるようになるかもしれません。たとえば太陽がいつどうやって巨大太陽嵐を発生させるのか知ることで、長期的にみて地球へのダメージを減らせるかも…なんて期待もあります。

Source: NASA(1, 2