年相応にしか人は生きられない? 若返りは公的に認めずとの初判決

  • author Rhett Jones - Gizmodo US
  • [原文]
  • 湯木進悟
年相応にしか人は生きられない? 若返りは公的に認めずとの初判決
Image: Guardian News/YouTube

公的には認められないのです…。

ボクは男性ということですが、自分は女性だとしか思えません。私の名前は○○ですが、でも違う姓名に改めたいです。人の名前も性別も、大切な個人のアイデンティティなので、いまやそんな願いを有する方を、社会も自由に受け入れて、望むならば、本名だって、性別だって、変更可能な時代となりました。では、年齢はどうなのでしょうか?

そんな一昔前ならば、一笑に付されていたであろう願いが、このほど真剣にオランダ裁判所で審議され、ついに判決まで出てきましたよ。この裁判を申し立てたのは、声優としても有名なEmile Ratelbandさんです。実年齢は69歳なのですが、肉体は40代と言ってもおかしくないとの医師の診断すらあったそうで、生年月日を公的に20年繰り下げ、49歳として生きていけるようにしてほしいと市に要求。当然ながら、この求めは却下されたのですが、実年齢が69歳であるゆえの差別を、プライベートでも仕事でも受けているとして、年齢変更を認めない市を相手取って裁判を起こしていました。

しかしながら、このほどThe Guardianが報じたところでは、裁判所はRatelbandさんの申し立てを全面的却下。年齢は個人のアイデンティティとして重要な要素ですが、その変更を認めてしまえば、さまざまな問題が生じることを理由に示しています。たとえば、選挙権や就学、成人年齢などは法律で定められているものの、もし個人が自由に実年齢を変更できてしまうのであれば、こうした法定年齢そのものが意味をなさなくなってしまうと論じられましたよ。

Ratelband氏が、実年齢よりも20歳は若いと感じるのも、そのように行動するのも自由だが、生年月日の修正を認めるならば、誕生、死亡、結婚をはじめ、法的に登録された人間関係の記録が、20年分消失してしまうことを意味している。これは多くの法律上、また社会生活上影響をおよぼす問題となる。

こんなふうに判決では説明がなされたとのことですね。なお、Ratelbandさんが、年齢ゆえに不当な差別を受けたと感じる場合、その差別を解消するために、さまざまな措置を講じ、法的な保護を求めるのは自由であるとも言い渡されています。とはいえ、Ratelbandさんの主な申し立ての理由は、出会い系サイトで実年齢がバレると、若い女の子が寄ってこないですとか、69歳にもなると40代向けの仕事がもらえないだなんて内容がメインですから、あまり取り合ってはもらえないかもしれません。若返りは皆の夢ですけど、見た目や精神年齢の若さは保てても、やはり実年齢まで若返らせることはできないというのが厳しい現実ですね。

Source: The Guardian, BBC, NBC News

あわせて読みたい

powered by