コンテンツメーカーとハードメーカーのコラボ、今後も増えそうです。
ソニーのテレビ・ブラビアの上位機種に搭載された画質モード「Netflix画質モード」。その名の通り、Netflixのコンテンツの真の画質を引き出すというこのモードの説明会が、本日11月30日にNetflix Japanの本社で行われました。
今回はその内容とともに、実際に見てきた「Netflix画質モード」がどんな具合だったかお伝えしますね。
みんなNetflixはテレビで見ている

まずはNetflix対応デバイス拡充を行うバイス・プレジデントであり、デバイス・パートナーエコシステムのスコット・マイラー氏が登壇。Netflixは世界中で1ヶ月あたり5億台を超えるデバイスで視聴されている中、日本ではその50%がTVで視聴されているそうです。これはモバイル機器の倍なので、NetflixはTVとのパートナーシップを積極的に展開することにした...と現状を説明。
その中で、Netflixはクリエイターの考える「本来の映像」をなるべくそのまま配信することを目指すように。色々なTVメーカーが「質の低い映像ソースを質が高いように見せる」ことに注力して理解が得られない中で、グループ内で映画などの映像コンテンツも展開するソニーとビジョンが一致したので、2年をかけて誕生させたといった誕生秘話を語ってくれました。

Netflix画質モードは映像設定のメニューから細かな設定無しで一発でオンオフできます。便利さも追求するNetfixっぽい心遣い、
今のテレビのスペックは一部で映画館を上回る

続けて、ソニービジュアルプロダクツ株式会社のTV事業部具術戦略室の主幹技師である小倉敏之が登壇。いわく、現在の4Kテレビは解像度以外の面で、もはや映画館のスクリーンを上回っている部分があるのだそうです。
クリエイターとユーザーをKANDO(感動)で繋ぐことを目標とするソニーは、普段であれば他社には明かさない秘伝のタレ(内部の細かなパラメーター)をNetflixに開示。こうして正確な信号再生をしながら、映像の本来の風合いを再現できるようにしたのだとか。
ベテラン監督にここまで言わせる「Netflix画質モード」の実力
最後に両氏に加えて『ホームアローン』や『ハリー・ポッター』シリーズで知られるクリス・コロンバス監督が登壇し、パネルディスカッションを展開。Netflixオリジナル映画『クリスマス・クロニクル』も手がけた監督は、この画質モードを「シネマの革命」と評価。

コロンバス監督は、TVで放映される自分の映画はいつも輝度やフレームレートが違ってイラっと来ていたそうです。まあたしかに、映画がTVで放映されるときって妙に画面が明るかったりしますもんね...。
でも、そんなコロンバス監督も、今回の画質モードには大変満足。「現場に戻ったような気分がして、安心してぐっすり眠れる」とすさまじい勢いで絶賛していました。
視聴:たしかにマスター画質に近い雰囲気

今回はその「Netflix画質モード」を搭載する4K有機ELテレビ「ブラビア A9F」シリーズを、映像制作の中で画質のリファレンスとして使われるマスターモニター(業務用)と並べて比較するというデモが行われたのですが……写真じゃ全然お伝えできない!
非常にきめ細かな映像で明暗の微妙な違いまでもバッチリと再現。マスターモニターとの差異も極々少しだけ色味が違うくらいでほとんどなく、まさにクリエイターが意図した映像のそのまま…のはず。
自分は映像クリエイターでもなければ、普段マスターモニターを見ることもない生活を送っているので「すごくきれいな4Kテレビだね」くらいのKANDO度合いになってしまうのですが、とりあえず僕はコロンバス監督の言葉を信じます。

ここまで来ると、「『Netflix画質モード』で見ないとNetflixを見たことにはらならない」みたいなマウントをしてくる輩が出てきそうですが、そういう奴らにはブラウン管テレビでも顔面に食らわせるとして、とにかく気になる展開であるのは確か。
パネルディスカッションでもこれがソニーのスマートフォン等にも搭載されるかという話が質問が飛び出し、小倉氏は「スマートフォンの担当ではないので」とかわしながらも、小倉氏・マイラー氏は両方とも今後の可能性としてはあり得るといったニュアンスの発言をしていました。「Netflix画質モード」がXperiaに搭載される日もそう遠くはないかもしれません。
今回紹介した「Netflix画質モード」は現在ブラビアMASTER SeriesのA9FおよびZ9Fシリーズに搭載されて販売中。私のようなNetflix見ない日はないヘヴィーユーザーは、TVを買い換えるときは、「Netflix画質モード」が搭載されているかどうかも考慮に入れる必要がありそうですね!